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迷走リサーチ①
しおりを挟む残念な結果になった以上、気を取り直して、他を当たるしかない。
霊能者もイケメンも一人きりじゃない。なに、考えようによっては、掃いて捨てるほどいるぞ。もっとも、最近、イケメンは目にしていないけど。
リストの二人目は、極楽院ミノルという自称「庶民派霊能者」。
HPの写真を見たけれど、大きい顎に、肩まで垂らした金髪。スケベったらしい垂れ眼は御愛嬌だ。見方によっては、イケメンという人もいるだろう。
いきなりだけど、まずは電話をかけてみた。御挨拶と御用件をそこそこに、
「今からうかがいたいのですが、御都合はいかがでしょうか?」と、切り出した。
ありがたくも、極楽院さんは「いつでも、どうぞ」と言ってくれた。
お、幸先いいぞ。ピンチの後にチャンスあり?
極楽院さんの事務所兼住居であるワンルームマンションは、新大久保にあった。駅から徒歩20分。幸い、道には迷わなかった。
私は深呼吸で気を落ち着かせ、静かにインターフォンを押す。
「先ほど電話をした者です。極楽院さんを訪ねてまいりました」
「いらっしゃい。いやぁ、あなたは運がいい。スケジュールがびっしりだったなのに、今しがた一段落したところです」
ドアを開けた方が、極楽院さん本人だと思わなかった。身体がパンパンにふくれ上がり、頭にはささやかな産毛しかない。スケベそうな垂れ眼だけが、写真撮影時のままだった。
「あの、お写真と印象が変わりましたね」
「ああ、HPの写真でしょ。あれって去年撮ったヤツだからね」
嘘吐き。
「すいません、私が人間違えをしたようです。本当にすいません」
私は頭を下げて、ドアを閉めた。
リストの三人目、豹堂邦明さんは、錦糸町で水商売をしていた。
名字の「豹堂」は、もちろん芸名で、「ヒョウドウ」と読む。スナックの名前は「ダークランド」。なるほど、内装は暗黒ムードたっぷりだ。
本業「やとわれ店長」、副業「霊能者」は、開店前の掃除中だった。
「いやぁ最近は、お水がすっかり本業になってんだけどさぁ」
豹堂さんの第一印象は、一言でいうと、長身のサーファー。日焼けした肌に、脱色した長髪。指にはカマボコリング。開いた胸元にゴールド・ネックレス。
うん、少し下品な顔つきだけど、イケメンといえなくもないぞ。
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