W転生してあなたを必ず助けます!悲劇のヒロインには絶対なりません!~私のハートは重いのです~

ゆきちゃん

文字の大きさ
49 / 75

49 悲劇に向かうのか12

しおりを挟む
「私をほんとうの姉と思ってね。何か頼みたいことがあれば言ってね。」

「いえいえ、魔王様の腹心である高位の魔族達が命を落されたことを、とても申し訳なく思っています。」

「彼らには私が指示をして、ナオト国王の実力を試させたの。だから責任があるとすれば私よ。フーカが気にする必要は全然ないわ。それでは、一旦、魔界に帰るわ。世界連合との戦争開始までにはまた来るから。」

 魔王ザラは思った。

(あなたのことがほんとうに好きだわ。言えなかったけれど、ついこの間まで後2年間以上あった過酷な運命までの時間が、さっき0になっていることを私は感じたわ。最後の最後まで、私はあなたの命が続くよう助けてあげる。)

 ………

 魔王が去ってから、彼女を呼ぶ声がした。
「フーカさん。フーカさん。」

 机の上に置いてある不思議な物の表面が突然光りだし、手に取ると、人間の赤ちゃんのような生き物の姿が浮かんでおり、彼女をじっと見ていた。
「ミカちゃん。」

「フーカさんに、お伝えしなければならないことがあります。これは神のもくろみです。もうしばらくすると、フーカさんとナオト国王が一騎討ちすることに必ずなります。過酷な運命とは、それぞれが、相手を消し去ろうとする気持ちで戦わなければならないことです。」

「それでどうなるのですか。」

「月の剣と太陽の剣の真剣な一降りがぶつかると、この世界で起こりうる最大の衝撃波が発生します。そして神のもくろみが果たされます。」

「神のもくろみとは、どういうことですか。」

「この世界が崩壊して無くなります。神は前からこの世界をお気に召さず、かといって、自ら創造したこの世界を自ら消滅させることができません。それで、お2人に託したのです。ですので、お2人が神のもくろみを果たす手助けをすれば、その報償として転生前の世界に戻り、お2人の両方の命が救われるのです。」

「でも、この世界の未来はそこで無くなるのですね。生きている人間、獣人、魔族、動物その他全てに与えられるべき未来が無くなってしまうということですね。」

「確かにそうですが、それはしょうがないことではないでしょうか。」

「………」

 悩みに悩んで、フーカ辺境伯は世界連合軍とどのように戦うか最後の決断をした。それは誰にも話すことができない孤独な決断だった。

 彼女は、魔法師のイワンと工事技術者のコンクリに依頼して、自分の城の回りに高くて厚い、しかも見えない防壁を築いていた。

 ………

 1か月後、世界連合軍10万人がフーカの領土の高原地帯に進軍してきた。まず城を取り囲み、膨大な数の弓矢を打ってきたが、それらはことごとく見えない防壁に跳ね返され下に落ちた。

 伝令がゴード国王に報告した。
「城の回りは、何か見えない防壁で囲まれています。それは高くそびえ立っていて、弓矢は城に達することができません。」

 それを聞いて、ゴード国王は指示した。
「城に近づくことが完全にできないのか、それともどこかに通り道があるのか調べるのだ。」

 世界連合軍から|斥候(せっこう)の兵が出され、見えない防壁の周囲を調べると、細い一本道のように開いている空間があった。ゴード国王がナオト国王に聞いた。

「これはわなだね。10万の大軍が細い一本道を通っている時、攻撃をしかけられたら大損害を被る。ナオト国王はどう考えるかな。」

「少し違うのではないでしょうか。私にはフーカ辺境伯が考えていることがわかります。明日、それを確認します。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす

遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

処理中です...