67 / 94
6
衝突
しおりを挟む
「あっそー、ならいいや。もっかい電話しよ」
夏希はそれを聞くと、貼り付けていた笑顔をスっと無くし2人に興味も示さずそっぽを向いた。
「……あ、あの!」
「なにー?」
「そ、その…彩世先輩は、夏希さんが、来ることを知ってるんですか?」
「那月…?」
那月の咄嗟に出た質問に、明衣は首を傾け夏希は不機嫌そうに振り返る。
「……は?」
一一一今までの2人の不穏な空気感とか、先輩の元気がない時とか、独占欲のマークとか…やっぱり何かある気がする。ただの幼なじみってだけではない…。
「君に関係なくない?」
「…あっ、そ、それは、そうです、けど」
「なんなの?俺達のことに首突っ込まないでくれる?仲良くしないでって前に言ったのに、家にまで呼んでるしさ」
「えっ…!」
一一一なんで夏希さんが僕の家に先輩が来たこと知ってるんだ…!?先輩が言ってたのって、僕の家から出たとこを夏希さんに見られたってこと?
「あれは…!僕が熱を出してたまたま先輩が付き添ってくれただけで…、そもそも、なんで僕の家を…」
「あの日いろに会いたくて学校まで来た時、男の子とタクシーに乗るとこが見えたから追いかけた。それに出てきた家の表札が篠井だったし。最近把握してる中でその名字は君だけだったからさ。あ!あの中庭で会うだけの関係の篠井くんだ!って分かった」
「……っ」
一一一僕が熱を出した日に来たってこと?確かまだ授業がある時間だったけど…。前みたいに抜け出してきたのかな。確かに熱量がすごい。
ていうか、中庭で会うだけの関係って…あの時はあまりピンとこなかったけど今は嫌だ…。
「なにその顔?不服そうだね?」
「…っな、夏希さんは、先輩のことを、そのどう思っ…」
「え?いろをどう思ってるか?いろは俺のものだよ」
「え…」
「いろだけが俺を分かってくれてる。どんな俺も受け入れてくれて傍にいてくれた人だから。いろだけ居てくれればいい。他の奴はいらないし嫌い。だから君のことも嫌い」
「……っ」
「ちょっといろに優しくされたからって、思い上がらないでくれる?男怖いんでしょ?じゃあそのままでいなよ。ちょっかいかけないで」
怪しげな笑顔を近付け、那月を威圧する夏希。その様子に、さすがに黙っていた明衣も「ちょっと」と声を上げた。
「あーはいはい。君はいいね?女の子のオトモダチまでいてくれてさ」
「…っあの」
「俺には周りに誰もいなかった。親も友達もみんな…俺から離れていった。いろしか居ないんだよ。でも君はいいじゃん、周りに人がいるならいろが居なくても」
「僕は…っ、先輩を…」
「だから、思い上がるなって。いろは残酷なくらい誰にでも優しいんだよ?特別なのは俺だけ。あとはみーんな一緒なの」
一一一それ、残酷なくらい優しいって…前に先輩も自分のことそう言ってた。「俺の優しさは残酷なんだって」って…。
「ざ、残酷なんかじゃない…!」
「は?」
「せ、先輩の優しさは温かくて、それに誰にでも優しくできるって…す、すごいことだから…!僕も感謝しきれないくらい助けてもらえたんだ…!残酷じゃない!」
夏希がチッと舌打ちをした時、3人の不穏な空気に気付いた運動部の顧問であろう教師がこちらへ歩み寄ってきた。喧嘩だと思ったのだろう。「おい、君達何やってる?」と声を張り上げる。
「あーめんどくさ。じゃあね~、いろ今日も俺の家に来てくれるはずだし、連絡してみる。ばいばーい」
そう言って夏希は教師が来る前にさっさとその場を離れていった。
「何今の金髪…、感じ悪いんだけど!?いろって彩世先輩のことでしょ?どういう関係なの?」
「…今の、夏希さんは先輩の幼なじみで僕達と同い年。よく先輩に会いに来てて、喧嘩してたみたいで…」
「うーん、あの感じただの幼なじみじゃないわ。聞いてて執着が半端ないもん。あの子、先輩のこと好きなんじゃない?」
「やっぱり…、僕もそうかなって思った…」
一一一中庭に来た時よりも、激しく嫌われてたというか牽制された…。でも、なんだろう。怒ってたと思うのに少し悲しそうな表情に見えた。
周りに誰もいなかったって…先輩だけがいてくれたっていうの…もしかしたら、僕みたいに過去に何かあったのかな。
夏希はそれを聞くと、貼り付けていた笑顔をスっと無くし2人に興味も示さずそっぽを向いた。
「……あ、あの!」
「なにー?」
「そ、その…彩世先輩は、夏希さんが、来ることを知ってるんですか?」
「那月…?」
那月の咄嗟に出た質問に、明衣は首を傾け夏希は不機嫌そうに振り返る。
「……は?」
一一一今までの2人の不穏な空気感とか、先輩の元気がない時とか、独占欲のマークとか…やっぱり何かある気がする。ただの幼なじみってだけではない…。
「君に関係なくない?」
「…あっ、そ、それは、そうです、けど」
「なんなの?俺達のことに首突っ込まないでくれる?仲良くしないでって前に言ったのに、家にまで呼んでるしさ」
「えっ…!」
一一一なんで夏希さんが僕の家に先輩が来たこと知ってるんだ…!?先輩が言ってたのって、僕の家から出たとこを夏希さんに見られたってこと?
