W転生してあなたを必ず助けます!悲劇のヒロインには絶対なりません!~私のハートは重いのです~

ゆきちゃん

文字の大きさ
34 / 75

34 過去な運命の真実6

しおりを挟む
 その夜、姫軍師フーカはなかなか眠れなかったが、やっと明け方近くになって浅い眠りについた。夢の中で彼女、北川風香は、ナオト国王、佐藤直人と初めて会った日のことを想い出していた。

 彼女と彼は、企業のコンサルタントを行う中堅企業に新卒同期として入社した。

「みなさん、本日から新人2人がこの企画部に配属されることになりました。2人とも大学在学中に公認会計士試験に合格した将来ある若者だ。この会社の宝物だと思って育ててあげてほしい。」

 企画部長からそのように紹介された2人だったが、実際、新人ながらその実力は先輩達を既に上回っていた。
 そうした状況の中で事件が起きた。ある先輩社員が課長に回してきた新事業の予算書の最終チェックを、課長が彼女に任せた。

 彼女が冷静に中身を確認すると市場ニーズの予測が甘く、このままでは大幅な赤字を計上せざるを得なくなることが予想された。まじめな彼女は日頃から、さまざまな市場の動向を真剣にチェックしていた。

「課長、申し訳ありません。この予算書では市場ニーズの予測が甘く、ごく短期的にはうまくいっても、中長期的には大赤字を計上してしまいます。」
「そうか、それではこの予算書の作成者を呼んで確認してみよう。」

 課長はその予算書を作成した先輩社員を呼んだ。実はその先輩社員はどこの職場にもある、実力は全くないが、立ち回りと要領のよさ、それに声の大きさだけで仕事をしてきた社員だった。

 先輩社員は課長に呼ばれ、彼女の意見を伝えられると、とても大きな声で反論し始めた。

「簡便してくださいよ、課長。この予算書、プロジェクトが黒字化することは誰が見ても明らかですよ。北川のような大学出たてのビギナーの意見を聞くのですか。」
 そして、北川の顔をにらみ付けてどなり始めた。

「北川、先輩の仕事に理由もなくケチをつけるなんて百年早いよ。ケチをつけたことを誤って撤回しろよ!」
「理由はあります。」
 先輩社員の声の大きさに圧倒されて、彼女は精一杯の声で反論したが、あまりしゃべれなかった。

「なんだって、理由がないからそんなに小さな声でしゃべるんだろう!」
「この市場は競争過多になっており、既にレッドオーシャンです。」

「聞こえない!何がレッドオーシャンだ。リゾート気分で仕事すんな!」
 フロアー全体を占める、企画部に所属する他の誰もがレッドオーシャンの意味を知っていたが、怒っている先輩社員と対立することを避け、誰も助けてくれなかった。

 ところが………

 1人立ち上がって、議論の場に近づいてきた男性社員がいた。
 佐藤だった。そして、先輩社員を上回る大声で反論し始めた。佐藤は勇気を出して、北川を助けようと決意したのだった。

「レッドオーシャンとは参入者がとても多く、すさまじい競争、戦争と言ってもいいかもしれませんが、もはや新しい事業を立ち上げて新規参入してはならない市場です。北川さんの言うことが全く正しい。会社にとって正しいことを主張する北川さんを大声で黙らせるなんて、先輩はテロリストですか!」

「そんなことを会社の中で、先輩社員に向かって言っていいのか。レッドオーシャンくらい知っているよ。だけど、この市場はまだまだ新規参入の予知が十分にあることが業界の常識なんだよ。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす

遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

処理中です...