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20 女神ブリーイット side-k
しおりを挟む「久し振りの純粋な男神だわね。コレはパーン?」
キアンは額に掛かる髪の毛を冷たい指先で触られた途端に目をパチリと開けた。
「何処だここは」
ムクリと起き上がり、周りを見回すと特徴的な赤い髪の毛を細い三つ編みにして其れを複雑な形に結い上げた、金の目をした色白な女の顔が自分の直ぐ眼の前に見えギョッとした。
「うおッ、ビックリした・・・なんだブリーイットか・・・」
「なんだ、とは何なのよッ! 心配してやったのに・・・て、アンタひょっとしてキアン? あの長い髪の毛何処行ったのよッ? 私のお気に入りだったのにッ!」
プリプリ怒る彼女は春を呼ぶとされている女神で名をブリーイットという。
「邪魔だから切った・・・って、何を怒ってんだよ、人を急に呼び出しといて」
つい呆れ顔になる彼は、自分のいる場所を確認するために周りを見回す。
最後に覚えているのは祠の岩肌に彫られた大昔の自分の姿に手を伸ばした所迄だ。
「一体ここは何処だ?」
「あたしンちよ。因みにアンタが寝てるのはウチの床」
「あ、そう」
寝かされているというよりは放って置かれた感じだな、と納得する。
大理石の床の上に羊毛で出来た生成り色のカーペットが敷かれていて、その上に直接自分の体が転がっていたようで、身体は特に異常はなさそうだ。
肩をグルグル回しながら体を確認していると
「キアン、アンタ神世で眠る事にしたんじゃなかったの?」
不思議そうな顔でこちらを見ているブリーイットと目が合った。
「ああ。寝てたよ。でも呼び出されたっつーか、かなり強力な魔法陣で釣り上げられたんだ」
「誰に?」
「エクネの奴に捕まった」
「・・・アイツ起きてたんだ?」
おかしいわねえ、男神なら捕まらないはずがないのに・・・と呟くブリーイットにキアンは首を傾げる。
「所でブリーイット、用事って何だ?」
「ああ、あれね。生き残ってる男神なら誰でも良かったんだけどさあ、丁度いいわキアン、アタシの伴侶になりなさいな」
「・・・はぁ?」
ブリーイットの赤い唇の口角がグイッと上がった。
が。
「嫌だ」
即答した彼の身体は、目に見えない蔓で拘束された。
「!」
「やっと手に入る機会が巡ってきたんだもの。逃さないわよキアン」
ブリーイットの目はギラギラとしていた・・・
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