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10 姫が現代に来る3
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登与と八広は立ち止まり、しばらく花火を見ていた。
「登与さん。立ち続けるのも大変ですから、このへんで何か食べませんか。すぐそばに、おいしい食事ができる場所があるので―― 僕がごちそうします」
「ありがとうございます。少しお腹がすきました。おいしいものがさらにおいしいでしょうね」
八広は登与を案内して、近くにあるデパートのビルに入った。
エレベータに乗り屋上に行くと、そこはビアガーデンになっていた。
「わあ、こんなにたくさんの人がいる場所で食事をするのですね。少しお酒の臭いがしますが」
「すいません。僕の父親が、花火を見ながら食事をするには良い場所だと言っていたので」
「かまいません。邪馬台国でも、お酒は大切な飲み物です。ただ、今この場所で皆様が飲まれているお酒と、私達の国のお酒では根本のところが違うようですが」
「どういうところが違うのでしょうか」
「まず、今皆様が飲まれているお酒から、米の臭いがしません。それに、たくさんの泡が出ていますね」
「すぐに気がつくのですね。ここで飲まれているお酒の名前はビールといいます。たぶん、古来から日本で作られてきたものではなく、海を渡った外国から取り入れられたものです」
ちょうど開いた席があったので、そこに2人で座った。
「登与さん。何か食べるものと、飲むものを持ってきます。もちろん、お酒ではありませんが」
八広が食事とコーラを持ってきて、2人で座って花火を見た。
「この飲み物からも泡が出ているのですね。この原料は、はるかはるか遠い場所で育ったものですね」
「八広様。今日、あなたの世界を案内していただいてありがとうございました。もちろん、あなただけの世界ではなく私の世界です。きっと、今、この場所に座っていらっしゃる方々は全て私の子孫ですね」
「まあ。理論的には合ってます。邪馬台国の時代から日本の人口が何倍になったかという話しですが。」
「私の子孫か‥‥‥‥‥‥ ということは、私も誰かと夫婦になってたくさんの子供ができるということでしょうか‥‥‥‥‥‥ はずかしいですね。いったい私は何人の子供を産むのでしょうか??? 」
「登与さん。邪馬台国は女系社会なのですか? 」
「女系社会とは何ですか? 」
「女性を主として家族ができることです。鬼道の力は女性である巫女様に宿るのですよね」
「はい。そうなのです。鬼道の力は、同じ血族内で代々女性に引き継がれていきます。私も最初、叔母様の卑弥呼に指摘された時は大変驚きました。それと、どこかに逃げようと思いました」
「逃げてしまおうと思ったのですか。それほど重いことなのですね」
「八広様。鬼道を使う邪馬台国の女王の座から逃げることができる方法が、たった一つあるのですよ」
「それは、どういう方法ですか」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 」
「ああ! 何か特別なことなのですね。遠い昔から語り継がれている神話やオキテとか」
「いえ。特別なことではありません! 」
「??? 」
「誰か強い男性を心の底から愛して、その男性のものになることです。ただ、その男性には女王を独り占めする代わりに、女王が果たしていた責務が課されることになります」
「その責務とはなんですか!!! 」
八広が勢いづいて質問したので、登与はだいぶ驚いた。
「八広様。大丈夫ですよ、まだは八広様がその役目に着かなければならないとは決まっていません」
「えっ まだ決まっていないのですか、少なくてもその候補の1人では‥‥‥‥ 」
「女王の責務とは、第1に国の民のことを考え、どんなに強い強敵が現われ、どんなに勝利が遠くても、勝利を目指して戦い、絶対に勝つことです」
「あの―――― 大矛盾しているような気がします」
「そうですね、変な理屈ですね。ふふふふふふ 私が叔母の卑弥呼から言われた言葉です」
「私も思います。とてもおもしろい屁理屈ですね!!! ふふふふふふ‥‥ 」
「登与さん。何か目つきが変ですよ」
「ふふふふふふふふ‥‥ 」
「まさか!!! コーラ酔いしたのですね!!! どうしよう」
「あっ!!! 気持ち悪い!!! 」
