31 / 75
31 過酷な運命の真実3
しおりを挟む
朝早く、ゴード王国の執務室で公務を行っていた国王に、秘書役の家臣が連絡した。
「陛下、姫様がお目通りを願っていますが。」
「こんな時間に、めずらしいな。ルルを通してくれ。」
王女が執務室に入ってきた。その姿を見て、国王は大変驚いた。彼女を見た感じが、昨日の様子と全く違っていたからだ。父親の国王が見ても、わずか1日で女性としての不思議な魅力が強く感じられた。
「フランツ王国のナオト国王様との縁談の話しですけれど、お父様の正式な親書を送付されただけですか。」
「そうだが。」
「それでは、私はとても悲しいです。将来の夫となる方と直接お会いしたこともなく。ナオト国王様が私のことを何も知らないのに、このまま結果が決まってしまうかもしれません。」
「言い訳かもしれないが、王族の縁談とはこんなものだ。それに、フランツ王国は先に魔王軍10万の侵攻を見事に防ぎ、今も他国にはないほど合理的に着々と国作りを進めている強国だ。お前が王妃となって嫁いでいけば必ず幸せになれると私は確信している。」
「………」
王女は何も言わず、ただ黙って悲しそうな顔で国王を見た。国王は体中でどきっとするのを感じた。
「お父様のおっしゃることは全く間違ってはいません。ただ一つだけ、一つだけ不安なことがあります。」
「それはどういうことか。」
「ナオト国王様が既に他に好きな方がいらっしゃる場合、縁談を断ってしまわれる可能性がかなり強いです。私は直接、顔を合わせてお会いしお話させていただき、王妃として受け入れていただきたいと切にお願いしたいのです。この縁談は我がゴード王国にとっても非常に重要なことではないですか。」
とても魅力的になった自分の娘からそう言われて、国王は了解するしかなかった。
「ルル、わかった。とても美しい我が娘がナオト国王と直接会って話しさえすれば、この縁談は絶対に成功するはずだな。」
「お父様、ありがとうございます。」
数日後、フランツ王国に正式な使者が送られた。その内容は、ゴード王国のルル王女がナオト国王に正式に謁見したいというものだった。100%政治的で、本人達が会うこと無く決められる王族間の縁談においては、極めて異例なことだった。
しかし、転生前の世界での結婚観をもっているナオト国王には常識的なことだと思えた。それで、ルル王女を傷つけないように断ればいいと思い、謁見することを承諾した。
………
数日後、ナオト国王は謁見の間で多くの従者を引き連れたゴード王国のルル王女と会った。大扉が開き、王女が赤絨毯の上を歩いてゆっくりと進んできた。
「おーっ。」
「なんて美しいのだ。」
赤絨毯の両側に控えていた大臣や貴族達が簡単の声を上げ、一斉に心を奪われた。
王座の間で王女はひざまずき、正式なあいさつを始めた。
「ナオト国王陛下、ゴード王国第1王女のルルでございます。本日は謁見することをお許しいただき心から感謝申し上げます。」
「王女様、顔を上げてください。」
国王に許されて王女は顔を上げた。
「国王陛下、誠に失礼ながら私が予想していたよりもお若いのですね。それに、誰よりもお顔やお姿が凜々しくてかっこいいです。…大変失礼しました。…平民の娘が話すようなことを…」
「いえいえ、ざっくばらんに言っていただいて、とてもうれしいです。」
ナオト国王はルル王女に完全に心を奪われた。
「陛下、姫様がお目通りを願っていますが。」
「こんな時間に、めずらしいな。ルルを通してくれ。」
王女が執務室に入ってきた。その姿を見て、国王は大変驚いた。彼女を見た感じが、昨日の様子と全く違っていたからだ。父親の国王が見ても、わずか1日で女性としての不思議な魅力が強く感じられた。
「フランツ王国のナオト国王様との縁談の話しですけれど、お父様の正式な親書を送付されただけですか。」
「そうだが。」
「それでは、私はとても悲しいです。将来の夫となる方と直接お会いしたこともなく。ナオト国王様が私のことを何も知らないのに、このまま結果が決まってしまうかもしれません。」
「言い訳かもしれないが、王族の縁談とはこんなものだ。それに、フランツ王国は先に魔王軍10万の侵攻を見事に防ぎ、今も他国にはないほど合理的に着々と国作りを進めている強国だ。お前が王妃となって嫁いでいけば必ず幸せになれると私は確信している。」
「………」
王女は何も言わず、ただ黙って悲しそうな顔で国王を見た。国王は体中でどきっとするのを感じた。
「お父様のおっしゃることは全く間違ってはいません。ただ一つだけ、一つだけ不安なことがあります。」
「それはどういうことか。」
「ナオト国王様が既に他に好きな方がいらっしゃる場合、縁談を断ってしまわれる可能性がかなり強いです。私は直接、顔を合わせてお会いしお話させていただき、王妃として受け入れていただきたいと切にお願いしたいのです。この縁談は我がゴード王国にとっても非常に重要なことではないですか。」
とても魅力的になった自分の娘からそう言われて、国王は了解するしかなかった。
「ルル、わかった。とても美しい我が娘がナオト国王と直接会って話しさえすれば、この縁談は絶対に成功するはずだな。」
「お父様、ありがとうございます。」
数日後、フランツ王国に正式な使者が送られた。その内容は、ゴード王国のルル王女がナオト国王に正式に謁見したいというものだった。100%政治的で、本人達が会うこと無く決められる王族間の縁談においては、極めて異例なことだった。
しかし、転生前の世界での結婚観をもっているナオト国王には常識的なことだと思えた。それで、ルル王女を傷つけないように断ればいいと思い、謁見することを承諾した。
………
数日後、ナオト国王は謁見の間で多くの従者を引き連れたゴード王国のルル王女と会った。大扉が開き、王女が赤絨毯の上を歩いてゆっくりと進んできた。
「おーっ。」
「なんて美しいのだ。」
赤絨毯の両側に控えていた大臣や貴族達が簡単の声を上げ、一斉に心を奪われた。
王座の間で王女はひざまずき、正式なあいさつを始めた。
「ナオト国王陛下、ゴード王国第1王女のルルでございます。本日は謁見することをお許しいただき心から感謝申し上げます。」
「王女様、顔を上げてください。」
国王に許されて王女は顔を上げた。
「国王陛下、誠に失礼ながら私が予想していたよりもお若いのですね。それに、誰よりもお顔やお姿が凜々しくてかっこいいです。…大変失礼しました。…平民の娘が話すようなことを…」
「いえいえ、ざっくばらんに言っていただいて、とてもうれしいです。」
ナオト国王はルル王女に完全に心を奪われた。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる