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4 僕に何ができるだろう2
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登与の話しを最後まで聞いて、八広は自分が今置かれている事の重大さに気がついた。
(アテルイとかいう最大の敵、武将の力はチートじゃないか。僕が勝てる見込みが全くない。かといって、僕は部外者じゃなく重い責任がある。)
彼は卑怯なことが大嫌いだったが、とりあえずその場はごまかして、自分の世界に帰ろうと思った。
「それでは、僕は自分の世界に一端戻って、いろいろなことを調べますね。邪馬台国が石の国との戦争に勝ち、僕がアテルイを退ける方法など―― 」
八広が中身に自信がもてないことを話した時、登与が彼をじっと見た。
そして、目が合った。
彼女の美しい瞳が彼に訴えかけていた。
(ほんとうに美しい。でも、そんな目で見ないでほしい。ほんとうにつらいな‥‥ )
気がつくと自分が本来生きている現世で、彼は海見神社の階段の333段目に立っていた。
たぶんもう、かなりの深夜だと思われた。
彼は、とぼとぼと階段を登り頂上の神社の社務所に隣接している自分の家に入った。
そして自分の部屋に戻ると、大変な疲労感を感じ、すぐに深く寝込んでしまった。
次の朝、彼は海見神社の階段を降りて、山のふもとの自転車置き場になんとなく近づいた。
高校に通うため、彼は自転車のペダルをこぎ始めた。
「入江、入江、起きてるのか。私の話はそんなに、ここち良いのか」
歴史の事業、居眠りばかりしている入江八広いりえやひろに先生が注意した。
教室中の視線が彼に向けられた。
勉強がよくできる優等生の彼にはめずらしいことだった。
休時間になって、彼の親友の坂田順が話しかけてきた。
霊感が強い反動で超神経質な八広は、相手の本質をしっかりつかんでしまう。
現代風でいうとHSPハイリーセンシティブヒューマンだった。
坂田の心は常におだやかで優しく、彼はいつも心地よく感じていた。
「八広君。めずらしいね、きのう夜遅くまでネットサーフィンでもしたの」
「いや。すぐ寝てんだけどさ。なかなか眠れなくて‥‥‥‥ 」
「えっ、えっ、えっ、えっ、悩み事かな、もしかして」
「うん。そんな感じ。少し思い詰めてしまったことがあるんだ」
「おまえがそんなに悩むなんて、とても信じられないな。この進学校の中で1位の優等生、それにファンタジー小説の勇者様のようなイケメン。たぶん今彼女がいないのは、話しかけにくいくらいカッコいいからさ」
「ところが、ところが―― 坂田君! そのカッケー勇者様の中身はスッカラカンなんだ。既に美少女の姫様も登場しているのだけど、とても勇者としての指命を全うできないよ」
「おまえにしてはあきらめが早いな。ほんの小さな頃から、おれはおまえの一番良いところをよく知っている。それは、どんな苦難に対面してもあきらめないことだ!!! 」
「ところが、そんな僕でもどうしようもないシチュエーションなんだ。」
入江八広が坂田順と話し込んでいた時、ある女子生徒が話しに割り込んできた。
「なんで諦めるの! あ――――っ、まさかもう諦めていない? 私が太鼓判を押すわ。必ずうまくいくから、がんばんなさい!!! どんなに泥臭くたって最後に勝てば良いのよ」
彼の幼なじみの北川風香だった。
この県下第1の進学校の成績1位の座をいつも彼と争う才媛だった。
‥‥ただ、いつも彼が勝っていたが‥‥
それに、東京に遊びに行った時、歩いていたら数社のスカウトが声をかけてきた超美少女だった。
幼なじみの風香に言われて、彼の顔はさらに険しくなった。
「ラスボスね! いったいどれだけ強いの? 確かに八広は戦うとか、格闘技系は弱いからね。でも、いつも、あの風が吹きすさぶ入り江の周回道路を自転車で通っているんでしょ、それに神社の山の階段を登っている」
「そうか。筋肉は鍛えているから、後は剣の扱いに慣れるだけか。でも、根性漫画のようにしごかれるのはいやだから、楽して剣の扱いがうまくなるように、誰か達人に教えてもらえばいいな」
