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26 勇者を助けるもの
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士官学校の校長ロダンが王宮に呼ばれて、ヘンリー国王に謁見していた。
そこにはグネビア王女も同席していた。
「ロダンよ。士官学校の訓練場の真上の空に時空を連結する穴が作られ、魔界のカマキリであるキラーマンティスの大群が侵入してきたそうだな。なぜだ? もっと人間が少ない場所の方が抵抗が少なく侵入しやすいと思うのだが、なぜ、わざわざ士官学校を選んだのだろう? 」
「陛下。そのことに関しましては、我々学校の中においても慎重に検討しました。その結果、誰かが士官学校の学生を試しているのではないかという結論に達しました。」
「どうして、そういう結論になるのだ。」
「はい。キラーマンティスの大群は中途半端な数ではありませんでした。推定で数千億匹はいたと推定されます。とても、戦闘や魔法担当の教授だけでは駆除できる数ではありません。国を守るために日頃から剣術を学んでいる学生達も戦う必要があります。」
「士官学校があるアベロン市の広大な範囲に、数千億匹のキラーマンティスが拡散する恐れもあったのだな。」
「百万人の人口を有するアベロン市に、数千億匹のキラーマンティスが拡散してしまいそうになった最大の危機でした。多くの国民を守るため、自分の命を惜しまない気持ちが必要でした。現に、戦闘や魔法担当の教授は1歩も訓練場から引かず、全員がその場に倒れてしまいました。」
「学校では、上級生に対して戦うよう動員をかけたのだな。」
「はい。戦闘戦術訓練を長年受け続けている上級生500人を動員しようとしました。しかし、戦場になっている訓練場に出て来たのは約100人だけでした。しかも、その約100人ですら、すぐに戦場から離脱して逃げてしまったのです。」
「もし、士官学校の学生を試した者がいたとすれば、その様子を見て、いったいどのように考えたのだろうな――――――ただ、下級生、平民出身のランスロだけがキラーマンティスの前に立ちふさがり、全力で戦って全て駆除してくれたのだな。」
「はい。彼は神聖の力による覇気を放ち数千億匹のキラーマンティスをほとんど消滅させてしまいました。恐るべき神のギフトです。その後、数万匹が残って彼の回りを取り囲み組織的に攻撃してきましたが、彼は一瞬の剣技で全部を切り捨ててしまいました。」
「たしか、ホークが剣技を教えているのだな。」
「はい、私も見ていましたが、あれは確かにホークから学んだ空間を支配して戦う剣技です。私は思うのですが、士官学校への襲撃を行った者はランスロ君のことも試したのに違いありません。勇者の候補はいったいどれくらい成長しているか、そしてこれからどこまで成長するのかと。」
「きっと、それは魔族だろうな。魔族の中でも魔王の候補がいて成長しているのだろうか。」
「たぶん。お考えのとおり、勇者の候補と対になり互いに影響し合う関係なのではないでしょうか。2人の候補は、まだ直に会ったことはないかもしれませんが。」
そこまで2人の話を聞いていたグネビア王女が、話に入った。
「ランスロが成長して勇者になることはできるかもしれません。しかし、それから強敵の魔王と戦い勝つためには、彼を助けるものが回りに必要です。私達は彼がそれらを手に入れることができるように助けてあげなければなりません。」
「ロダンよ。グネビアが心配している勇者の回りに必要なものとは、何が考えられるか。」
「確実に必要なものは『勇者の剣』である聖剣『希望』です。相対する『魔王の剣』は『業火』といいます。『希望』無しの勇者は、『業火』を手に入れた魔王に絶対に勝つことはできません。」
「聖剣『希望』は今どこにあるのだ? 」
「5百年前の勇者と魔王の戦いは、伝説では双方が『希望』と『業火』をもち実力が拮抗きっこうしており、最後は相打ちで両者が命を落しました。そしてその後、『希望』と『業火』はこの世界から消滅してしまいました。」
「また現れるのか。」
「はい。現れるというよりも、人間の世界そして魔族の世界で新たに作られるのです。人間の世界では、神のギフトを受けたゾイゼン一族の中からでしか、『勇者の剣』である聖剣『希望』を打つことができる鍛冶師は現れないとされています。」
「必ず現れるのか? 」
「聖剣『希望』は勇者の神聖の力を百倍に高めることができる最高の剣です。ゾイゼン一族の中に歴代最高の才能をもつ人間が生まれ、さらにその人間が歴代最高の努力を続けて技術と忍耐力を手に入れることができなければ、聖剣『希望』を打つことができる鍛冶師になれないでしょう。」
「聖剣を手に入れるのは、そんなに大変なことなのか。その他に勇者の回りに必要なものが何かわかるか。」
「残念ながら、伝説は勇者と魔王の戦いと結末の話が中心になって記録されています。勇者が戦いに望むまでのさまざまな苦難や努力、そして、勇者の回りにあって勇者を助けたものについては長い年月の間に忘れ去られてしまいます。」
グネビアが言った。
「『結末だけが残る! 』ということわざのとおりですね。でも私は楽観的です。ランスロは勇者になるまでに、必要なものを必ず手に入れることができるでしょう。」
