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5 石の国の侵略
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この異世界、邪馬台国がある八島の海見山の入り江から大海を越えた場所に大陸があった。
そして、その大陸は1人の王者によって統一され、大帝国が築かれていた。
大帝国を統べる皇帝は、自分の帝国の中心に巨大な都市、帝都を築いていた。
帝都の中心には巨大な銀河宮があり、皇帝はその中にいた。
今日も謁見の間で、皇帝の長男アテルイが、西の国との戦いの戦勝報告を行っていた。
「皇帝陛下。あなたの忠実なる臣下。息子。最も強き刃やいばであるアテルイが西の国の広い領土、多くの人民を陛下のものにした旨、報告に参りました」
「うん。アテルイ、我が息子よ。戦勝大儀である。ところで、その者どもはなんだ」
「はい。これらの者達は、私と剣を交わした後でも生き残ることができた強い戦士達です。西方では騎士と呼ばれていました。我が配下に加えることを陛下にお許しいただきたく連れて参りました」
そこにいた騎士達は皇帝陛下に深く一礼し、ひざまづいた。
「アテルイよ。これらの者どもを配下に加えることを認めよう。お前の軍がさらに強くなるだろう」
「感謝申し上げます」
「ただ。お前のそばにいてお前を助けることができるくらい強いのか? 」
皇帝はその右手を騎士達に向けてさっと振った。
すると、騎士達の前に100体程度の魔物、スケルトンが現われた。
しかし、勇敢な騎士達はスケルトンに剣で切りかかり全て消滅させてしまった。
「よいな。さてアテルイよ、帰国早々申し訳ないが。朕ちんから直々に新たな命令を伝える。これは、我々の神から信託があったものだ。八島にできる限り速やかに侵攻し、我が帝国の一部とするのだ」
「あの島の鬼道を使う一族だけが、我々の神の力を否定することができる。あの卑弥呼はその力を未来に生きるだろう者に分け与えたそうじゃないか。鬼道の力も朕ちんの力の一部とせよ」
「御意のままに」
皇帝の前にひざまづきそう言うと彼は立ち上がり、新たに配下に加えた騎士達を従えて、謁見の間を退出しようとした。アテルイは身長が2メートルを超す大男で、西方の背の高い騎士達も小さく見えた。
数日後、帝都に近い巨大軍港に大艦隊が集結していた。
それぞれの船は、決して沈まない喫水線の深い巨大な船だった。
艦隊の中でひときわ巨大な旗艦の甲板にアテルイは立っていた。
そして、人間離れした大きな声で叫んだ。
「出港!!! 出陣する。目的は八島の中心、海見山の山頂、邪馬台国の神殿だ。鬼道を使う今の女王登与を必ず捕らえるのだ。抵抗し阻止しようとする者どもは皆殺しせよ」
大艦隊は帝国の軍港から出て行った。
その頃、海見山の頂上にある神殿の奥で、登与が神からの信託を受けていた。
神からの神託は恐ろしいものだった。
後10日間ほどで、石の国の大艦隊が攻めて来るというものだった。
登与は考えた。
外には、邪馬台国の防衛を担う司令官達が、彼女から神の信託の内容を聞こうと待っていた。
考えれば考えるほど、登与の心は混乱と恐怖に落ちていった。
それで、神殿の外に出ることを決心するため、かなりの時間がかかった。
どうしても、良い未来を思い浮かべることはできなかった。
(数年前おば様に命じたのと同じように、アテルイが鬼道を使う私を皇帝の前に連行しようとしたら、おとなしく従おう。帝国に支配されても仕方がない。しかし、みんなが同意してくれるかしら。)
いろいろな思いが彼女を駆け巡った。
最も大きなものは、帝国に支配された後、邪馬台国の国々の人々が幸せでいられるかという心配だった。
しかし、最後には自分の気持ちをやっと整理して、外に向かった歩き始めた。
彼女の足取りはおぼつかなく、下を向きヨロヨロとしていた。
そして、やっとのことで神殿の正面にたどり着いた。
姿を現わし、みんなの視線を浴びると、彼女は倒れそうになった。
その時――――
異世界の壁を越えて、入江八広が現われ、倒れそうになる彼女を抱き支えた。
