W転生してあなたを必ず助けます!悲劇のヒロインには絶対なりません!~私のハートは重いのです~

ゆきちゃん

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24 魔王軍の侵攻2

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 フランツ王国の味方となった獣人族のレオとティグルの軍が、オリンピア街道の最も右側を進む魔王軍の獣人軍団から見える位置に姿を見せた。そしてレオが大きな声で叫んだ。

「魔王軍に奴隷のように使役されている獣人達よ。我はライオン族長のレオだ。フランツ王国は我々獣人が住むすばらしい土地と、人間と平等な権利をもつ国民の地位を約束した。だから、我々はフランツ王国の味方になった。」

 次にティグルが、レオに負けないくらいの大声で叫んだ。

「タイガー族長のティグルだ。フランツ王国の姫軍師フーカ様が目指していることは、力強い獣人には尊敬を、かわいらしい獣人には安らぎを、早く走り空を飛ぶ獣人にはあこがれを、人間が感じる世界だそうだ。このすばらしい理想を実現するため、我々はフランツ王国の味方になった。」

 ティグルの話しが終わった次の瞬間、右翼にいた魔王軍の獣人軍団がレオとティグルの軍に向けて全力で突撃してきた。仲間の裏切りに非常に怒っているような感じだった。
 獣人軍団は、オリンピア街道を大きくはずれた。

 その動きは、伝令を通じて司令官の竜王ドランに伝えられた。
「右翼の獣人軍団の前に、フランツ王国の味方になった獣人族の軍が現われました。獣人軍団は仲間の裏切りに非常に怒り、オリンピア街道を離れてその軍に突撃を開始してしまいました。」

「フランツ王国の味方になった獣人の軍は、いったいどれほどの人数か。」
「約5千人です。」

「魔王軍の獣人軍団は3万人だな。ほっておけ、戦えばすぐに5千人を殲滅せんめつしてオリンピア街道の進軍に戻るだろう。裏切りに怒り狂った獣人を、なだめて元に戻すのは不可能だ。それまでは、オーク軍団とゴブリン軍団の7万人で進軍すれば良い。」

 ………

 獣人軍団がオリンピア街道から離れて、レオとティグルの軍を追いかけ始めた一部始終は、宮殿の謁見の間にある煙の壁の一つに映し出されていた。

 姫軍師フーカが言った。
「獣人軍団を魔王軍から引き離すことに成功しました。次はオリンピア街道を進むオーク軍団とゴブリン軍団です。うまく迷宮に迷い込んでくれればいいのですが。」

 2つの軍団の進行状況も、それぞれ2つの煙の壁に映し出されていた。
 それを見ながら、宮廷魔法師イワンが言った。

「姫軍師様、見ていてください。私がコンクリと力を合わせて造った亜空間の迷宮は、少しずつオークやゴブリンを誘い込みます。迷宮の入口は常に開いているのではなく、彼らがわからないうちに入り込んでしまうようになっています。」

 イワンが言ったとおり、ちょうどいいタイミングで亜空間の迷宮の入口は開き、オークやゴブリンがそれぞれの迷宮に数百人単位で誘い込まれていた。

 その結果、みるみるうちに魔王軍は人数を減らし、ダリル平原から王都イスタンまでの距離の半分を進軍した時点で、半分程度になっていた。

 司令官の竜王ドランは異常な事態に気がついた、直ちに全軍の進行を止めて、全軍の数を数え始めた。

「竜王様。全軍の数はもはや4万人程度に減っています。」
「まだ、戦いが始ってもいないのに、いったい何があるのだ。その理由がわかるまで、しばらくここで止まり様子を見ることにする。全軍に十分注意するように伝達するのだ。」
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