月の都の花嫁

城咲美月

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殿下の言葉に従い

ヤグーワイズさんをはじめとする

ヤグーワイズさんの妻であるマリーさんに
竜騎士達が揃っていた。

そこにはアルベルトさんの姿もある。

竜の宿舎からそう遠くない、竜騎士の談話室に
集まっていた。

見る限り、殿下、ヤグーワイズさんマリーさん
アルベルトさん

竜騎士が20数名。

その人数が入るには談話室は少々狭い。

殿下が口を開く。

「さて、皆が見た先程の出来事について箝口令を引く事にする。
それについては、月藜龍王の言葉にあった通りだ」

1拍置くと

「だが、奏さんが月藜龍王の姫だと言う事はこちらが時を見てタイミングを計らい告げる事にする」

「お待ちください!」

皆が一斉に私を見る。

「口を挟んだ事の無礼をお許しください」
「よい、」

後ろでルノーさんが心配そうな顔をする。

きっとその言葉は私宛てじゃなく、ルノーさんに宛てた言葉だろう。

目線がルノーさんを見ていたから。

「君の意見を聞こう」
その後、私に向き直る。

「殿下にお願いがあります。皇帝陛下、並びに后妃陛下には報告義務があるのは存じております。ですがこの出来事は周囲に知られたくありません。」

殿下の瞳が、私を射ぬくように見る。

「理由のひとつ、私はただの花嫁候補であり
不公平を無くす為。そしてこの事を知って良く思わない人がいると思います。その時私は、私なりの対処法で交わす事が出来ますが、物理面で自分を護る統べがありません」

そう、それに勢力図が変わるでしょうね。
主に殿下の周囲も。



「そうだな、君の意見は尤もだ。
君が言う通り陛下や后妃陛下には報告の義務がある。
その為、報告はさせて貰う
だが、龍の姫とここにいる者全員は把握している。
言わば、君は保護対象になる。つまりは
君はただの花嫁候補ではない。
万が一の事があっては龍王が赦さないだろう。
それにいつまでも隠しておく事は無理だ」

うんうん。と竜騎士の殆どの人が頷く。

そうだ、噂だ、人の口には戸を建てられない。

「はい、それについては承知しております。けれど....私は、.....。」

「あー殿下、話の途中いいかな?」

「アルベルトか、なんだ」

殿下の目線はアルベルトさんの方を向く。


 
「私からひとつアドバイスを」
「話せ」


アルベルトさんが口を開く。

「そんなにガチガチに固めなくてもいいんじゃないかな?
龍王も言ってたでしょう。゙我が身の回りの安全を保証する゙って」

「それはそうだが....」

「奏さん、龍王に貰ってたでしょう?」
「これですか?」

私の手のひらの中にあるモノ。


「そうそう、ソレ。ああ、見せなくていいよ
ちゃんと持っていて。」

アルベルトさんの言葉に頷く。


「その゙ソレ゙がどこまで効力あるかは知らないけど、
龍王と繋ぐモノ、なんだよね?」

「はい」

私が頷くと

「それにこうも言ってたね、龍王の発言から
゙龍の姫に危害加える者あらば、゙の部分だけど
ソレが護ってくれる。奏さんの危険を察知する能力はある、また何らかのバリア機能はある。こう考えられるけどね」とにっこり微笑むアルベルトさん。

「まだ目の前で効力を発揮した所をこの目で見たわけじゃあないけどね」の言葉も小声でポツリと漏らしたが。

アルベルトさん、色気の微笑み爆弾投下により
数名の竜騎士達が頬をピンク色に染める。

ちなみに殿下にも、ヤグーワイズさんもマリーさんも効果なし。

「ふむ、そう考えられるのが妥当か。」

「お?じゃあさ納得してくれたかい?」
「だが、保護対象には変わらん」
 

キッパリ言う殿下。

「だが、アルベルトが言う事も尤もだ
無視出来ない意見だ。だからこうしよう」

「奏さんの護衛は元々付ける事になっていた。その中に今回の事情を知る者を置いておく。人数が増える事になるが一人二人増えたとて変わらない。
それならば、不公平感は出ない。
少々狭い思いするが、これくらいなら許してくれるか?」

殿下の瞳が私を見る。

「はい、それくらいならば私に文句はありません。ありがとうございます」

「良かった。だがこれだけは頭の隅において貰いたい。
状況が変われば、自ずと君への評価も変わってくるだろう。その時は君の意向を待たずに話を得ざるなくなる。その時が来ないよう配慮し
もちろん君の意向をなるべく尊重したい。
いいだろうか?」

「はい、大丈夫ですその時は殿下の判断に任せます。
その言葉を聞けて安心しました、殿下ありがとうございます」

にっこり微笑む私に殿下は優しい瞳を向ける。

「話がまとまって良かったよ」とアルベルト

私は、アルベルトさんにも笑顔で応えた。


殿下がまた前を向くと


「それまでは各自、各々が気を引き締めて貰いたい」


話がまとまって良かった。

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