いきなり最終話(クライマックス)

アルファ・D・H・デルタ

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一方その頃、カナとアルファ、ベータの三人は地下遺跡の中を走っていた。



「佳奈さん。本当にカナタの元へ、行かなくて良かったの?」



アルファはカナに問い掛けた。



「ええ、カナタとギルゴマの会話を聞いて確信したの。今の私が成すべき事は、魔王をどうにかすることよ。それとアルファさん、ベータさんも…どうか私の事はカナと呼び捨てで読んで貰えるかしら?」



カナはアルファとベータに向かって言った。



「分かったわカナ、私達の事もどうかアルファとベータと読んで貰えるかしら?」



アルファはカナにニコリと微笑み答えた。



それを見ていたベータはコクリと頷きながら、カナの芯の強さに感嘆の想いを抱いていた。



三人がこの地下遺跡に居るのは、カナタの施した結界魔法を破った直後に、カナが魔王の居場所について言及したからだ。









「私はこれから魔王の元に向かいます。みなさんはどうかカナタの元へと向かい、あいつを助けてあげて下さい」



頭を下げてお願いするカナに全員が驚いた。



「…何か、心当たりが?」



この言葉に真っ先に反応したのはベータだった。



「えぇ、先程からカナタとギルゴマが戦っている場所の丁度真下辺りから、ギルゴマへと力が流れているのを感じるわ。おそらくこれがギルゴマの力の根源。ギルゴマは魔王の力を利用しているに違いないわ」



カナは確信めいた断言をした。



「あの真下と言うと…例の古代遺跡の先でしょうか?」



カナの言葉にレーナが答えた。



「確かに、あの遺跡の奥にはまだ未探索の地下遺跡があったな」



ホレスが頷きながら言った。



「でも何故それが魔王の力だと断言できるのですか?」



アリシアが率直に聞いてきた。



「…そもそも今回の遠征軍は、何故この場所を決戦場に定めたのか知っているかしら?」



カナは全員に問い掛けた。



「…魔王がこの場所にいる。と貴女が断言したからだと聞いているわ。結果的にいたのはギルゴマだったみたいだけれど」



アルファが苦笑いしながら答えた。



「いいえ、ギルゴマはあとからこの場所に来ただけよ。魔王はやはりこの場所にいるわ。私が何者かに転移させられたのも、ギルゴマの仕業じゃない。恐らくは、魔王の仕業よ。…私を、呼んでいる。それが今の私には分かる」



カナは自信と決意を秘めた表情で言った。

これは単なるカンや希望的観測ではない、と誰もが分かった。

恐らくは魔王と勇者にしか分からない、共鳴の様な現象が起きているのだと予想された。



「魔王は救いを求めているわ。私には分かるの、まるで赤子の鳴き声のように、助けを求めている声が聞こえているのよ」



カナは覚悟を決めた顔をしていた。

それを見て、彼女を止めようとする声は誰も上げられなかった。



「案内する」



ベータが端的に言葉を述べた。

彼女もまた覚悟を決めた表情をしていた。



「そうね、あの遺跡に行くのなら案内役が必要なはずよ。私とベータが着いて行くわ」



アルファも迷いなく同意した。



「…これは酷く個人的な行動よ。いえ、これこそが私のエゴと言えるかもしれないわ。だから貴女達にはカナタの方へ行って貰いたのだけれど…」



カナは二人の申し出を断ろうとした。

しかし



「魔王をどうにかする事が、結果的にはカナタの助けになるのでしょう?ならば私達は一蓮托生よ」



アルファのこの一言に全員が頷き、方針が決まった。



「…時間が惜しいから、道中で今回の出来事の説明をするわ。ただ、本当に呆れるくらいに個人的な事情よ。勇者だなんて聞いて呆れるほどに自分勝手な話になるわ。それでも良いの?きっと貴女達は私に着いて来たことを後悔するわよ?」



カナはそう言い放った。



「貴女の護衛はカナタから頼まれた」



ベータが無表情な顔で答えた。



「ふふっ、ベータ。そんな憎まれ口を叩いても駄目よ。貴女には彼女の行動の意味が見えているのではなくて?」



アルファはベータを肘で突きながら笑って言った。

そしてアルファは檄を飛ばした。



「時間が惜しいわ。さあ、みんな行動開始よ!」



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