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関係
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「え!いつの間にそんなことになってたの!?」
翌日、ちょうど2時間目が終わった教室での休み時間。那月は明衣に中庭でのことを話していた。元々、彩世がたまに来ているというのは話していたが、ここまで会話できるようになったことはまだ言っていなかったから。
明衣はそれを聞き、いつものようにフードを被ったまま驚きのあまり仰け反っている。
「びっくり!でも、よかったじゃん!最初出会った時はどうなるかと思ったけど、そこまで慣れてきてさ!」
「う、うん…」
「やっぱり那月の本能が言ってるんだよ!彩世先輩は大丈夫って!だから心開けてきたんじゃない!?」
嬉しそうにする明衣を前に、頬杖をつきながら那月はふと思い返した。あの時、彩世に助けてもらってからここまで話せるようになって。名前も覚えてもらった。那月が男が怖いということもバカにせず、分かってくれている。よく中庭で会うようになった。
この関係はなんというのだろう。
一言で言えば、ただの先輩後輩。でも那月にとっては明衣の他に初めてできた理解者であり、男性であり少しずつ心を開ける存在。
じゃあ彩世にとっては?那月と会うことに理由はないと言っていたし、中庭に来たいだけだとも言っていた。じゃあ、やはり自分は彩世にとってなんでもないのか。
初めは、からかいはしなくとも、物珍しい自分に興味があるのかと思った。だけどそれも違うように見える。
こんな風に考えたのは初めてだ。幼少期から男性に対して恐怖心しか抱いていなかったのに、相手に恐怖以外の感情を持ち始めているようで。
「あっ!噂をすれば風紀委員だよ、廊下!」
「え…」
「ほらほら歩いてきた、やば!あたし隠れる!」
明衣が慌てて那月の影に隠れた後、廊下を見ると風紀委員の先輩達が歩いてきた。初めて見た時と同じで見回りをしているらしい。
先頭の女の先輩に続いて、後から1人男子生徒が姿を見せる。
一一一あ、彩世先輩だ…。
よく会ってはいるが、2人は木を挟んで座っているからいつも顔は合わせていない。しっかり顔を見たのはだいぶ久しぶりだ。だが、鮮明にその表情は那月の頭の中に刻まれていた。
じっとその姿を見ていると、彩世もこちらに気付いて振り向く。その視線が合わさった時、那月の心臓は跳ね上がったが、まるで時間が止まったかのように顔を背けることができない。
それに、前とは違う。目が合っても背筋が凍って体が震えることはなかった。
「……あ、」
彩世はそんな那月を見て少し口角を上げると、またすぐ前を向き歩いて行く。一瞬の出来事だったが、那月は目を離せずにいた。
「ねぇ、那月もう行った?」
「…うん。行ったよ」
「ふー、危なかった!さすがにもう何回目って感じだし、没収されると辛いからさ」
「…あのさ、明衣」
「ん?」
「僕、先輩のこと怖いだけじゃなさそうって言ったけど…ある意味怖いかも」
「え!なに!?どういうこと?慣れてきたんでしょ?」
「…なんて言うか、彩世先輩を見ると僕をどう思ってるのって…、また来てくれるのかなって…怖くなる」
その拙い表現に、明衣はポカンと口を開けて佇む。そしてハッとしたように薄ら笑いを浮かべてしゃがみ、那月の顔を覗き込んだ。
「それってさ…なになに?もしかして…恋とか!?」
「…え?」
「向こうが自分をどう思ってるか気になったり、会えるかなって思うのなんて恋しかなくない!?恐怖の対象から、まさか恋の相手になるなんて…どっかのファンタジードラマか!!」
そう早口で言いながら、ほぼ興奮状態でじたばたする明衣にポカポカ体を叩かれる那月。だが、そこから感じる温度差に眉を歪ませた。
一一一恋って、よく学校とか町で見かけるカップルがしてる事だよね?でもあんな風に体くっつけたりおしり触ったりとか、したいと思わないし想像できない。きっと相手に触りたいとか、早く会いたいって思うのが恋だよね?