「あれは…!僕が熱を出してたまたま先輩が付き添ってくれただけで…、そもそも、なんで僕の家を…」
「あの日いろに会いたくて学校まで来た時、男の子とタクシーに乗るとこが見えたから追いかけた。それに出てきた家の表札が篠井だったし。最近把握してる中でその名字は君だけだったからさ。あ!あの中庭で会うだけの関係の篠井くんだ!って分かった」
「……っ」
一一一僕が熱を出した日に来たってこと?確かまだ授業がある時間だったけど…。前みたいに抜け出してきたのかな。確かに熱量がすごい。
ていうか、中庭で会うだけの関係って…あの時はあまりピンとこなかったけど今は嫌だ…。
「なにその顔?不服そうだね?」
「…っな、夏希さんは、先輩のことを、そのどう思っ…」
「え?いろをどう思ってるか?いろは俺のものだよ」
「え…」
「いろだけが俺を分かってくれてる。どんな俺も受け入れてくれて傍にいてくれた人だから。いろだけ居てくれればいい。他の奴はいらないし嫌い。だから君のことも嫌い」
「……っ」
「ちょっといろに優しくされたからって、思い上がらないでくれる?男怖いんでしょ?じゃあそのままでいなよ。ちょっかいかけないで」
怪しげな笑顔を近付け、那月を威圧する夏希。その様子に、さすがに黙っていた明衣も「ちょっと」と声を上げた。
「あーはいはい。君はいいね?女の子のオトモダチまでいてくれてさ」
「…っあの」
「俺には周りに誰もいなかった。親も友達もみんな…俺から離れていった。いろしか居ないんだよ。でも君はいいじゃん、周りに人がいるならいろが居なくても」
「僕は…っ、先輩を…」
「だから、思い上がるなって。いろは残酷なくらい誰にでも優しいんだよ?特別なのは俺だけ。あとはみーんな一緒なの」
一一一それ、残酷なくらい優しいって…前に先輩も自分のことそう言ってた。「俺の優しさは残酷なんだって」って…。
「ざ、残酷なんかじゃない…!」
「は?」
「せ、先輩の優しさは温かくて、それに誰にでも優しくできるって…す、すごいことだから…!僕も感謝しきれないくらい助けてもらえたんだ…!残酷じゃない!」
夏希がチッと舌打ちをした時、3人の不穏な空気に気付いた運動部の顧問であろう教師がこちらへ歩み寄ってきた。喧嘩だと思ったのだろう。「おい、君達何やってる?」と声を張り上げる。
「あーめんどくさ。じゃあね~、いろ今日も俺の家に来てくれるはずだし、連絡してみる。ばいばーい」
そう言って夏希は教師が来る前にさっさとその場を離れていった。
「何今の金髪…、感じ悪いんだけど!?いろって彩世先輩のことでしょ?どういう関係なの?」
「…今の、夏希さんは先輩の幼なじみで僕達と同い年。よく先輩に会いに来てて、喧嘩してたみたいで…」
「うーん、あの感じただの幼なじみじゃないわ。聞いてて執着が半端ないもん。あの子、先輩のこと好きなんじゃない?」
「やっぱり…、僕もそうかなって思った…」
一一一中庭に来た時よりも、激しく嫌われてたというか牽制された…。でも、なんだろう。怒ってたと思うのに少し悲しそうな表情に見えた。
周りに誰もいなかったって…先輩だけがいてくれたっていうの…もしかしたら、僕みたいに過去に何かあったのかな。
10
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
ある日、人気俳優の弟になりました。2
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。穏やかで真面目で王子様のような人……と噂の直柾は「俺の命は、君のものだよ」と蕩けるような笑顔で言い出し、大学の先輩である隆晴も優斗を好きだと言い出して……。
平凡に生きたい(のに無理だった)19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の、更に溺愛生活が始まる――。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる