いきなり最終話(クライマックス)

アルファ・D・H・デルタ

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神眼能力保持者の宣言

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「三千世界に存在する数多の者達よ。我が言葉を聞け。命の輝きを見よ!」



カナタがその言葉を発した瞬間にギルゴマの顔色が変わった。



「馬鹿な、それは人の領分を超えた、禁忌とも言える破滅の言葉ですよ?!それが何を意味する言葉なのか貴方は理解しているのですか!?」



ギルゴマは初めて焦った表情で言葉を発した。



「別に、そんなに驚く程の事ではないだろう?単に管理者全員が、俺達に注目しただけの話だ」



カナタはどうという事もないといった態度でギルゴマに答えた。



その次の瞬間にシステムの声が響いた。



「あてんしょん。神眼能力保持者ノ宣言ガ行ワレマシタ、全テノ管理権限ヲ持ツ者ハ宣言者ニ注目シテ下サイ」



アルファはカナタの宣言を聞いて、驚いた顔をしていた。



「何を馬鹿な事をやっているの?!そんなモノに頼らなくても、私達はギルゴマを圧倒しているわ!このまま、身動きの取れないギルゴマを倒すことだって、可能でしょう?!」



アルファが悲痛な声で叫んだ。



「いや、残念ながら無理だ。そうなんだろう?ベータ?」



カナタはベータに向かって聞いた。いや、カナタは聞いたのでは無く。単に確認しただけだった。



「…私達はギルゴマの動きを封じただけ。私達の力ではギルゴマを倒す事は出来ない」



ベータは不機嫌そうに答えた。



現在ギルゴマの動きを封じられているのは、単にギルゴマが宣誓によってカナタ以外の者を殺さないように手加減をしているからだ。



もし、ギルゴマがシステムからの制裁を厭わずに、攻撃を仕掛けてきたならば、この有利な態勢など簡単にひっくり返されてしまう。



この一見、ギルゴマを圧倒しているかのような状況は、そんな薄氷の上を歩くような状態でしかなかったのだ。



そして、カナタ達にギルゴマへ止めを刺す手段がない限り、この薄氷はいつでもギルゴマの意思によって踏み抜かれる事を意味する。





「そんな、やっとここまで辿り着いたのに…」



レーナが呆然とした表情で言った。



「おいおい、嘘だろう?この状況でも、まだ倒す事は不可能なのかよ」



ホレスも呆れた表情で言った。



「で、でも教官にはちゃんと解決策があるんですよね?」



アリシアは淡い期待を抱いた表情で言った。



「残念ながら、何の犠牲もなくギルゴマを倒す方法は無い。だが…」



カナタは全員の顔を一度見渡して息を吐いた。



「たった一人の犠牲で、この戦いの終止符を打つ事は可能だ」



カナタがそう言った瞬間にパーティーメンバー達は息を飲んだ。



そして全員の顔を見たカナタはフッと笑い、小さな声で「みんな、今までありがとう」そう言って目を閉じた。

その次の瞬間。



「我は求め訴える。如何なる存在すら滅ぼす力を!その代償としてこの命を捧げる事を誓う!」



カナタはカッと目を見開き、ついに最後の言葉を言った。

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