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16 美しい同級生
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驚いた後、ザラはランスロの顔をじっと見つめ始めた。
「ザラさん、そんなに見つめないでください。」
「私は今、非常に心配になった。」
「どういうことですか。」
「私の家の使用人の大人の男の中にもいるみたいだが、特殊性癖……」
「そういうことではなく。寄宿舎は全て2人部屋なのです。」
「ほんとうか。」
「フィリップとは、一生の親友になりたいのです。」
「確か貴族の中で最高序列、グロスター公爵家の跡取りだったな。」
「身分や負けたことを全然気にせず、僕を尊敬すると言ってくれました。」
「ふーん。それならば大切にしなければ。」
「ところでザラさん。いつまで僕を見つめているのですか。」
「いやなのか――」
「いやじゃありませんが、気がついたんです。」
「なにを? 」
「完璧な美しさに吸い込まれそうになります。」
「今さら気がついたのか。でもあんまり苦しめるのもかわいそうだから止めよう。」
仮想戦場で行われた戦術試験で、思念魔法とは全く異なる魔族との戦いの場が現れたことについて、1か月ほど調査が行われたが結論はでなかった。
ロダン校長は、最強の騎士ホークを校長室に呼んでいた。
その場にはカンシン教授も同席していた。
彼らは、かって魔族の侵攻が頻繁だった時代に、ともに戦った戦友だった。
「ホーク、君はどう思う。こんなことが起こるのか。」
「常識で考えれば、起こるはずのないことだ。軍の優秀な魔法師が作った思念魔法の術式を書き換えて、人間と戦う戦場を魔族と戦う戦場にしてしまうことは不可能だ。」
「そうだろう。だけど実際に起こったんだ。カンシンは近くで見ていてどう思った。」
「思念魔法を書き換えが可能だとしても、たぶん完璧にはできないはずだ。しかし、仮想空間は完全に魔族と戦う戦場にされていた。そして私には、意識的にあの新入生が試されているように見えた。」
「試されているって……君も試験をしていたのだろう。」
「そうだけど、他の誰かが、あの新入生の本質的な部分を試しているようだった。特に、あの巨大なオーガを出現させた場面に意思を感じた。彼の責任感、勇気を調べたみたいだった。」
「そーか。ランスロ君を試したいと思ったのか……」
ホークがつぶやいた。
「ホーク、思い当たるふしがあるのかい? 」
ロダン校長がホークにたずねた。
「実は、グネビア王女様からお話があったんだ。なぜだかわからないが、王女様はランスロ君のことをよく知っていらっしゃる。彼は勇者になり得る神のギフトを受けているそうだ。」
「士官学校に入学してきた新入生の中で、最初からあれほどの才能を見せた者はいなかった。だから、神のギフトを受けたという話も真実だと思うよ。」
「そうすると、不可能な思念魔法の書き換えをやすやすと完璧に行い、しかも巨大なオーガをその場に出限させた。さらに、神のギフトを受けた、勇者に成り得るランスロ君のことを試したいと思った敵がいたということか。これから、学校の警備をさらに強化しよう。」
士官学校で学ぶものは、戦略、戦術、剣術、魔法、戦史の他広い範囲に及んでいるが、新入生に対しては基本的なことが理解できるよう反復することが徹底されていた。
その中で、新しいことに人一倍興味をもち、吸収することが好きなランスロは、授業が終わった後も図書館に残り、できる限り完全に理解しようと勉強していた。
ある日、戦史の本を読みふけっていると、後ろから声をかけれた。
「すいません。学生さん、もう閉館の時間です。」
「申し訳ありません。すぐに出ていきます。」
「ホー川の戦いのことを読んでいらっしゃるのですか。」
「はい。司書さん、この本は貸し出しができるのでしょうか。」
「できますよ。熱心ですね。」
司書と思っていた人と会話をして、彼は気がついた。
