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36 偽の勇者候補6
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「こんなに多くの人がピクニックを楽しんでいる時に…………近衛兵長、今日はどのくらいの人数が護衛として来ているのか。」
「はい陛下、約1千人ほどです。」
「そうか、最初に住民達の避難を優先させるのだ。私のことは後でいいから、先に住民達を早く王都イスタンの城壁の中に。ランスロ、グネビアを頼む。」
「はい、私が王女様をお守りします。」
「ランスロ、私のことは後でいいから。落ち着いて安全なルートを行くように、あなたが住民達に大声で呼び掛けて。真の勇者候補のあなたなら、みんなを導くことができるわ。」
「わかりました。王女様。」
ランスロは空を覆っている魔族達を確認した。
(低級魔族ばかりだ。剣をもつ騎士がいることがわかれば、すぐには攻撃してこないだろう。)
彼は混乱しないよう落ち着いて城門から避難するよう、大声で住民達に呼びかけた。
予想どおり、低級魔族達は攻撃してこなかった。
そして住民のほとんどが、王都イスタンの城壁の中に避難した。
残ってるのは、百人程度の住民と王族だけだった。
その時、異変がおきた。
低級魔族達の中から急降下し、城門のすぐ前に降りてくるものがいた。
城門と避難ルートを守っていた騎士達がすぐに切り伏せたが、補充するように急降下してくる低級魔族が続いた。
空に浮遊していたのは低級魔族だけだったがその数は無限大に多く、騎士達も対応できなくなり、王都イスタンへの侵入の恐れがあるため、城門を閉めざるをなくなった。
その結果、ヘンリー国王、グネビア王女を含め、百人程度の住民と王族が城壁の外に取り残されてしまった。
ヘンリー国王が叫んだ。
「剣をもって戦える者は回りを囲め、それ以外の者を中へ。私も戦うぞ! 」
その時、王族の中から進み出た者がいた。
「叔父上、私にお任せを。」
アルフレッドだった。
「アルフレッドか。みんなで戦おう。」
「いえ、私1人で奇跡を起してみせます。この空に無限に浮遊している極めて凶悪な魔族達をすべて消して見せます。」
自分の甥がゴード王国の各地で、剣を抜いただけで低級魔族の大群を後退させていることを、国王は既に知っていた。
しかし、増長して、威張り散らしていることも知っていた。
「国王も含め、王族が自分の国の人々を守るのは当たり前のことだ。アルフレッド、やって見るが良い。ただし、うまくいったとしても決して増長し、威張り散らすのではないぞ。」
「叔父上、十分にわかっております。」
そう答えながら、アルフレッドは全く別のことを考えていた。
(この瞬間、多くの人が見守り注目が集まっている。ここで、魔族達を後退させることができれば、僕は伝説になり、真の勇者候補として必ず認められるだろう。場合によっては、次の王として皇太子になれるかもしれないぞ。)
アルフレッドはもったいぶり、わざと厳おごそかな歩き方で集団の前に進み出た。
そして、黒色に光る剣を抜き、空に向かって高く上げた。
――――ところが、何も変わらなかった、低級魔族の大群は後退することなく依然として空を覆い尽くすように浮遊していた。
そして
…………はははははははははは!!……
人間が聞いてもわかるような魔物達の笑い声の大合唱が起きた。
アルフレッドは全身の神経が硬直し、その場で固まった。
そして、さらに悪いことが起きた。
空を覆い尽くしていた低級魔族達が動き、空がまるく見えた。
やがて、それは魔界との黒い連結空間となり、そこからゆっくりと巨大な何かが降りてきた。
上級魔族である魔神グリゲイトだった。
魔神はアルフレッドの前に降り立ち、丁寧におじぎをして戦いの前の作法を守った。
アルフレッドはもう気を失いそうになり、死を覚悟した。
その時、誰かが後ろからアルフレッドの肩をポンとたたいた。
びっくりして振り返ると、そこにはランスロがいた。
彼はあたたかく微笑んでいた。
「アルフレッド様、お疲れ様でした。一緒に戦いましょう。」
あっけにとられるアルフレッドを後ろに残し、ランスロは前に進み魔神グリゲイドの前に進んだ。
そして魔神と同様に、丁寧におじぎをして戦いの前の作法を守った。
すると魔神がしゃべった。
「とても小さき者よ。我が前にそこまで進んできたとは、かなりの勇気をもつ者だ。そして神聖の力の覇気を身にまとっている。今日は指示された茶番劇で終わると思っていたが、すばらしい戦士とほんとうの戦いをすることができるな。」
その後、魔神グリゲイドは小さくなり、最後は人間の大人ほどになった。
「すばらしい戦士に体の大きさで勝つのは不本意だからな。これで正々堂々と戦える。」
魔神は剣を抜いた。
「魔神様、正々堂々としたお考えに感謝致します。」
ランスロは、ゾイゼン一族一番の名工、コンラートが心を込めて打った剣を抜いた。
その剣は彼の神聖の力の覇気を集中させ、彼と完全に一体になった。
魔神が言った。