「えっ、えっ、登与さん大丈夫ですか!!! 」
その後、登与はテーブルの上にいきなり○○を吐いてしまった。
「八広。なんてことしてるの!!! 女の子にお酒を飲ますなんて!!! 」
|北川風香(きたがわふうか)が突然、その場に現われ、八広をひどく責めた。
「お酒なんか飲ませてないよ。単に、ただのコーラだよ」
「いいわ。言い訳は後で聞く。さあ、ちゃっ、ちゃと片付けて帰るわよ」
風香は店からバケツとぞうきんを借りてきて、テーブルの上の○○をきれいに拭き取った。
「さあ。八広。この娘をおんぶしなさい。この場の料金は私がもう払ってあげたから、いくわよ」
「はいはい。それでは、登与さん大丈夫ですか」
「八広!!!!! 」
登与がいきなり八広を呼び捨てした。
「お前は私を自分のものにしたいと思っているのか。ほんとうの気持ちを述べなさい」
「あの。ほんとうに酔っているのですね。でもコーラで酔うなんて」
風香が言った。
「コーラは元々、南米ではお酒だったみたいよ。しかも、シャーマンが神と対話する時に幻想状態になるために使われたそうよ。この娘って、職業は巫女さんなの? 」
「そうそう。巫女さん、しかも日本の歴史史上有名な人の姪なんだ」
「八広。私が女王として治めている国の名前を間違えるな。正しくは邪馬台国だろ」
「え――っ、邪馬台国といえば、日本史で教わる2千年前の話しね、この娘はいつの時代の人? 」
「わからないんだ。2千年前の人じゃないかと思うのだけど、そうすると、日本史上、最大の謎を僕が解決してしまうことにつながるんだ」
「そういうこと? 」
風香が真剣に聞いてきたので、八広はしかたなく、これまでの経緯を話し始めた。
「そうなんだ。邪馬台国の場所が、海見神社? 」
「信じられる? 」
「もちろん信じるわ。こんな美少女、滅多にいないから、異世界から来たと言っても違和感ないわ」
「ところで聞きたいのだけど、八広は勇者の役ってこと」
「たぶん。そうだよ」
「強いの? 敵キャラともう戦った? 」
「うん。大帝国が登与さんの国に攻めてきたけど、なんとか退けることができたよ」
「そうなの。もう、カッコ良い主人公なのね‥‥‥‥ 」
「こういう場合、結末はどうなるのだろう? 」
「わかるわけないわ。でも一つだけ言える真実がある。この娘を守ることができるのは、あなた、入江八広だけです」
「登与さん。立ち続けるのも大変ですから、このへんで何か食べませんか。すぐそばに、おいしい食事ができる場所があるので―― 僕がごちそうします」
「ありがとうございます。少しお腹がすきました。おいしいものがさらにおいしいでしょうね」
八広は登与を案内して、近くにあるデパートのビルに入った。
エレベータに乗り屋上に行くと、そこはビアガーデンになっていた。
「わあ、こんなにたくさんの人がいる場所で食事をするのですね。少しお酒の臭いがしますが」
「すいません。僕の父親が、花火を見ながら食事をするには良い場所だと言っていたので」
「かまいません。邪馬台国でも、お酒は大切な飲み物です。ただ、今この場所で皆様が飲まれているお酒と、私達の国のお酒では根本のところが違うようですが」
「どういうところが違うのでしょうか」
「まず、今皆様が飲まれているお酒から、米の臭いがしません。それに、たくさんの泡が出ていますね」
「すぐに気がつくのですね。ここで飲まれているお酒の名前はビールといいます。たぶん、古来から日本で作られてきたものではなく、海を渡った外国から取り入れられたものです」
ちょうど開いた席があったので、そこに2人で座った。
「登与さん。何か食べるものと、飲むものを持ってきます。もちろん、お酒ではありませんが」
八広が食事とコーラを持ってきて、2人で座って花火を見た。
「この飲み物からも泡が出ているのですね。この原料は、はるかはるか遠い場所で育ったものですね」
「八広様。今日、あなたの世界を案内していただいてありがとうございました。もちろん、あなただけの世界ではなく私の世界です。きっと、今、この場所に座っていらっしゃる方々は全て私の子孫ですね」
「まあ。理論的には合ってます。邪馬台国の時代から日本の人口が何倍になったかという話しですが。」
「私の子孫か‥‥‥‥‥‥ ということは、私も誰かと夫婦になってたくさんの子供ができるということでしょうか‥‥‥‥‥‥ はずかしいですね。いったい私は何人の子供を産むのでしょうか??? 」
