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偶に『漢』見せます
しおりを挟む「ちょっ、ちょっと美奈。
いきなり空手チョップは駄目でしょうが。
他所んちの子よ」
慌てて仲裁に入る女神様。
祐一は急にアイーシャが普通の人に見えた気がして目を擦る。
「だって、祐一さんの腕を引っ掴んでさ!
偉そうなんだもん! コイツッ!」
異世界産女神と日本人のハーフの美少女がその青い目を釣り上げる。
ミナはいい具合に日本人の可愛らしさが混ざっていてかなり国民ウケのイイ可愛いさなのだが、なんにしろ気が強い。
女王様である。
気に入らないものは徹底的に噛みつくため、樹専務曰く『急に狂犬になる』んだそう・・・
これがソレか、と額を抑える祐一。
そしてふと横に座る麗奈を見ると、同じように額を抑えていた。
祐一はこんな大騒ぎの最中なのに、同じ格好をしている彼女を見て何だか妙に嬉しくなった。
目の前では美奈とエマが睨み合っているし、会長と代表は苦笑いをしている。
通訳の女性は暫く呆然としていたが、何とかこの場を納めようとエリザベスに話しかけている。
やれやれ、と思いながら祐一が英語で目の前で興奮しているエリザベスに声を掛ける。
『俺は確かに祐一だけど君は誰?
俺は君を知らないし、デートの約束をした覚えもないよ』
祐一の流暢な英語で覚えていないとハッキリ言われ目を見開くエリザベス。
『覚えてない?』
『覚えていない』
『3年前の映画で殺陣を教わった、エリザベス・ホーソン!』
『俺は俳優じゃなくて、彼らの代理でアクションをこなすだけで出演者ではない。
だから出演者を覚える必要はないんだ。
その時限りの付き合いだからね。
君にとっては残念なことかもしれないけど君は俺にとって行く先々で会う大勢の中の一人でしかない』
『そんな。
ユウイチのお嫁さんになるって私言ったのに!』
『俺の妻になる人はこの人だ』
祐一が隣に座る麗奈の肩を抱き寄せると、彼女の顔がボンッと赤くなる。
『他の誰も要らない。
俺はこの人だけでいい』
優しげな目で麗奈を見つめてその左手を持ち上げる。
『もうすぐ結婚する』
そう言って目を見開いているエリザベスに握っている麗奈の左手をそっと差出し指輪がキラリと輝く薬指を見せてその指輪に口づけを落とす。
『コレが証拠』
そう言いながら彼は冷めた表情でエリザベスを見つめた。
―― マジであの時、形だけでもって買っといて良かったあぁ~~~~!
あの時の俺、グッジョブッ!!
見た目クールに決めてはいるが、その裏で背中に冷や汗をかいていたのは一生の秘密にしようと心に誓った祐一である・・・
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