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37 真の勇者候補7
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魔神グリゲイドが一瞬でランスロのそばの空間に入り、剣の一撃を振った。
普通の人間ならたちまち切られていたが、彼は魔神の剣の軌道を確実に感じていた。
そして、彼が持つゾイゼン一族の剣が魔神の剣を跳ね返した。
「おう、我が瞬発の一撃を完璧に跳ね返すのか。まだ小さいのに、既に人間が到達できる水準を遙かに超えているな。それではこうしたらどうか。」
そう言った魔神は、あまりにも厳しい連続剣戟を始めた。
数千秒分の1秒間に1回、いろいろ角度から魔神の剣は連続して振られたが、彼はそれらの剣を全て跳ね返した。
やがてある瞬間、魔神は連続剣戟を止めて、一瞬で下がり間合いをとった。
「小さき者よ、我が連続の剣戟を受けて守っていたが、そちらから反撃の一撃を返す瞬間を待っていたな。今、1002回目の後に隙ができてしまった。小さき者も感じたな。」
「はい。正しくは1001回目の後に隙ができていました。僕にとって潜在一隅の勝利できるタイミングでしたが、魔神様に消されてしまいました。」
「はははははは。愉快だ、我は確かに小さき者が勝利できるタイミングを消すことができた。しかし、後ろに下がってしまった。それは、魔界でも最強の一人と言われる我にとって、極めてまれな負けに等しいことだな。数百年ぶりくらいか。もう終わりにすべきだな。」
そう言うと魔神はまた元の巨大な大きさに戻り、ゆっくりと空に上昇し始めた。
「我は魔神グリゲイドだ、小さき者、今日負けた我に名前を教えてくれないか。」
「ランスロと申します。魔神グリゲイド様。」
「ランスロ、また何年か後、勇者になった時にまた会おう。」
魔神は空の高い場所に開いた、黒い魔界との連結空間まで上り、そこで消えた。
その後を追いかけるかのように、空を覆い尽くしていた低級魔族達もそこから消えてしまった。
ランスロはしばらく空を見上げて、その場に立ち続けていたがやがて振り返った。
そして、呆然としていたアルフレッドの所まで駆け寄った。
「アルフレッド様、僕の後ろを防御していただきありがとうございました。」
「いやいや、君が全てやったことだ。魔神と戦い、それを退けた。だから低級魔族の大群も後退した。
僕は何もやっていない。」
「違いますよ。アルフレッド様がここに立っていたことで、魔神様は僕の後ろに回り込むことができませんでした。回り込まれて連続の剣戟を打たれたら、僕は切られて死んでいたでしょう。」
「そんなに回り込むことが勝利のポイントだったのなら、僕なんか吹き飛ばしてここに移動すればよかったのに何でしなかったのかな。」
「魔神様にとって一番大切なものが、名誉だからだと思います。関係のないアルフレッド様が巻き込まれれば、僕も精一杯戦うことができません。2人だけの正々堂々とした戦いになりません。どんな手段をとっても勝ちたいとは絶対に考えないのでしょう。」
「魔族なのに、名誉を守ることをそんなに重んじるのか……」
「例え魔族であれ、人間であれ、名誉を守ることはとても大切だと思います。体を小さくして戦ったことといい、僕は魔神グリゲイドを心の底から尊敬します。」
「ランスロ君の言うことはほんとうに正しいと思うよ。僕は自分のことを恥じるばかりだ。僕は勇者候補になったと思い込んで増長してしまい、威張りちらしてしまった。今日は低級魔族達に笑われてしまった。」
「笑われたことがどれほど重要なことなのでしょう。それならば、これからたくさん挽回して、多くの人々から尊敬されるようになればいいのではないですか。いろいろ苦しんでこられたアルフレッド様は、自分のことを反省されている。きっと、立派な王族になられると思います。」
「そうよ。将来の国王なんだから。私は平民の男の子と結婚するから絶対に女王になりません。ゴード王国の未来はあなたに託されたのよ。アルフレッド! 」
いつの間にかグネビア王女がそばにいてアルフレッドを励ました。
アルフレッドは驚いた。
「グネビア王女様、そんなことをおっしゃって。王位継承権のことです。軽々しく言わない方が良いですよ。」
「アルフレッド、あなたは子供の頃から仲が良いいとこだから言えるのです。これまで苦労して大切なことを勉強をしたあなたは、絶対にすばらしい国王になれるわ。」
「王位継承権のことは、もうどうでもよくなりました。これからは名誉を重んじ、たくさんの人から自然に尊敬していただけるような人になりたいです。――ところで王女様、さっきおっしゃっていた平民の男の子と結婚するとは、なんとなくわかります。」
アルフレッドはそれからランスロの方をじっと見た。
ランスロは驚いて言った。
「なんでそんなに見るのですか! 」
「グネビア王女様といい、ザラさんといい、ランスロ君にはとてもかないません。でも、ランスロ君がこれからどうするのかとても心配です。」
ザラの名前が出て、ランスロは不思議に思った。
(前に経験したことがあった感じだったので、魔神グリゲイド様の剣筋を見切ることができた。そうか、ザラさんの剣筋にひどく似ていたんだ。)
ザラはロスチャイルド家の自分の部屋にいた。
「お嬢様、お嬢様。」
誰かが呼んでいたので、彼女はバルコニーに出た。
そこから見上げると、空の上に魔神グリゲイドが浮かんでいた。