「小さき戦士よ。すばらしい剣をもっているな。……そうか、わかった。真の勇者候補なのだな。それならば、私と互角以上に戦えるな! 」
「はい陛下、約1千人ほどです。」
「そうか、最初に住民達の避難を優先させるのだ。私のことは後でいいから、先に住民達を早く王都イスタンの城壁の中に。ランスロ、グネビアを頼む。」
「はい、私が王女様をお守りします。」
「ランスロ、私のことは後でいいから。落ち着いて安全なルートを行くように、あなたが住民達に大声で呼び掛けて。真の勇者候補のあなたなら、みんなを導くことができるわ。」
「わかりました。王女様。」
ランスロは空を覆っている魔族達を確認した。
(低級魔族ばかりだ。剣をもつ騎士がいることがわかれば、すぐには攻撃してこないだろう。)
彼は混乱しないよう落ち着いて城門から避難するよう、大声で住民達に呼びかけた。
予想どおり、低級魔族達は攻撃してこなかった。
そして住民のほとんどが、王都イスタンの城壁の中に避難した。
残ってるのは、百人程度の住民と王族だけだった。
その時、異変がおきた。
低級魔族達の中から急降下し、城門のすぐ前に降りてくるものがいた。
城門と避難ルートを守っていた騎士達がすぐに切り伏せたが、補充するように急降下してくる低級魔族が続いた。
空に浮遊していたのは低級魔族だけだったがその数は無限大に多く、騎士達も対応できなくなり、王都イスタンへの侵入の恐れがあるため、城門を閉めざるをなくなった。
その結果、ヘンリー国王、グネビア王女を含め、百人程度の住民と王族が城壁の外に取り残されてしまった。
ヘンリー国王が叫んだ。
「剣をもって戦える者は回りを囲め、それ以外の者を中へ。私も戦うぞ! 」
その時、王族の中から進み出た者がいた。
「叔父上、私にお任せを。」
アルフレッドだった。
「アルフレッドか。みんなで戦おう。」
「いえ、私1人で奇跡を起してみせます。この空に無限に浮遊している極めて凶悪な魔族達をすべて消して見せます。」
自分の甥がゴード王国の各地で、剣を抜いただけで低級魔族の大群を後退させていることを、国王は既に知っていた。
しかし、増長して、威張り散らしていることも知っていた。
「国王も含め、王族が自分の国の人々を守るのは当たり前のことだ。アルフレッド、やって見るが良い。ただし、うまくいったとしても決して増長し、威張り散らすのではないぞ。」
「叔父上、十分にわかっております。」
そう答えながら、アルフレッドは全く別のことを考えていた。
(この瞬間、多くの人が見守り注目が集まっている。ここで、魔族達を後退させることができれば、僕は伝説になり、真の勇者候補として必ず認められるだろう。場合によっては、次の王として皇太子になれるかもしれないぞ。)
アルフレッドはもったいぶり、わざと厳おごそかな歩き方で集団の前に進み出た。
そして、黒色に光る剣を抜き、空に向かって高く上げた。
――――ところが、何も変わらなかった、低級魔族の大群は後退することなく依然として空を覆い尽くすように浮遊していた。
そして
…………はははははははははは!!……
人間が聞いてもわかるような魔物達の笑い声の大合唱が起きた。
アルフレッドは全身の神経が硬直し、その場で固まった。
そして、さらに悪いことが起きた。
空を覆い尽くしていた低級魔族達が動き、空がまるく見えた。
やがて、それは魔界との黒い連結空間となり、そこからゆっくりと巨大な何かが降りてきた。
上級魔族である魔神グリゲイトだった。
魔神はアルフレッドの前に降り立ち、丁寧におじぎをして戦いの前の作法を守った。
アルフレッドはもう気を失いそうになり、死を覚悟した。
その時、誰かが後ろからアルフレッドの肩をポンとたたいた。
びっくりして振り返ると、そこにはランスロがいた。
彼はあたたかく微笑んでいた。
「アルフレッド様、お疲れ様でした。一緒に戦いましょう。」
あっけにとられるアルフレッドを後ろに残し、ランスロは前に進み魔神グリゲイドの前に進んだ。
そして魔神と同様に、丁寧におじぎをして戦いの前の作法を守った。
すると魔神がしゃべった。
「とても小さき者よ。我が前にそこまで進んできたとは、かなりの勇気をもつ者だ。そして神聖の力の覇気を身にまとっている。今日は指示された茶番劇で終わると思っていたが、すばらしい戦士とほんとうの戦いをすることができるな。」
その後、魔神グリゲイドは小さくなり、最後は人間の大人ほどになった。
「すばらしい戦士に体の大きさで勝つのは不本意だからな。これで正々堂々と戦える。」
魔神は剣を抜いた。
「魔神様、正々堂々としたお考えに感謝致します。」
ランスロは、ゾイゼン一族一番の名工、コンラートが心を込めて打った剣を抜いた。
その剣は彼の神聖の力の覇気を集中させ、彼と完全に一体になった。
魔神が言った。
「小さき戦士よ。すばらしい剣をもっているな。……そうか、わかった。真の勇者候補なのだな。それならば、私と互角以上に戦えるな! 」
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