「それはない…な。うん、恋ではないよ。そもそも僕と先輩は男だし、それ以前に触るとか無理だし…そう思えないし」
「那月は恋した事あるの?」
「え、ないけど…」
「じゃあ、まだ分かんないよね~。そういう概念とか今までの自分をひっくり返しちゃうのが恋なんだよ?ふふっ」
一一一ひっくり返す…?どうやって?
「背負い投げ…的なこと?」
「違う!!」
翌日、ちょうど2時間目が終わった教室での休み時間。那月は明衣に中庭でのことを話していた。元々、彩世がたまに来ているというのは話していたが、ここまで会話できるようになったことはまだ言っていなかったから。
明衣はそれを聞き、いつものようにフードを被ったまま驚きのあまり仰け反っている。
「びっくり!でも、よかったじゃん!最初出会った時はどうなるかと思ったけど、そこまで慣れてきてさ!」
「う、うん…」
「やっぱり那月の本能が言ってるんだよ!彩世先輩は大丈夫って!だから心開けてきたんじゃない!?」
嬉しそうにする明衣を前に、頬杖をつきながら那月はふと思い返した。あの時、彩世に助けてもらってからここまで話せるようになって。名前も覚えてもらった。那月が男が怖いということもバカにせず、分かってくれている。よく中庭で会うようになった。
この関係はなんというのだろう。
一言で言えば、ただの先輩後輩。でも那月にとっては明衣の他に初めてできた理解者であり、男性であり少しずつ心を開ける存在。
じゃあ彩世にとっては?那月と会うことに理由はないと言っていたし、中庭に来たいだけだとも言っていた。じゃあ、やはり自分は彩世にとってなんでもないのか。
初めは、からかいはしなくとも、物珍しい自分に興味があるのかと思った。だけどそれも違うように見える。
こんな風に考えたのは初めてだ。幼少期から男性に対して恐怖心しか抱いていなかったのに、相手に恐怖以外の感情を持ち始めているようで。
「あっ!噂をすれば風紀委員だよ、廊下!」
「え…」
「ほらほら歩いてきた、やば!あたし隠れる!」
明衣が慌てて那月の影に隠れた後、廊下を見ると風紀委員の先輩達が歩いてきた。初めて見た時と同じで見回りをしているらしい。
先頭の女の先輩に続いて、後から1人男子生徒が姿を見せる。
一一一あ、彩世先輩だ…。
よく会ってはいるが、2人は木を挟んで座っているからいつも顔は合わせていない。しっかり顔を見たのはだいぶ久しぶりだ。だが、鮮明にその表情は那月の頭の中に刻まれていた。
じっとその姿を見ていると、彩世もこちらに気付いて振り向く。その視線が合わさった時、那月の心臓は跳ね上がったが、まるで時間が止まったかのように顔を背けることができない。
それに、前とは違う。目が合っても背筋が凍って体が震えることはなかった。
「……あ、」
彩世はそんな那月を見て少し口角を上げると、またすぐ前を向き歩いて行く。一瞬の出来事だったが、那月は目を離せずにいた。
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「ふー、危なかった!さすがにもう何回目って感じだし、没収されると辛いからさ」
「…あのさ、明衣」
「ん?」
「僕、先輩のこと怖いだけじゃなさそうって言ったけど…ある意味怖いかも」
「え!なに!?どういうこと?慣れてきたんでしょ?」
「…なんて言うか、彩世先輩を見ると僕をどう思ってるのって…、また来てくれるのかなって…怖くなる」
その拙い表現に、明衣はポカンと口を開けて佇む。そしてハッとしたように薄ら笑いを浮かべてしゃがみ、那月の顔を覗き込んだ。
「それってさ…なになに?もしかして…恋とか!?」
「…え?」
「向こうが自分をどう思ってるか気になったり、会えるかなって思うのなんて恋しかなくない!?恐怖の対象から、まさか恋の相手になるなんて…どっかのファンタジードラマか!!」
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「じゃあ、まだ分かんないよね~。そういう概念とか今までの自分をひっくり返しちゃうのが恋なんだよ?ふふっ」
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