彼は少し眠そうな顔をしていた。
昨日夜遅くまで、海戦の歴史や戦術の本を読んでいたからだった。
「みなさん。恐れることは全くありません。勇者である私の指示に従っていただけば、必ず石の国に勝つことができます。最後には、私があのラスボスのアテルイと一騎討ちをして、かならす卑弥呼様の仇を討ちます」
「勇者様。何か戦いに勝つ秘策があるのでしょうか」
「はい。ありますよ。僕は未来から来ましたので、今から人間の世界で起きる全ての海戦のことをよく知っています。それでは、みなさんと一緒に打ち合わせをしましょう」
入江八広はみんなを自分の近くに集めると、自分が考えた戦術・戦法を話し始めた。
それが終了した後、彼は登与に言った。
「登与様。今の方法で戦います。よろしいですか」
「はい。異存はありません。ただ2つだけ‥‥ 」
「第1に、数年目のおば様のように私は石の国の艦隊がこの入り江に入ってきた時、鬼道を使い大嵐を起しますから、勇者様の戦術に加えてください。」
「わかりました。強烈な一撃になりますね! 」
「勇者様。あのアテルイには鬼道の力が全く及ばないのですよ」
「大丈夫。全く問題ありません。姫の最強の臣下である勇者は強いのですよ。」
彼のその言葉を聞いた後、登与の顔がぱっと明るくなった。
「それで勇者様。言いたいことの、2つめがあります」
「どんなことですか」
「この状態。もう止めていただけませんか。私としては全く問題ないのですが、勇者様の両手に大変な負担がかかってしまっています」
「えっ!!! 『お姫様だっこ』のことですか。登与さんは空気のように軽いから全く問題ありませんよ」
「勇者様、さっそく準備を始めます。水城みずきですか、石垣はどれくらいの高さに積めば良いのでしょうしょうか」
司令官の1人が質問に来たので、彼は慌てて登与を下ろした。
「そうですね。敵に矢を放ち、逆に軍船から射られる矢を避けることができればいいです。それと、剣だけではなく長い槍を多く用意してください」
「それから、海見山の登る階段に通じる道を囲むように、建物を作ってください。その構造は今からお教えします。」
そして、その大陸は1人の王者によって統一され、大帝国が築かれていた。
大帝国を統べる皇帝は、自分の帝国の中心に巨大な都市、帝都を築いていた。
帝都の中心には巨大な銀河宮があり、皇帝はその中にいた。
今日も謁見の間で、皇帝の長男アテルイが、西の国との戦いの戦勝報告を行っていた。
「皇帝陛下。あなたの忠実なる臣下。息子。最も強き刃やいばであるアテルイが西の国の広い領土、多くの人民を陛下のものにした旨、報告に参りました」
「うん。アテルイ、我が息子よ。戦勝大儀である。ところで、その者どもはなんだ」
「はい。これらの者達は、私と剣を交わした後でも生き残ることができた強い戦士達です。西方では騎士と呼ばれていました。我が配下に加えることを陛下にお許しいただきたく連れて参りました」
そこにいた騎士達は皇帝陛下に深く一礼し、ひざまづいた。
「アテルイよ。これらの者どもを配下に加えることを認めよう。お前の軍がさらに強くなるだろう」
「感謝申し上げます」
「ただ。お前のそばにいてお前を助けることができるくらい強いのか? 」
皇帝はその右手を騎士達に向けてさっと振った。
すると、騎士達の前に100体程度の魔物、スケルトンが現われた。
しかし、勇敢な騎士達はスケルトンに剣で切りかかり全て消滅させてしまった。
「よいな。さてアテルイよ、帰国早々申し訳ないが。朕ちんから直々に新たな命令を伝える。これは、我々の神から信託があったものだ。八島にできる限り速やかに侵攻し、我が帝国の一部とするのだ」
「あの島の鬼道を使う一族だけが、我々の神の力を否定することができる。あの卑弥呼はその力を未来に生きるだろう者に分け与えたそうじゃないか。鬼道の力も朕ちんの力の一部とせよ」
「御意のままに」
皇帝の前にひざまづきそう言うと彼は立ち上がり、新たに配下に加えた騎士達を従えて、謁見の間を退出しようとした。アテルイは身長が2メートルを超す大男で、西方の背の高い騎士達も小さく見えた。