(たとえ、ワンチャンしかないとしても……)
そこにはグネビア王女も同席していた。
「ロダンよ。士官学校の訓練場の真上の空に時空を連結する穴が作られ、魔界のカマキリであるキラーマンティスの大群が侵入してきたそうだな。なぜだ? もっと人間が少ない場所の方が抵抗が少なく侵入しやすいと思うのだが、なぜ、わざわざ士官学校を選んだのだろう? 」
「陛下。そのことに関しましては、我々学校の中においても慎重に検討しました。その結果、誰かが士官学校の学生を試しているのではないかという結論に達しました。」
「どうして、そういう結論になるのだ。」
「はい。キラーマンティスの大群は中途半端な数ではありませんでした。推定で数千億匹はいたと推定されます。とても、戦闘や魔法担当の教授だけでは駆除できる数ではありません。国を守るために日頃から剣術を学んでいる学生達も戦う必要があります。」
「士官学校があるアベロン市の広大な範囲に、数千億匹のキラーマンティスが拡散する恐れもあったのだな。」
「百万人の人口を有するアベロン市に、数千億匹のキラーマンティスが拡散してしまいそうになった最大の危機でした。多くの国民を守るため、自分の命を惜しまない気持ちが必要でした。現に、戦闘や魔法担当の教授は1歩も訓練場から引かず、全員がその場に倒れてしまいました。」
「学校では、上級生に対して戦うよう動員をかけたのだな。」
「はい。戦闘戦術訓練を長年受け続けている上級生500人を動員しようとしました。しかし、戦場になっている訓練場に出て来たのは約100人だけでした。しかも、その約100人ですら、すぐに戦場から離脱して逃げてしまったのです。」
「もし、士官学校の学生を試した者がいたとすれば、その様子を見て、いったいどのように考えたのだろうな――――――ただ、下級生、平民出身のランスロだけがキラーマンティスの前に立ちふさがり、全力で戦って全て駆除してくれたのだな。」
「はい。彼は神聖の力による覇気を放ち数千億匹のキラーマンティスをほとんど消滅させてしまいました。恐るべき神のギフトです。その後、数万匹が残って彼の回りを取り囲み組織的に攻撃してきましたが、彼は一瞬の剣技で全部を切り捨ててしまいました。」
「たしか、ホークが剣技を教えているのだな。」
「はい、私も見ていましたが、あれは確かにホークから学んだ空間を支配して戦う剣技です。私は思うのですが、士官学校への襲撃を行った者はランスロ君のことも試したのに違いありません。勇者の候補はいったいどれくらい成長しているか、そしてこれからどこまで成長するのかと。」
「きっと、それは魔族だろうな。魔族の中でも魔王の候補がいて成長しているのだろうか。」
「たぶん。お考えのとおり、勇者の候補と対になり互いに影響し合う関係なのではないでしょうか。2人の候補は、まだ直に会ったことはないかもしれませんが。」
そこまで2人の話を聞いていたグネビア王女が、話に入った。
「ランスロが成長して勇者になることはできるかもしれません。しかし、それから強敵の魔王と戦い勝つためには、彼を助けるものが回りに必要です。私達は彼がそれらを手に入れることができるように助けてあげなければなりません。」
「ロダンよ。グネビアが心配している勇者の回りに必要なものとは、何が考えられるか。」
「確実に必要なものは『勇者の剣』である聖剣『希望』です。相対する『魔王の剣』は『業火』といいます。『希望』無しの勇者は、『業火』を手に入れた魔王に絶対に勝つことはできません。」
「聖剣『希望』は今どこにあるのだ? 」
「5百年前の勇者と魔王の戦いは、伝説では双方が『希望』と『業火』をもち実力が拮抗きっこうしており、最後は相打ちで両者が命を落しました。そしてその後、『希望』と『業火』はこの世界から消滅してしまいました。」
「また現れるのか。」
「はい。現れるというよりも、人間の世界そして魔族の世界で新たに作られるのです。人間の世界では、神のギフトを受けたゾイゼン一族の中からでしか、『勇者の剣』である聖剣『希望』を打つことができる鍛冶師は現れないとされています。」
「必ず現れるのか? 」
「聖剣『希望』は勇者の神聖の力を百倍に高めることができる最高の剣です。ゾイゼン一族の中に歴代最高の才能をもつ人間が生まれ、さらにその人間が歴代最高の努力を続けて技術と忍耐力を手に入れることができなければ、聖剣『希望』を打つことができる鍛冶師になれないでしょう。」
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「残念ながら、伝説は勇者と魔王の戦いと結末の話が中心になって記録されています。勇者が戦いに望むまでのさまざまな苦難や努力、そして、勇者の回りにあって勇者を助けたものについては長い年月の間に忘れ去られてしまいます。」
グネビアが言った。
「『結末だけが残る! 』ということわざのとおりですね。でも私は楽観的です。ランスロは勇者になるまでに、必要なものを必ず手に入れることができるでしょう。」
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