「登与さん。邪馬台国は女系社会なのですか? 」
「女系社会とは何ですか? 」
「女性を主として家族ができることです。鬼道の力は女性である巫女様に宿るのですよね」
「はい。そうなのです。鬼道の力は、同じ血族内で代々女性に引き継がれていきます。私も最初、叔母様の卑弥呼に指摘された時は大変驚きました。それと、どこかに逃げようと思いました」
「逃げてしまおうと思ったのですか。それほど重いことなのですね」
「八広様。鬼道を使う邪馬台国の女王の座から逃げることができる方法が、たった一つあるのですよ」
「それは、どういう方法ですか」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 」
「ああ! 何か特別なことなのですね。遠い昔から語り継がれている神話やオキテとか」
「いえ。特別なことではありません! 」
「??? 」
「誰か強い男性を心の底から愛して、その男性のものになることです。ただ、その男性には女王を独り占めする代わりに、女王が果たしていた責務が課されることになります」
「その責務とはなんですか!!! 」
八広が勢いづいて質問したので、登与はだいぶ驚いた。
「八広様。大丈夫ですよ、まだは八広様がその役目に着かなければならないとは決まっていません」
「えっ まだ決まっていないのですか、少なくてもその候補の1人では‥‥‥‥ 」
「女王の責務とは、第1に国の民のことを考え、どんなに強い強敵が現われ、どんなに勝利が遠くても、勝利を目指して戦い、絶対に勝つことです」
「あの―――― 大矛盾しているような気がします」
「そうですね、変な理屈ですね。ふふふふふふ 私が叔母の卑弥呼から言われた言葉です」
「私も思います。とてもおもしろい屁理屈ですね!!! ふふふふふふ‥‥ 」
「登与さん。何か目つきが変ですよ」
「ふふふふふふふふ‥‥ 」
「まさか!!! コーラ酔いしたのですね!!! どうしよう」
「あっ!!! 気持ち悪い!!! 」
「えっ、えっ、登与さん大丈夫ですか!!! 」
その後、登与はテーブルの上にいきなり○○を吐いてしまった。
「八広。なんてことしてるの!!! 女の子にお酒を飲ますなんて!!! 」
|北川風香(きたがわふうか)が突然、その場に現われ、八広をひどく責めた。
「お酒なんか飲ませてないよ。単に、ただのコーラだよ」
「いいわ。言い訳は後で聞く。さあ、ちゃっ、ちゃと片付けて帰るわよ」
風香は店からバケツとぞうきんを借りてきて、テーブルの上の○○をきれいに拭き取った。
「さあ。八広。この娘をおんぶしなさい。この場の料金は私がもう払ってあげたから、いくわよ」
「はいはい。それでは、登与さん大丈夫ですか」
「八広!!!!! 」
登与がいきなり八広を呼び捨てした。
「お前は私を自分のものにしたいと思っているのか。ほんとうの気持ちを述べなさい」
「あの。ほんとうに酔っているのですね。でもコーラで酔うなんて」
風香が言った。
「コーラは元々、南米ではお酒だったみたいよ。しかも、シャーマンが神と対話する時に幻想状態になるために使われたそうよ。この娘って、職業は巫女さんなの? 」
「そうそう。巫女さん、しかも日本の歴史史上有名な人の姪なんだ」
「八広。私が女王として治めている国の名前を間違えるな。正しくは邪馬台国だろ」
「え――っ、邪馬台国といえば、日本史で教わる2千年前の話しね、この娘はいつの時代の人? 」
「わからないんだ。2千年前の人じゃないかと思うのだけど、そうすると、日本史上、最大の謎を僕が解決してしまうことにつながるんだ」
「そういうこと? 」
風香が真剣に聞いてきたので、八広はしかたなく、これまでの経緯を話し始めた。
「そうなんだ。邪馬台国の場所が、海見神社? 」
「信じられる? 」
「もちろん信じるわ。こんな美少女、滅多にいないから、異世界から来たと言っても違和感ないわ」
「ところで聞きたいのだけど、八広は勇者の役ってこと」
「たぶん。そうだよ」
「強いの? 敵キャラともう戦った? 」
「うん。大帝国が登与さんの国に攻めてきたけど、なんとか退けることができたよ」
「そうなの。もう、カッコ良い主人公なのね‥‥‥‥ 」
「こういう場合、結末はどうなるのだろう? 」
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