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大丈夫だよ
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那月は唇を強く噛みしめながら何とか泣くのを堪え、その後の授業は乗り切った。その間、男子達は大人しくしていたものの那月に対しての視線や言動は冷ややかなものだった。
「篠井って陰キャすぎね?」
「やっぱ他の奴も言ってたけど、キョドり方ウケるってか、きもいよな」
「きもい」「うざ」こんな言葉は聞き慣れていたはずなのに。希望が見えかけていたせいもあり、まだまだお前はダメなんだと奈落に突き落とされた感覚がして、言葉がいつもよりダイレクトに胸に突き刺さる。
「那月!大丈夫だった?さっき…」
そしてようやく授業が終わって教室へ帰る時。明衣が眉を下げながら駆け寄ってきた。那月はできるだけ心配かけないようにと、精一杯の笑顔を見せる。
「大丈夫だよ!怪我もしてないし!ごめんね、ビックリさせて…」
「那月…、やっぱり、あいつらに何かされたの?…」
「ああ!大丈夫だって、何もされてないよ。本当に僕が驚いて勝手にフラスコ落としただけだから…」
「明衣ー!どこー?片付け早くやっちゃお!うちら当番なんだから」
その時、他の女子の呼びかけに気付いた那月は明衣を戻るように促した。
「明衣、呼ばれてるよ!ほら…」
「いや、でも…!」
「僕は本当に大丈夫だから。ね?」
一一一また明衣に心配かけちゃったな。いつもいつも、守ってくれて心配してくれて…。僕も早く変わって、強くなりたいのに…。上手くいかない。
「だから行って行って!遅いと怒られちゃうよ。僕、今日も昼は中庭行ってくるから大丈夫だからね」
「…うん、分かった。また後でね!」
「はーい!」
手を振って化学室へ入る明衣を見送った那月は、教室へ帰り弁当を手に取る。そして一目散にいつもの場所へと向かった。
「…はぁ、はぁ」
勢いよく中庭に入っていつものベンチへと腰かける。チラッと隣を見ると、いつものように木の影から足が見えていない。
一一一そっか、今日は彩世先輩いないんだ。
こんな落ち込んだ時に、いつも安らぎに来ていた場所。前は男性がいたら安らぐことなんて出来なかったのに、今となっては彩世がいないことに肩を落としてる自分がいる。
「えっ…」
それに気付いた那月は、信じられないと言った表情でボーッと膝の上に置いた弁当箱を眺めた。そして風と共に大きめの独り言が口から溢れていく。
「…僕、今なんで。先輩がいないからって、ちょっと…ガッカリ…」
「先輩って、俺のこと?」
「…え?!!!うっ、わぁぁぁ!!!」
その独り言に、まさか返答が返ってくるなんて思いもしていなかった。誰もいないと思い込んでいたんだから。那月は0.5秒ほど遅れてから驚きひっくり返った。
「え、せ、せ、先輩…いつ、から…」
「さっきから」
誰もいないと思い込んでいた木の向こう側に、彩世はさっきから居たらしい。足が見えなかったのは、ベンチに寝っ転がってでもいたせいだろうか。いつの間にか座っている彩世の足が組まれて見えた。
一一一気付かなかった…!というか、思い切り独り言聞かれてた!!僕なんて言った?!
1人くしゃくしゃと頭を抱えあたふたする那月を他所に、彩世は大きくあくびをした。
「……あ、そのっ、ねっ…寝てた、んですね?」
一一一そうだ、話題変えよう。僕の変な独り言で気分が悪くなったかもしれないし…!
「篠井って陰キャすぎね?」
「やっぱ他の奴も言ってたけど、キョドり方ウケるってか、きもいよな」
「きもい」「うざ」こんな言葉は聞き慣れていたはずなのに。希望が見えかけていたせいもあり、まだまだお前はダメなんだと奈落に突き落とされた感覚がして、言葉がいつもよりダイレクトに胸に突き刺さる。
「那月!大丈夫だった?さっき…」
そしてようやく授業が終わって教室へ帰る時。明衣が眉を下げながら駆け寄ってきた。那月はできるだけ心配かけないようにと、精一杯の笑顔を見せる。
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「明衣、呼ばれてるよ!ほら…」
「いや、でも…!」
「僕は本当に大丈夫だから。ね?」
一一一また明衣に心配かけちゃったな。いつもいつも、守ってくれて心配してくれて…。僕も早く変わって、強くなりたいのに…。上手くいかない。
「だから行って行って!遅いと怒られちゃうよ。僕、今日も昼は中庭行ってくるから大丈夫だからね」
「…うん、分かった。また後でね!」
「はーい!」
手を振って化学室へ入る明衣を見送った那月は、教室へ帰り弁当を手に取る。そして一目散にいつもの場所へと向かった。
「…はぁ、はぁ」
勢いよく中庭に入っていつものベンチへと腰かける。チラッと隣を見ると、いつものように木の影から足が見えていない。
一一一そっか、今日は彩世先輩いないんだ。
こんな落ち込んだ時に、いつも安らぎに来ていた場所。前は男性がいたら安らぐことなんて出来なかったのに、今となっては彩世がいないことに肩を落としてる自分がいる。
「えっ…」
それに気付いた那月は、信じられないと言った表情でボーッと膝の上に置いた弁当箱を眺めた。そして風と共に大きめの独り言が口から溢れていく。
「…僕、今なんで。先輩がいないからって、ちょっと…ガッカリ…」
「先輩って、俺のこと?」
「…え?!!!うっ、わぁぁぁ!!!」
その独り言に、まさか返答が返ってくるなんて思いもしていなかった。誰もいないと思い込んでいたんだから。那月は0.5秒ほど遅れてから驚きひっくり返った。
「え、せ、せ、先輩…いつ、から…」
「さっきから」
誰もいないと思い込んでいた木の向こう側に、彩世はさっきから居たらしい。足が見えなかったのは、ベンチに寝っ転がってでもいたせいだろうか。いつの間にか座っている彩世の足が組まれて見えた。
一一一気付かなかった…!というか、思い切り独り言聞かれてた!!僕なんて言った?!
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「……あ、そのっ、ねっ…寝てた、んですね?」
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