夢みる乙女の5K仕事  ~ミルコのテレビ日記~

坂本 光陽

文字の大きさ
15 / 36

迷走リサーチ②

しおりを挟む

「豹堂さんのHPを拝見しました。除霊をなさっているんですね」
 副業霊能者は口元から、輝く白い歯をこぼれ落ちた。
「常連客と口コミでやってくる依頼だけね。ほら、インチキ霊能者とかに頼むと、後々が大変でしょ。その点、俺は自己流だけど、コストはかかっても飲み代程度だし、言ってみりゃ人助け、ボランティアみたいなもんよ」

 ふむふむ、あとは、徐霊の実力のほどを知りたいぞ。
 その時、店に駆け込んできたホステス風の女性から、運よく貴重な意見を聞くことができた。

 ホステスは兵藤につかみかかり、
「あんたの除霊、ちっとも効かないわよ! 家族全員、失業したり事故にあったりインフルエンザで寝込んだり、もう最悪なことばかり! このペテン師、私が買ってあげたアメ車、今すぐ返しなさいよ!」

 いやぁ、修羅場ってヤツ、初めて見たな。
 私は感心しながら、スナックを後にする。

 リストの4、5、6人目……、いろいろあったけど、結局、全滅。
 可能性の高い順に当たっているのに、残念ながら、成果ゼロです。
 落胆しました。一旦モチベーションが落ちると、何をする気も起こらない。自然と後ろ向きになります。

 やる気を出すために、妄想をかきたててみた。結城Pとのお忍び旅行をイメージしようとしたけれど、想像力が足らず、失敗に終わった。
 私は事務所に戻って、パソコンの前でダラダラと過ごした。
 イケメン霊能者を発掘できなければ、当然、叱責を受ける。
 毒島Dへの言い訳はどうしようか? 頭の中はそればかり。
 また、頭ごなしに叱られるのか。あーあ、気が重いよなぁ。

 そんな時、真希さんから昼食に誘われた。週の半分は通っている、近くの定食屋だ。私が注文を終えると、真希さんは早速、話を切り出した。

「で、イケメンはどうなったの?」
「いやぁ、八方塞はっぽうふさがりってやつです。どうすればいいでしょうか」
「どうすればいいでしょうかって、何を呑気な。ミルコ、あんた、自分のクビがかかってるの、わかってる?」

 え、どういうこと? 思わず、キョトンとする私。

「やっぱり、気づいてなかったか。そこまで、鈍感だったとはね。毎日事務所にいて、周囲の空気とか、何も感じていなかったと。危機感とか、まったく感じてなかったと、いうわけね」

 危機感って、まさか、クビになるってこと?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...