「そうそう、スターウォーズのヨーダのようなマスターを探すのよ。あっ、とても良い適任者がいるわ。剣道の全国大会で優勝した柳生先輩なんてどう。あの人、剣道で最高位の十段よ」
「そうか、でも先輩は3年生で大学受験に向けて忙しい時期じゃないかな。僕に剣道を教えてくれる時間なんてあるのかな」
「大丈夫よ。私がチャチャと頼めば、そくオッケーしてくれるわ。」
体育館の中にある高校の剣道場だった。
彼は、身長が190センチ以上ある自分よりかなり大きい相手と相対していた。
「入江よ。前に私が剣道部への入部を勧誘した時に断ったな。それを今になって剣道を教えてほしいとか、いったいどういう風の吹き回しか。しかも、北川さんに仲介してもらうとは何事だ」
そしていきなり、全国一位の剣士である柳生が竹刀をものすごい気合いで振ってきた。
ところが‥‥
彼は本能的に、その一撃を冷静に見ることができた。
わすかな瞬間に軌道を正確に予測し、ほんの少しだけ自分の体をよけた。
そして、柳生の体の一番弱くなっている箇所を見抜き、そこに効率的な一撃を加えた。
柳生は見事に剣道場の畳の上に倒された。
倒れた柳生は、しばらくの間ピクリしなかった。
彼は非常に驚き心配した。
すると、
「はははは」
柳生の豪快な笑い声が剣道場に響いた。
「それだよ。それ―― 誰にもできることではない。戦いの場で完全に恐怖心に勝っている。それは神秘の力。剣道の奥義さ。むかしから剣道だけではなく、日本の国の心とされている」
「先輩。すいません。今のはまぐれでした」
「いやいや、まぐれでできるものではない。入江八広!!! おまえは何か大きなものを背負っているな。それは多くの人々の希望につながる」
「確かに今はとても苦しいかもしれないな。でも、おまえがやるしかないんだ! 私の全くの推測なんだが、勇者になって、勇者の義務から逃げた者はいないはずだぞ」
「先輩。ありがとうございます。」
入江八広は、防具の面をはずして、柳生にむかって畳に額をこすりつける丁寧な御辞儀をした。
2人のその光景を、剣道場の窓から北川風香と坂田順が見ていた。
北川風香がポツリと言った。
「私にとっても戦いの始まりね。八広、あなたにそれほどの決心をさせた、守るべき人がいるのね。私の方が美人であれば良いのだけれど」
(アテルイとかいう最大の敵、武将の力はチートじゃないか。僕が勝てる見込みが全くない。かといって、僕は部外者じゃなく重い責任がある。)
彼は卑怯なことが大嫌いだったが、とりあえずその場はごまかして、自分の世界に帰ろうと思った。
「それでは、僕は自分の世界に一端戻って、いろいろなことを調べますね。邪馬台国が石の国との戦争に勝ち、僕がアテルイを退ける方法など―― 」
八広が中身に自信がもてないことを話した時、登与が彼をじっと見た。
そして、目が合った。
彼女の美しい瞳が彼に訴えかけていた。
(ほんとうに美しい。でも、そんな目で見ないでほしい。ほんとうにつらいな‥‥ )
気がつくと自分が本来生きている現世で、彼は海見神社の階段の333段目に立っていた。
たぶんもう、かなりの深夜だと思われた。
彼は、とぼとぼと階段を登り頂上の神社の社務所に隣接している自分の家に入った。
そして自分の部屋に戻ると、大変な疲労感を感じ、すぐに深く寝込んでしまった。
次の朝、彼は海見神社の階段を降りて、山のふもとの自転車置き場になんとなく近づいた。
高校に通うため、彼は自転車のペダルをこぎ始めた。
「入江、入江、起きてるのか。私の話はそんなに、ここち良いのか」
歴史の事業、居眠りばかりしている入江八広いりえやひろに先生が注意した。
教室中の視線が彼に向けられた。
勉強がよくできる優等生の彼にはめずらしいことだった。
休時間になって、彼の親友の坂田順が話しかけてきた。
霊感が強い反動で超神経質な八広は、相手の本質をしっかりつかんでしまう。
現代風でいうとHSPハイリーセンシティブヒューマンだった。
坂田の心は常におだやかで優しく、彼はいつも心地よく感じていた。
「八広君。めずらしいね、きのう夜遅くまでネットサーフィンでもしたの」
「いや。すぐ寝てんだけどさ。なかなか眠れなくて‥‥‥‥ 」