数日後、帝都に近い巨大軍港に大艦隊が集結していた。
それぞれの船は、決して沈まない喫水線の深い巨大な船だった。
艦隊の中でひときわ巨大な旗艦の甲板にアテルイは立っていた。
そして、人間離れした大きな声で叫んだ。
「出港!!! 出陣する。目的は八島の中心、海見山の山頂、邪馬台国の神殿だ。鬼道を使う今の女王登与を必ず捕らえるのだ。抵抗し阻止しようとする者どもは皆殺しせよ」
大艦隊は帝国の軍港から出て行った。
その頃、海見山の頂上にある神殿の奥で、登与が神からの信託を受けていた。
神からの神託は恐ろしいものだった。
後10日間ほどで、石の国の大艦隊が攻めて来るというものだった。
登与は考えた。
外には、邪馬台国の防衛を担う司令官達が、彼女から神の信託の内容を聞こうと待っていた。
考えれば考えるほど、登与の心は混乱と恐怖に落ちていった。
それで、神殿の外に出ることを決心するため、かなりの時間がかかった。
どうしても、良い未来を思い浮かべることはできなかった。
(数年前おば様に命じたのと同じように、アテルイが鬼道を使う私を皇帝の前に連行しようとしたら、おとなしく従おう。帝国に支配されても仕方がない。しかし、みんなが同意してくれるかしら。)
いろいろな思いが彼女を駆け巡った。
最も大きなものは、帝国に支配された後、邪馬台国の国々の人々が幸せでいられるかという心配だった。
しかし、最後には自分の気持ちをやっと整理して、外に向かった歩き始めた。
彼女の足取りはおぼつかなく、下を向きヨロヨロとしていた。
そして、やっとのことで神殿の正面にたどり着いた。
姿を現わし、みんなの視線を浴びると、彼女は倒れそうになった。
その時――――
異世界の壁を越えて、入江八広が現われ、倒れそうになる彼女を抱き支えた。
彼は少し眠そうな顔をしていた。
昨日夜遅くまで、海戦の歴史や戦術の本を読んでいたからだった。
「みなさん。恐れることは全くありません。勇者である私の指示に従っていただけば、必ず石の国に勝つことができます。最後には、私があのラスボスのアテルイと一騎討ちをして、かならす卑弥呼様の仇を討ちます」
「勇者様。何か戦いに勝つ秘策があるのでしょうか」
「はい。ありますよ。僕は未来から来ましたので、今から人間の世界で起きる全ての海戦のことをよく知っています。それでは、みなさんと一緒に打ち合わせをしましょう」
入江八広はみんなを自分の近くに集めると、自分が考えた戦術・戦法を話し始めた。
それが終了した後、彼は登与に言った。
「登与様。今の方法で戦います。よろしいですか」
「はい。異存はありません。ただ2つだけ‥‥ 」
「第1に、数年目のおば様のように私は石の国の艦隊がこの入り江に入ってきた時、鬼道を使い大嵐を起しますから、勇者様の戦術に加えてください。」
「わかりました。強烈な一撃になりますね! 」
「勇者様。あのアテルイには鬼道の力が全く及ばないのですよ」
「大丈夫。全く問題ありません。姫の最強の臣下である勇者は強いのですよ。」
彼のその言葉を聞いた後、登与の顔がぱっと明るくなった。
「それで勇者様。言いたいことの、2つめがあります」
「どんなことですか」
「この状態。もう止めていただけませんか。私としては全く問題ないのですが、勇者様の両手に大変な負担がかかってしまっています」
「えっ!!! 『お姫様だっこ』のことですか。登与さんは空気のように軽いから全く問題ありませんよ」
「勇者様、さっそく準備を始めます。水城みずきですか、石垣はどれくらいの高さに積めば良いのでしょうしょうか」
司令官の1人が質問に来たので、彼は慌てて登与を下ろした。
「そうですね。敵に矢を放ち、逆に軍船から射られる矢を避けることができればいいです。それと、剣だけではなく長い槍を多く用意してください」
「それから、海見山の登る階段に通じる道を囲むように、建物を作ってください。その構造は今からお教えします。」
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