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14 仮想戦場2
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ランスロは、草原の丘の上に突き刺されていた大剣に手をかけた。
すると、予想に反して大剣を楽に抜くことができたが、重さがかなりあった。
そのため、その大剣を振ることは困難で、なんとか引きずることができるだけだった。
その時、自分の後ろに気配がした。
彼が振り向くと、そこには数個の椅子と机、そして机の上には地図が置かれており、指揮をとる作戦指令部のようだった。
自分よりはるかに大人と思えるような上級騎士達が数人座り、彼の方を見つめ指揮を待っていた。
「将軍、御指示をお願いします。」
副官らしい者が彼に求めた。
「敵の情勢を確認したいのです。双眼鏡はありますか。」
「どうぞ。ここに。」
ランスロは渡された双眼鏡で、丘の上から向こう側の敵陣を見た。
すると、敵は魔族だった。
(えっ、まだ新入生なのに、もう魔族との戦いを試験するのかな。ただ、魔族軍の構成は子供の頃からよく知っているゴブリンとオーガが半々だ。)
「将軍、どうですか。敵の正体がわかりましたか。」
仮想戦場の中で、彼は部下に聞かれて答えた。
「相手は魔族の軍隊です。数は我が方とほぼ同数。ゴブリン(子鬼)とオーガ(大鬼)が半々で、それぞれ単独で陣を敷いています。右翼がゴブリン、左翼がオーガです。」
「どのように戦いますか。」
「ゴブリンに対しては歩兵が、交戦する前に全速力で後退します。最後はゴブリンを囲い込んで弓矢や投石で徹底に数を減らしたのですが、囲い込みに適した場所はありますか。」
年長者で思慮深い顔の参謀さんぼうが言った。
「この周辺は広い草原が続いていますが、1箇所、泉が何個も湧きでている場所があります。そこにゴブリンを迷い込ませれば、その場所で囲い込むことができます。」
「オーガに対しては、騎兵が前進してできるだけ早く足を狙います。具体的には縄などを投げて足に絡ませるのです。倒れたら、弓矢や投石で攻撃します。」
「わかりました。将軍、攻撃時刻は何時ですか。」
「少し待ってください。」
そう言うとランスロは再び、丘の上から双眼鏡で敵陣を見つめた後、言った。
「攻撃時刻は今です。今、魔族達の統制は全くとれていません。ゴブリンやオーガの仲間うちでけんかをしているものもいます。それから各部隊の司令官にお願いがあります。」
作戦司令部に座っていた全ての人々が立ち上がった。
「ゴブリンに対して後退する歩兵には、勇気が必要です。恐れずに整然と後退しなければ、ゴブリンをうまい場所に囲い込めません。それから、オーガに対して前進する歩兵には、慎重さが必要です。慎重に間合いをはかって前進しなければ、オークの巨体に動きを止められてしまうでしょう。」
「はいわかりました。」
「了解しました。」
「全力を尽くします。」
それぞれの司令官は、自分の部隊を指揮するために出て行った。
ランスロのそばにいるのは、副官と伝令役の兵だけになった。
やがて、戦いが始まった。
ゴブリンに相対した歩兵は、すばやく整然と後退することでゴブリンをうまく誘った。
すると、ゴブリンは誘いに乗り猛然と歩兵を追ってきた。
最後は、泉が何個も湧きでている場所でゴブリン達を囲み、弓矢や投石で討ち取ってしまった。
オーガに相対した騎兵は、慎重に間合いをはかって前進しオーガの足を狙った。
そして、いくつもの縄をオーガの足に絡ませ、その場に倒していった。
最後は、倒れたオーガを弓矢や投石で討ち取ってしまった。
「ゴブリンを全滅させました。」
「オーガを全滅させました。」
当初の戦術どおり相手方を全滅させ、大勝利を収めたことがランスロに報告された。
(よかった。初めてだったけど、冷静に戦術を立てて成功した。前進と後退の選択にも間違いがなかった。これで試験は終わりになるのかな。)
ランスロは前に出て来た魔法結界に方を見て、その中に戻ることにした。
しかし、その時、仮想戦場の中に大きな叫び声があった。
「オーガだ! 1匹だけ残っていたのか! ものすごく大きいぞ! 」
彼がそちらの方を振り返ると、巨大なオーガが作戦司令部に近づいていた。
副官や伝令役の兵士達がランスロを守ろうと、楯になっていた。
「将軍、私達がなんとか防ぎます。逃げて、本体に合流して助けに来てください。」
「それでは、間に合いません。」
彼はそう言った瞬間、責任感をコアにして決意を固めていた。
ここが仮想戦場だということを全く忘れていた。
そして、冷静に分析した。
(勝てるだろうか。この大剣で、オーガの足の一つでも切ることができれば勝てるだろう。だけど、この大剣はとても重く引きずることができるだけ。――でも、長い時間は無理だとしても、ほんの一瞬だったら、両腕に力を集中させ一振りならできる!!! )
「みなさん、下がってください。僕が出ます。絶対、大丈夫ですから。」
そして、とても魅力的に笑った。
それを見た副官や伝令役の兵士達は、一礼しながら後ろに下がった。
ランスロはオーガに向かって大剣を引きずりながら前進した。