「えっ、えっ、えっ、えっ、悩み事かな、もしかして」
「うん。そんな感じ。少し思い詰めてしまったことがあるんだ」
「おまえがそんなに悩むなんて、とても信じられないな。この進学校の中で1位の優等生、それにファンタジー小説の勇者様のようなイケメン。たぶん今彼女がいないのは、話しかけにくいくらいカッコいいからさ」
「ところが、ところが―― 坂田君! そのカッケー勇者様の中身はスッカラカンなんだ。既に美少女の姫様も登場しているのだけど、とても勇者としての指命を全うできないよ」
「おまえにしてはあきらめが早いな。ほんの小さな頃から、おれはおまえの一番良いところをよく知っている。それは、どんな苦難に対面してもあきらめないことだ!!! 」
「ところが、そんな僕でもどうしようもないシチュエーションなんだ。」
入江八広が坂田順と話し込んでいた時、ある女子生徒が話しに割り込んできた。
「なんで諦めるの! あ――――っ、まさかもう諦めていない? 私が太鼓判を押すわ。必ずうまくいくから、がんばんなさい!!! どんなに泥臭くたって最後に勝てば良いのよ」
彼の幼なじみの北川風香だった。
この県下第1の進学校の成績1位の座をいつも彼と争う才媛だった。
‥‥ただ、いつも彼が勝っていたが‥‥
それに、東京に遊びに行った時、歩いていたら数社のスカウトが声をかけてきた超美少女だった。
幼なじみの風香に言われて、彼の顔はさらに険しくなった。
「ラスボスね! いったいどれだけ強いの? 確かに八広は戦うとか、格闘技系は弱いからね。でも、いつも、あの風が吹きすさぶ入り江の周回道路を自転車で通っているんでしょ、それに神社の山の階段を登っている」
「そうか。筋肉は鍛えているから、後は剣の扱いに慣れるだけか。でも、根性漫画のようにしごかれるのはいやだから、楽して剣の扱いがうまくなるように、誰か達人に教えてもらえばいいな」
「そうそう、スターウォーズのヨーダのようなマスターを探すのよ。あっ、とても良い適任者がいるわ。剣道の全国大会で優勝した柳生先輩なんてどう。あの人、剣道で最高位の十段よ」
「そうか、でも先輩は3年生で大学受験に向けて忙しい時期じゃないかな。僕に剣道を教えてくれる時間なんてあるのかな」
「大丈夫よ。私がチャチャと頼めば、そくオッケーしてくれるわ。」
体育館の中にある高校の剣道場だった。
彼は、身長が190センチ以上ある自分よりかなり大きい相手と相対していた。
「入江よ。前に私が剣道部への入部を勧誘した時に断ったな。それを今になって剣道を教えてほしいとか、いったいどういう風の吹き回しか。しかも、北川さんに仲介してもらうとは何事だ」
そしていきなり、全国一位の剣士である柳生が竹刀をものすごい気合いで振ってきた。
ところが‥‥
彼は本能的に、その一撃を冷静に見ることができた。
わすかな瞬間に軌道を正確に予測し、ほんの少しだけ自分の体をよけた。
そして、柳生の体の一番弱くなっている箇所を見抜き、そこに効率的な一撃を加えた。
柳生は見事に剣道場の畳の上に倒された。
倒れた柳生は、しばらくの間ピクリしなかった。
彼は非常に驚き心配した。
すると、
「はははは」
柳生の豪快な笑い声が剣道場に響いた。
「それだよ。それ―― 誰にもできることではない。戦いの場で完全に恐怖心に勝っている。それは神秘の力。剣道の奥義さ。むかしから剣道だけではなく、日本の国の心とされている」
「先輩。すいません。今のはまぐれでした」
「いやいや、まぐれでできるものではない。入江八広!!! おまえは何か大きなものを背負っているな。それは多くの人々の希望につながる」
「確かに今はとても苦しいかもしれないな。でも、おまえがやるしかないんだ! 私の全くの推測なんだが、勇者になって、勇者の義務から逃げた者はいないはずだぞ」
「先輩。ありがとうございます。」
入江八広は、防具の面をはずして、柳生にむかって畳に額をこすりつける丁寧な御辞儀をした。
2人のその光景を、剣道場の窓から北川風香と坂田順が見ていた。
北川風香がポツリと言った。
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