「マスター、ランスロは強かったか。」
「はい。お嬢様の夫にふさわしい方だと思います。」
普通の人間ならたちまち切られていたが、彼は魔神の剣の軌道を確実に感じていた。
そして、彼が持つゾイゼン一族の剣が魔神の剣を跳ね返した。
「おう、我が瞬発の一撃を完璧に跳ね返すのか。まだ小さいのに、既に人間が到達できる水準を遙かに超えているな。それではこうしたらどうか。」
そう言った魔神は、あまりにも厳しい連続剣戟を始めた。
数千秒分の1秒間に1回、いろいろ角度から魔神の剣は連続して振られたが、彼はそれらの剣を全て跳ね返した。
やがてある瞬間、魔神は連続剣戟を止めて、一瞬で下がり間合いをとった。
「小さき者よ、我が連続の剣戟を受けて守っていたが、そちらから反撃の一撃を返す瞬間を待っていたな。今、1002回目の後に隙ができてしまった。小さき者も感じたな。」
「はい。正しくは1001回目の後に隙ができていました。僕にとって潜在一隅の勝利できるタイミングでしたが、魔神様に消されてしまいました。」
「はははははは。愉快だ、我は確かに小さき者が勝利できるタイミングを消すことができた。しかし、後ろに下がってしまった。それは、魔界でも最強の一人と言われる我にとって、極めてまれな負けに等しいことだな。数百年ぶりくらいか。もう終わりにすべきだな。」
そう言うと魔神はまた元の巨大な大きさに戻り、ゆっくりと空に上昇し始めた。
「我は魔神グリゲイドだ、小さき者、今日負けた我に名前を教えてくれないか。」
「ランスロと申します。魔神グリゲイド様。」
「ランスロ、また何年か後、勇者になった時にまた会おう。」
魔神は空の高い場所に開いた、黒い魔界との連結空間まで上り、そこで消えた。
その後を追いかけるかのように、空を覆い尽くしていた低級魔族達もそこから消えてしまった。
ランスロはしばらく空を見上げて、その場に立ち続けていたがやがて振り返った。
そして、呆然としていたアルフレッドの所まで駆け寄った。
「アルフレッド様、僕の後ろを防御していただきありがとうございました。」
「いやいや、君が全てやったことだ。魔神と戦い、それを退けた。だから低級魔族の大群も後退した。
僕は何もやっていない。」
「違いますよ。アルフレッド様がここに立っていたことで、魔神様は僕の後ろに回り込むことができませんでした。回り込まれて連続の剣戟を打たれたら、僕は切られて死んでいたでしょう。」
「そんなに回り込むことが勝利のポイントだったのなら、僕なんか吹き飛ばしてここに移動すればよかったのに何でしなかったのかな。」
「魔神様にとって一番大切なものが、名誉だからだと思います。関係のないアルフレッド様が巻き込まれれば、僕も精一杯戦うことができません。2人だけの正々堂々とした戦いになりません。どんな手段をとっても勝ちたいとは絶対に考えないのでしょう。」
「魔族なのに、名誉を守ることをそんなに重んじるのか……」
「例え魔族であれ、人間であれ、名誉を守ることはとても大切だと思います。体を小さくして戦ったことといい、僕は魔神グリゲイドを心の底から尊敬します。」
「ランスロ君の言うことはほんとうに正しいと思うよ。僕は自分のことを恥じるばかりだ。僕は勇者候補になったと思い込んで増長してしまい、威張りちらしてしまった。今日は低級魔族達に笑われてしまった。」
「笑われたことがどれほど重要なことなのでしょう。それならば、これからたくさん挽回して、多くの人々から尊敬されるようになればいいのではないですか。いろいろ苦しんでこられたアルフレッド様は、自分のことを反省されている。きっと、立派な王族になられると思います。」
「そうよ。将来の国王なんだから。私は平民の男の子と結婚するから絶対に女王になりません。ゴード王国の未来はあなたに託されたのよ。アルフレッド! 」
いつの間にかグネビア王女がそばにいてアルフレッドを励ました。
アルフレッドは驚いた。
「グネビア王女様、そんなことをおっしゃって。王位継承権のことです。軽々しく言わない方が良いですよ。」
「アルフレッド、あなたは子供の頃から仲が良いいとこだから言えるのです。これまで苦労して大切なことを勉強をしたあなたは、絶対にすばらしい国王になれるわ。」
「王位継承権のことは、もうどうでもよくなりました。これからは名誉を重んじ、たくさんの人から自然に尊敬していただけるような人になりたいです。――ところで王女様、さっきおっしゃっていた平民の男の子と結婚するとは、なんとなくわかります。」
アルフレッドはそれからランスロの方をじっと見た。
ランスロは驚いて言った。
「なんでそんなに見るのですか! 」
「グネビア王女様といい、ザラさんといい、ランスロ君にはとてもかないません。でも、ランスロ君がこれからどうするのかとても心配です。」
ザラの名前が出て、ランスロは不思議に思った。
(前に経験したことがあった感じだったので、魔神グリゲイド様の剣筋を見切ることができた。そうか、ザラさんの剣筋にひどく似ていたんだ。)
ザラはロスチャイルド家の自分の部屋にいた。
「お嬢様、お嬢様。」
誰かが呼んでいたので、彼女はバルコニーに出た。
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「マスター、ランスロは強かったか。」
「はい。お嬢様の夫にふさわしい方だと思います。」
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