「あっ、その声はもしかしたら! 」
後ろを振り返ると、予想どおりだった。
グネビア王女が笑いながらそこに立っていた。
「王女様、御無礼しました。」
ランスロはあわてて立ち上がり一礼した。
「あまり気にしないでください。私達は友達ですから。」
「友達と言われましても……」
「もう入学して半年が過ぎましたが、勉強がんばっているみたいですね。王宮にもうわさが聞こえてきますよ。平民出身の士官学校の新入生の中に、将来必ず最強の騎士か不敗の将軍になって、ゴード王国をささえてくれそうな学生がいると。」
「自分では、まだまだとても、そのようにはなれないと思います。もっともっと勉強しなければいけません。」
「あなたのことだから、そう言うと思った。予想どおりの返事ですね。ほんとうに元気そうでよかったです。ところで、王族や貴族出身の学生とはうまくやっていけますか? 」
「友達になれたのは、グロスター公爵家のフィリップさんだけですが。他のみなさんもだんだん僕に話しかけてくれるようになりました。」
「それならばよかった。仮想空間での戦術試験での魔族との戦いで、あなたは責任感と真の勇気を示しましたから、誰もがあなたを好きになったでしょう。」
「無我夢中で考えて動いただけでした。」
「平民出身者の学生の中で、大金持ちのロスチャイルド家の剣術大会で準優勝した女の子がいましたね。」
「ザラさんのことですか。」
「そうです。ザラさんとランスロは友達になったのですか。」
「はい。勉強に熱心のところは僕と似ています。」
「それからどんな女の子ですか。」
「ぶっきらぼうですが、優しい女の子です。」
「それからそれから、他にありますか? 」
「……女の子として完璧に美しいです。」
「ま――――――っ! 」
「でも、王女様の次にです。」
「そうですか。今日は近くを通りかかったので、ランスロに会いに来たのです。たくさんうれしいことを聞けました。じゃあ、帰りますね。」
ランスロが王女を見送りに校門の近くまで一緒に行くと、豪華で巨大な馬車が待っていた。
従者も100人くらい控えていた。
「ザラさん、そんなに見つめないでください。」
「私は今、非常に心配になった。」
「どういうことですか。」
「私の家の使用人の大人の男の中にもいるみたいだが、特殊性癖……」
「そういうことではなく。寄宿舎は全て2人部屋なのです。」
「ほんとうか。」
「フィリップとは、一生の親友になりたいのです。」
「確か貴族の中で最高序列、グロスター公爵家の跡取りだったな。」
「身分や負けたことを全然気にせず、僕を尊敬すると言ってくれました。」
「ふーん。それならば大切にしなければ。」
「ところでザラさん。いつまで僕を見つめているのですか。」
「いやなのか――」
「いやじゃありませんが、気がついたんです。」
「なにを? 」
「完璧な美しさに吸い込まれそうになります。」
「今さら気がついたのか。でもあんまり苦しめるのもかわいそうだから止めよう。」
仮想戦場で行われた戦術試験で、思念魔法とは全く異なる魔族との戦いの場が現れたことについて、1か月ほど調査が行われたが結論はでなかった。
ロダン校長は、最強の騎士ホークを校長室に呼んでいた。
その場にはカンシン教授も同席していた。
彼らは、かって魔族の侵攻が頻繁だった時代に、ともに戦った戦友だった。
「ホーク、君はどう思う。こんなことが起こるのか。」
「常識で考えれば、起こるはずのないことだ。軍の優秀な魔法師が作った思念魔法の術式を書き換えて、人間と戦う戦場を魔族と戦う戦場にしてしまうことは不可能だ。」
「そうだろう。だけど実際に起こったんだ。カンシンは近くで見ていてどう思った。」
「思念魔法を書き換えが可能だとしても、たぶん完璧にはできないはずだ。しかし、仮想空間は完全に魔族と戦う戦場にされていた。そして私には、意識的にあの新入生が試されているように見えた。」
「試されているって……君も試験をしていたのだろう。」