勇気に加えて、一瞬を生かすことができなければ全て終わりだという臆病さをもっていた。
そして一瞬……
大剣が振られた。
すると、予想に反して大剣を楽に抜くことができたが、重さがかなりあった。
そのため、その大剣を振ることは困難で、なんとか引きずることができるだけだった。
その時、自分の後ろに気配がした。
彼が振り向くと、そこには数個の椅子と机、そして机の上には地図が置かれており、指揮をとる作戦指令部のようだった。
自分よりはるかに大人と思えるような上級騎士達が数人座り、彼の方を見つめ指揮を待っていた。
「将軍、御指示をお願いします。」
副官らしい者が彼に求めた。
「敵の情勢を確認したいのです。双眼鏡はありますか。」
「どうぞ。ここに。」
ランスロは渡された双眼鏡で、丘の上から向こう側の敵陣を見た。
すると、敵は魔族だった。
(えっ、まだ新入生なのに、もう魔族との戦いを試験するのかな。ただ、魔族軍の構成は子供の頃からよく知っているゴブリンとオーガが半々だ。)
「将軍、どうですか。敵の正体がわかりましたか。」
仮想戦場の中で、彼は部下に聞かれて答えた。
「相手は魔族の軍隊です。数は我が方とほぼ同数。ゴブリン(子鬼)とオーガ(大鬼)が半々で、それぞれ単独で陣を敷いています。右翼がゴブリン、左翼がオーガです。」
「どのように戦いますか。」
「ゴブリンに対しては歩兵が、交戦する前に全速力で後退します。最後はゴブリンを囲い込んで弓矢や投石で徹底に数を減らしたのですが、囲い込みに適した場所はありますか。」
年長者で思慮深い顔の参謀さんぼうが言った。
「この周辺は広い草原が続いていますが、1箇所、泉が何個も湧きでている場所があります。そこにゴブリンを迷い込ませれば、その場所で囲い込むことができます。」
「オーガに対しては、騎兵が前進してできるだけ早く足を狙います。具体的には縄などを投げて足に絡ませるのです。倒れたら、弓矢や投石で攻撃します。」
「わかりました。将軍、攻撃時刻は何時ですか。」
「少し待ってください。」
そう言うとランスロは再び、丘の上から双眼鏡で敵陣を見つめた後、言った。
「攻撃時刻は今です。今、魔族達の統制は全くとれていません。ゴブリンやオーガの仲間うちでけんかをしているものもいます。それから各部隊の司令官にお願いがあります。」
作戦司令部に座っていた全ての人々が立ち上がった。
「ゴブリンに対して後退する歩兵には、勇気が必要です。恐れずに整然と後退しなければ、ゴブリンをうまい場所に囲い込めません。それから、オーガに対して前進する歩兵には、慎重さが必要です。慎重に間合いをはかって前進しなければ、オークの巨体に動きを止められてしまうでしょう。」
「はいわかりました。」
「了解しました。」
「全力を尽くします。」
それぞれの司令官は、自分の部隊を指揮するために出て行った。
ランスロのそばにいるのは、副官と伝令役の兵だけになった。
やがて、戦いが始まった。
ゴブリンに相対した歩兵は、すばやく整然と後退することでゴブリンをうまく誘った。
すると、ゴブリンは誘いに乗り猛然と歩兵を追ってきた。
最後は、泉が何個も湧きでている場所でゴブリン達を囲み、弓矢や投石で討ち取ってしまった。
オーガに相対した騎兵は、慎重に間合いをはかって前進しオーガの足を狙った。
そして、いくつもの縄をオーガの足に絡ませ、その場に倒していった。
最後は、倒れたオーガを弓矢や投石で討ち取ってしまった。
「ゴブリンを全滅させました。」
「オーガを全滅させました。」
当初の戦術どおり相手方を全滅させ、大勝利を収めたことがランスロに報告された。
(よかった。初めてだったけど、冷静に戦術を立てて成功した。前進と後退の選択にも間違いがなかった。これで試験は終わりになるのかな。)
ランスロは前に出て来た魔法結界に方を見て、その中に戻ることにした。
しかし、その時、仮想戦場の中に大きな叫び声があった。
「オーガだ! 1匹だけ残っていたのか! ものすごく大きいぞ! 」
彼がそちらの方を振り返ると、巨大なオーガが作戦司令部に近づいていた。
副官や伝令役の兵士達がランスロを守ろうと、楯になっていた。
「将軍、私達がなんとか防ぎます。逃げて、本体に合流して助けに来てください。」
「それでは、間に合いません。」
彼はそう言った瞬間、責任感をコアにして決意を固めていた。
ここが仮想戦場だということを全く忘れていた。
そして、冷静に分析した。
(勝てるだろうか。この大剣で、オーガの足の一つでも切ることができれば勝てるだろう。だけど、この大剣はとても重く引きずることができるだけ。――でも、長い時間は無理だとしても、ほんの一瞬だったら、両腕に力を集中させ一振りならできる!!! )
「みなさん、下がってください。僕が出ます。絶対、大丈夫ですから。」
そして、とても魅力的に笑った。
それを見た副官や伝令役の兵士達は、一礼しながら後ろに下がった。
ランスロはオーガに向かって大剣を引きずりながら前進した。
勇気に加えて、一瞬を生かすことができなければ全て終わりだという臆病さをもっていた。
そして一瞬……
大剣が振られた。
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