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初めての彼氏
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志望大学に無事合格した私は、入学する前にアルバイトをした。前から興味のあったファミリーレストランのウエイトレス。ピンクの制服がとても可愛くて、一度着てみたかったのだ。
同じファミリーレストランのパントリーにいたのが、星野くんだった。パントリーというのは、洗い場のこと。私たちウエイトレスがさげてきた食器やコップをきれいに洗うのが、パントリーの仕事である。
とても痩せていて、背丈は私と変わらないけど、はにかんだ笑顔が素敵なメガネ男子。
それが星野くんだった。
噂では、私と同い年で、やはり大学の新入生らしい。らしい、というのは、あいさつ以外にほとんど話さなかったからだ。
だから、大学のキャンパスで再会しなかったら、付き合うことはなかったと思う。
入学式の翌日、日当たりのよい噴水広場で、選択科目について考えている時だった。
「あれ、確か美潮さんだよね」
「え、星野くん。どうして?」
バッタリ出会ったので、人見知りをする暇もなかった。
聞けば、同じ大学で同じ学部だという。
偶然の不思議さというか、運命を感じたのは、星野くんが手にしていた文庫本だった。私が好きな作家の新作ミステリーである。何を隠そう、私も大学の購買部で買ってきたばかり。
バッグの中から取り出して見せると、星野くんは眼を丸くしていた。
運命を感じたのは私だけではない。後日、星野くんから交際を申し込まれた時、彼も運命的なものを感じた、と聞かされた。
星野くんは、お兄ちゃんとは全然ちがうタイプだった。女の子と間違えられるほど線が細くて、申し訳ないけれど男らしくはない。ただ、とても、とっても優しい。
星野くんは私を大切にしてくれる。私が嫌がることは絶対にしない。そう断言できる。
「いつも本ばかり読んでるし、女の子への興味は薄いんじゃないの?」
私たちの交際を知らずに、そんな風に言う男の子もいたけれど、決してそんなことはない。
私たちは付き合って1週間目に、しっかりキスしちゃったし、私のひかえめな胸だって触られたし、このままいけばそのうちHだって……。
正直に言うと、私は初めて。
どうやら、星野くんも初めてみたい。
二人とも初体験なので、少なからず不安がともなう。私はHのハウツー本に目を通し、しっかり予習を行った。(表紙は可愛いイラストだけど、買う時は恥ずかしくて、とても緊張した)
そして、その予習を活用する日がやってきたのだ。
同じファミリーレストランのパントリーにいたのが、星野くんだった。パントリーというのは、洗い場のこと。私たちウエイトレスがさげてきた食器やコップをきれいに洗うのが、パントリーの仕事である。
とても痩せていて、背丈は私と変わらないけど、はにかんだ笑顔が素敵なメガネ男子。
それが星野くんだった。
噂では、私と同い年で、やはり大学の新入生らしい。らしい、というのは、あいさつ以外にほとんど話さなかったからだ。
だから、大学のキャンパスで再会しなかったら、付き合うことはなかったと思う。
入学式の翌日、日当たりのよい噴水広場で、選択科目について考えている時だった。
「あれ、確か美潮さんだよね」
「え、星野くん。どうして?」
バッタリ出会ったので、人見知りをする暇もなかった。
聞けば、同じ大学で同じ学部だという。
偶然の不思議さというか、運命を感じたのは、星野くんが手にしていた文庫本だった。私が好きな作家の新作ミステリーである。何を隠そう、私も大学の購買部で買ってきたばかり。
バッグの中から取り出して見せると、星野くんは眼を丸くしていた。
運命を感じたのは私だけではない。後日、星野くんから交際を申し込まれた時、彼も運命的なものを感じた、と聞かされた。
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星野くんは私を大切にしてくれる。私が嫌がることは絶対にしない。そう断言できる。
「いつも本ばかり読んでるし、女の子への興味は薄いんじゃないの?」
私たちの交際を知らずに、そんな風に言う男の子もいたけれど、決してそんなことはない。
私たちは付き合って1週間目に、しっかりキスしちゃったし、私のひかえめな胸だって触られたし、このままいけばそのうちHだって……。
正直に言うと、私は初めて。
どうやら、星野くんも初めてみたい。
二人とも初体験なので、少なからず不安がともなう。私はHのハウツー本に目を通し、しっかり予習を行った。(表紙は可愛いイラストだけど、買う時は恥ずかしくて、とても緊張した)
そして、その予習を活用する日がやってきたのだ。
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