結婚式から異世界転生~運命に抗う

ゆきちゃん

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5 大魔法師の弟子の闇落ち

28 第4の魔女

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第4の魔女マリが反論した。


「そう言っていただけるのは、大変うれしいのですが。言っているのがあなたですから、説得力に欠けるのではないでしょうか。」



「どうしてですか。」



「あなたは自他とも認める世界最強の騎士じゃないですか。誰よりも、高見に登っているのですよ」


 騎士カイロスが言った。



「そうでしょうか。私なんかよりも、毎日おいしいパンを焼き上げることができるパン職人さんの方が価値があると言えるのですよ。毎日のみんなの生活を支えているのですから。」



「あなたのような力をもつ人間の中では、めずらしい方ですね。もっとも、中身は異世界転生された方なのですからそのせいですね。でも私の気持ちは変りません。」



 大魔法師マーリンが最後に聞いた。



「やはり、呪いを発動させるのだな。」



「はい――では失礼します。」



 そう言うと、第4の魔女マリはその場から消えて転移した。







 魔女と入れ替りに、ソーニャ王女が転移してきた。



「お話の内容は聞いていました。彼女はもう、呪いを発動させますね。リスボ火山の噴火にどのように対応したらよいのでしょうか。」



 大魔法師マーリンが苦しそうに言った。



「騎士カイロス様。聖剣クトネリシカで消していただいても―― 」



「噴火で災害が起きないようにすれば問題ありません。大魔法師様のお弟子さんだった方を消滅させることは避けたいと思います。」



 騎士カイロスは異世界転生前、神宮悟としての記憶を想い出した。



「たぶん、呪いは溶岩の流れとか岩石の噴出などでしょう。それらをなんとか魔法で止められないかと思います。ただ、ソーニャ王女様だけでは魔法の使い手が少ないかもしれません。」



「深慮の魔女レイラに聞いてみましょう。彼女ならば災害防止のことを深く綿密に考えることができるし、他の魔女に助けを求めるための仲介役になってくれるに違いありません。」







 ソーニャ王女は伝心魔法で、第4の魔女マリの呪いについて詳細をレイラに知らせた。



 数日後、王女の元にレイラから「お会いしたい」との連絡があった。



 2人は騎士カイロス、大魔法師マーリンも含め、王宮の王女の部屋のベランダで会うこととなった。







 ベランダの花前の前でみんながそろった。



 深慮の魔女レイラが言った。



「リスボ火山の噴火について、どのくらいの規模になるかわかりませんが、第4の魔女の力から推定すると過去最大になるのではないかと思います。これを見てください。」



 レイラが少し上の空間を右手で示し紋章を描くと、そこにはスクリーンのような物が現われた。



 やがて、映画のように巨大な岩石をたくさん噴出し、溶岩流が流れ出している映像が流れた。



 騎士カイロスが言った。



「大変な大災害になりますね。私が異世界転生する前の世界でも、火山の噴火には手のほどこしようがありませんでした。ただ、まず第⒈優先は、国民の非難を優先するということです。」



 大魔法師マーリンが告げた。



「第4の魔女が私の弟子だった頃から、彼女の魔力についhてはよく知っています。呪いが発動する時、彼女の魔力の流れは最大になるでしょう。ですから噴火の数時間前に国中に警告できると思います。」



 深慮の魔女レイラが言った。



「リスボ火山の噴火による被害を防ぐため、必要な力をもつ魔女達に助けを求めました。水の魔女、氷の魔女、それに炎の魔女の3人です。」



「水の魔女と氷の魔女の力は必要だと思いますが、なんで炎の魔女を? 」



「第4の魔女との競合になりますが、噴火が呼ぶ火、熱、炎をできる限り制御してもらうためです。」



「そうですか、それならば心強いですね。」



「みんなで力を合わせて1人も犠牲が出ないようにしましょう。」



 その場にいたみんながとても真剣な顔でうなずいた。







 数日後、その日がやってきた。



 水晶玉を使い、第4の魔女マリの魔力の流れを大魔法師マーリンが監視していた。



「あっ、いよいよ、呪いを発動させるのだな―― みなさん、後10分ほどです。」



 大魔法師は待機しているみんなに連絡した。



 既に火山の噴火の影響を受ける地域の住民は全て非難させていた。








 まず火山は巨大な噴石を噴き出した。



 これには、炎の魔女が対応した。



「火の妖精、炎の妖精、熱の妖精よ。遠くに飛ぶな。上空に飛び、すぐ下に落ちよ。」



 さらに炎の魔女は上空に火竜を何匹も飛ばし、巨大な噴石が遠くまで飛ばないようにした。



 この結果、噴石は火山から噴出後、火山の近辺に落ち被害はなかった。







 次に、リスボ火山は火口から溶岩流が流れ出した。



 溶岩流はやがて、人や動物の居住地帯に向けて流れていたが、やがて妨げられた。



 幅広く高い氷山のダムが立ちふさがった。



 水の魔女がたくさんの水竜に命じて水を供給した。



 そしてその水を氷の魔女ができるだけ低温になるよう冷やしたのであった。



 溶岩流は氷山を溶かしたが、水と氷の魔女が協力して氷の量を保持していた。



 やがて、火口からの溶岩の供給は途絶えた。



 溶岩流はその場で完全に冷却され、岩石に固まった。







 これらの防御について、やがて第4の魔女マリが知った。



「何!! 私の呪いの発動を炎、水、氷の魔女3人が妨げるなんて。。これではお師匠様に私の壮大な魔法による呪いの発動を見せられないじゃない!! もう実力行使するしかないわ」



 第4の魔女は、3人の魔女と戦おうとリスボ火山のそばに転移した。



 しかしそこには、既に騎士カイロスとソーニャ王女が待ち構えていた。



「あら、あなた方はなんでここにいるのですか―― そうか、わかった。お師匠様が私を監視しているのですね。今、発現した私の呪いは見事に防御され、呪いになっていません。あなた達のせいですか? 」



「ある意味ではそうですが、ある意味では違います。災害を防御したいと思ったのは私達ですが、その気持ちに炎、水、氷、そして深慮の魔女が強力してくれたのです。」



「私の呪いの発動を妨げるとは、4人もいたのではどうしようもないですね。ある意味では私は不運だった。自分のほんとうの力を発揮できないなんて!! 」



 第4の魔女が言ったことを聞いて、ソーニャ王女が厳しい口調で言った。



「あなたの言っていることはおかしいですよ。壮大な呪いをかけて巨大な災害を起こし、多くの人々を悲しみに落すことができなかったことを嘆いているなんて、最低です!! 」



 王女はさらに続けた。



「それほど巨大な魔力量があり、複雑な魔法を構築できるのはあなたしかありません。あなた以上の魔女はいないのですよ。自分に責任をもってください。」



「えっ、えっ、今なんて? 」



「あなた以上の魔女はいないと言ったのですよ。強い力をもつ者にはそれを何に使うのか大きな責任があるのです。これは大魔法師マーリン様も同じ意見のはずです。」





 

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