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牽制
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ピリついた雰囲気を受け流していた彩世も、さすがにその言葉には思わず食いついてしまったようだ。相野はそれを横目で感じながら、黙々と作業を進める。
「そうだね…。急にそんなこと言うなんて…ナツくんと仲良いんだね」
「はい。でも話したのは最近ですけど、だいぶ心を開いてくれた感じがしますね」
「そっか」
「先輩は、知ってるんですか?」
「何を?」
「篠井くんは、男の人が怖いってこと」
彩世はその質問にピクッと手を止める。相野はそれを見ながら、しゃがみこんで次の飾りを手に取った。
「…知ってるよ」
「そうですか…。本当に仲良いんですね」
「それは君もでしょ?ナツくんから聞いてるんだったら」
この空間だけ音が鳴っていないような意識の中、2人は固唾を飲む。お互いがお互いを牽制しているようだ。
「なんで篠井くんが男の人を怖くなったか、理由は聞いてないんですか?」
そして相野はまた彩世が反応を示しそうな質問を吐き出す。
「理由は聞いてない。無理に話さなくていいよって前に言ったから。話してくれるまで無理に聞き出さないよ」
「へぇ…」
「それにしても、君はナツくんのことすごく好きなんだね?さっきからナツくんの質問ばっかり」
「まあ、はい…」
「俺と初めて話した時は全然だったから…そんな友達ができて良かったって思うよ」
立ち上がった相野は真っ直ぐ彩世の方を見つめて、それまで合わなかった視線を初めて交わす。何か抑えきれない感情を殺すような目をしながら。
そしてぽつりと零すように呟いた。
「好きです、篠井くんのこと」
「……え」
「友達としてじゃなくてです」
「…それは、恋愛の方ってこと?」
「はい」
彩世はその目線を逸らさないまま、相野の方へ体を向けた。なんで自分に言うのか、と思ったのと同時に「やっぱりそうか」と納得もしていた。
何となく自分に対して敵対心は感じ取ってはいたが、これで確証に変わったと。
「わざわざ俺に宣言するって…そういうこと?」
「先輩の篠井くんを見る目も…俺と同じだと思いました。違いますか?」
「…じゃあ、宣戦布告ってことかな?」
「そうしたいんですけど…、俺のせいなんです。篠井くんがああなって苦しんでたのは」
「君のせい…?どういうこと?」
相野はぎゅっと手を握りしめ、何かを思い出したような苦しそうな表情を見せる。
「俺のせいだから、ああなってしまった篠井くんのそばにいて支えたいし守りたい。責任をとりたいんです」
「…え?」
「突っぱねられても拒否されても…今度こそ俺が篠井くんを守りたい。でも篠井くんを苦しめた分際で、先輩に宣戦布告なんてできません。ただ言っておきたかったんです。やっぱり好きだから…他の男に渡したくなかったから」
ちょうどそのタイミングで、委員会の先輩が2人の元へ駆け寄ってきた。準備がだいぶ進んだから相野に1年生の方へ戻っていいという知らせだった。
相野はそれを聞き彩世に頭を下げると、那月の元へ走り出していく。
「…彼もナツくんを」
「そうだね…。急にそんなこと言うなんて…ナツくんと仲良いんだね」
「はい。でも話したのは最近ですけど、だいぶ心を開いてくれた感じがしますね」
「そっか」
「先輩は、知ってるんですか?」
「何を?」
「篠井くんは、男の人が怖いってこと」
彩世はその質問にピクッと手を止める。相野はそれを見ながら、しゃがみこんで次の飾りを手に取った。
「…知ってるよ」
「そうですか…。本当に仲良いんですね」
「それは君もでしょ?ナツくんから聞いてるんだったら」
この空間だけ音が鳴っていないような意識の中、2人は固唾を飲む。お互いがお互いを牽制しているようだ。
「なんで篠井くんが男の人を怖くなったか、理由は聞いてないんですか?」
そして相野はまた彩世が反応を示しそうな質問を吐き出す。
「理由は聞いてない。無理に話さなくていいよって前に言ったから。話してくれるまで無理に聞き出さないよ」
「へぇ…」
「それにしても、君はナツくんのことすごく好きなんだね?さっきからナツくんの質問ばっかり」
「まあ、はい…」
「俺と初めて話した時は全然だったから…そんな友達ができて良かったって思うよ」
立ち上がった相野は真っ直ぐ彩世の方を見つめて、それまで合わなかった視線を初めて交わす。何か抑えきれない感情を殺すような目をしながら。
そしてぽつりと零すように呟いた。
「好きです、篠井くんのこと」
「……え」
「友達としてじゃなくてです」
「…それは、恋愛の方ってこと?」
「はい」
彩世はその目線を逸らさないまま、相野の方へ体を向けた。なんで自分に言うのか、と思ったのと同時に「やっぱりそうか」と納得もしていた。
何となく自分に対して敵対心は感じ取ってはいたが、これで確証に変わったと。
「わざわざ俺に宣言するって…そういうこと?」
「先輩の篠井くんを見る目も…俺と同じだと思いました。違いますか?」
「…じゃあ、宣戦布告ってことかな?」
「そうしたいんですけど…、俺のせいなんです。篠井くんがああなって苦しんでたのは」
「君のせい…?どういうこと?」
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「俺のせいだから、ああなってしまった篠井くんのそばにいて支えたいし守りたい。責任をとりたいんです」
「…え?」
「突っぱねられても拒否されても…今度こそ俺が篠井くんを守りたい。でも篠井くんを苦しめた分際で、先輩に宣戦布告なんてできません。ただ言っておきたかったんです。やっぱり好きだから…他の男に渡したくなかったから」
ちょうどそのタイミングで、委員会の先輩が2人の元へ駆け寄ってきた。準備がだいぶ進んだから相野に1年生の方へ戻っていいという知らせだった。
相野はそれを聞き彩世に頭を下げると、那月の元へ走り出していく。
「…彼もナツくんを」
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