愛のしたたる果実【Ｒ１８】

Ｈの理想形②

「なるほどね。二人で模索するしかない、というわけか。いろいろ試してみて、自分たちのベストを探すんだね。自分だけで正解を追い求めていたから、その発想は僕には全然なかったな」

「うん、Ｈは二人でするものだから、二人で一緒に考えようと思うの」
「つまり、美潮さんと僕だけの理想形、ということだね」

　私はコクンと頷いた。マニュアルには絶対にのっていない、私たちの理想形である。

「その方は正直、助かるな。どうしたら、美潮さんが気持ちよくなってくれるか、僕の頭じゃ想像が追いつかない」
「あ、やっぱりそうなんだ。私も星野くんの好みとか、して欲しいことが全然わからないし、お互い様だったんだね」

　私は優しく抱いてほしいけど、星野くんに満足してもらいたい気持ちもある。だから、どうしたら気持ちいいか、どうしたら感じてもらえるのか、それを知りたかった。

　マイさんによると、男性の中には自分が満足することしか考えていないタイプがいるらしい。まるで、ケダモノみたいに荒っぽく女性を扱うとか。当然ながら、暴力的なＨになってしまう。
　それは私の理想形とは対極に位置するものだ。星野君にとっても対極だと思う。

「僕の理想形は、互いに気持ちよくて、心から満足できるＨかな」
　それは私も同じ考えだった。