「そうだけど、他の誰かが、あの新入生の本質的な部分を試しているようだった。特に、あの巨大なオーガを出現させた場面に意思を感じた。彼の責任感、勇気を調べたみたいだった。」
「そーか。ランスロ君を試したいと思ったのか……」
ホークがつぶやいた。
「ホーク、思い当たるふしがあるのかい? 」
ロダン校長がホークにたずねた。
「実は、グネビア王女様からお話があったんだ。なぜだかわからないが、王女様はランスロ君のことをよく知っていらっしゃる。彼は勇者になり得る神のギフトを受けているそうだ。」
「士官学校に入学してきた新入生の中で、最初からあれほどの才能を見せた者はいなかった。だから、神のギフトを受けたという話も真実だと思うよ。」
「そうすると、不可能な思念魔法の書き換えをやすやすと完璧に行い、しかも巨大なオーガをその場に出限させた。さらに、神のギフトを受けた、勇者に成り得るランスロ君のことを試したいと思った敵がいたということか。これから、学校の警備をさらに強化しよう。」
士官学校で学ぶものは、戦略、戦術、剣術、魔法、戦史の他広い範囲に及んでいるが、新入生に対しては基本的なことが理解できるよう反復することが徹底されていた。
その中で、新しいことに人一倍興味をもち、吸収することが好きなランスロは、授業が終わった後も図書館に残り、できる限り完全に理解しようと勉強していた。
ある日、戦史の本を読みふけっていると、後ろから声をかけれた。
「すいません。学生さん、もう閉館の時間です。」
「申し訳ありません。すぐに出ていきます。」
「ホー川の戦いのことを読んでいらっしゃるのですか。」
「はい。司書さん、この本は貸し出しができるのでしょうか。」
「できますよ。熱心ですね。」
司書と思っていた人と会話をして、彼は気がついた。
「あっ、その声はもしかしたら! 」
後ろを振り返ると、予想どおりだった。
グネビア王女が笑いながらそこに立っていた。
「王女様、御無礼しました。」
ランスロはあわてて立ち上がり一礼した。
「あまり気にしないでください。私達は友達ですから。」
「友達と言われましても……」
「もう入学して半年が過ぎましたが、勉強がんばっているみたいですね。王宮にもうわさが聞こえてきますよ。平民出身の士官学校の新入生の中に、将来必ず最強の騎士か不敗の将軍になって、ゴード王国をささえてくれそうな学生がいると。」
「自分では、まだまだとても、そのようにはなれないと思います。もっともっと勉強しなければいけません。」
「あなたのことだから、そう言うと思った。予想どおりの返事ですね。ほんとうに元気そうでよかったです。ところで、王族や貴族出身の学生とはうまくやっていけますか? 」
「友達になれたのは、グロスター公爵家のフィリップさんだけですが。他のみなさんもだんだん僕に話しかけてくれるようになりました。」
「それならばよかった。仮想空間での戦術試験での魔族との戦いで、あなたは責任感と真の勇気を示しましたから、誰もがあなたを好きになったでしょう。」
「無我夢中で考えて動いただけでした。」
「平民出身者の学生の中で、大金持ちのロスチャイルド家の剣術大会で準優勝した女の子がいましたね。」
「ザラさんのことですか。」
「そうです。ザラさんとランスロは友達になったのですか。」
「はい。勉強に熱心のところは僕と似ています。」
「それからどんな女の子ですか。」
「ぶっきらぼうですが、優しい女の子です。」
「それからそれから、他にありますか? 」
「……女の子として完璧に美しいです。」
「ま――――――っ! 」
「でも、王女様の次にです。」
「そうですか。今日は近くを通りかかったので、ランスロに会いに来たのです。たくさんうれしいことを聞けました。じゃあ、帰りますね。」
ランスロが王女を見送りに校門の近くまで一緒に行くと、豪華で巨大な馬車が待っていた。
従者も100人くらい控えていた。
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