16 / 19
王様の失墜③
しおりを挟む私はずっと痛みを抱え続けてきた。
スーパーアイドルから受けた傷が治ることはなく、いつまでもジクジクと膿み続けてきた。傷と痛みは心の空洞を満たし、癒着して、すっかり私の一部と化している。
速水さんへの復讐を果たせたとしても、おそらく消え去ることはないだろう。
*
三原さんの投げ込んだ小石は、澱んだ池に大きな波紋を生み出した。
発端は、警視庁への匿名のタレコミだったらしい。その内容はまもなくマスコミへと伝わり、ニュース配信サイト、週刊誌、テレビ局が一斉に報じ始めた。
最初は不鮮明な写真だけだったが、やがて匿名の動画配信が始まり、マスコミは小出しにされるスキャンダルを争うように報じ始めた。
スーパーアイドルのさわやかな笑顔の裏側には、小学生男子を凌辱するケダモノが潜んでいたのだ。スキャンダルの衝撃度は、同時期の衆議院解散総選挙をはるかに上回った。
小学生男子に対する性的虐待は、立派な刑事事件である。
2017年7月、強姦罪という罪名は強制性交等罪に変更され、男性が男性に対して行う場合も盛り込み、さらに被害者の告訴がなくても公訴が提起できる非親告罪になったらしい。
万が一、公訴時効が成立していたとしても、罪名のインパクトを打ち消すことはできない。
スーパーアイドルが小学生男子を犯したスキャンダルは、速水誠を知らない人々まで巻き込んで、日本中を激しく揺るがした。
当然のことながら、マープロはマスコミ対応に追われた。
速水誠はすべての出演番組とCMを降板し、撮影中の映画やドラマも中止となった。当然のように、現場は大混乱。関係各所への違約金と賠償金を合わせると、数十億とも百億以上とも噂されている。
0
あなたにおすすめの小説
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる