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2 動乱の始まり編
066 レムオン=クリストバインという男3
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大敗を喫したシュバルツバルト軍にとって、兄カイルはいわば戦犯であった。本人は戦死したゆえその罪を追求しようがないが、クリストバイン家に対して何かしらの咎めがあってもおかしくはない。しかしカイルの罪を公にすれば、カイルを用いた軍上層部や作戦のまずさをあげつらわれることになるため、それは巧妙に回避されたのである。
ともかくも、兄の死はレムオンの運命を大きく変えることになった。兄が生きていれば、レムオンは緩慢《かんまん》な死を迎えるだけの人生だったかもしれない。だが、兄に代わりレムオンはクリストバイン家を相続し当主となった。レムオン自身にとって果たしてそれが良かったのかどうか、本人は黙してそのことについて語ることはなかった。
ただし家を継いだレムオンの置かれた環境は、甘いものではなかった。まず家中のレムオンを見る目は以前とそれほど変わっていなかった。当主となったことであからさまに批判することはなくなったが、親類縁者は依然としてレムオンを無能な日陰ものと見ていた。
カイルの失態は公表されていなかったため、皮肉にもカイルは死んでむしろ評価を上げていたのである。心ないものは「カイルの代わりにお前が死ねばよかったのだ」とレムオンを理不尽に責めた。
一方シュバルツバルト軍のレムオンを見る目も、非情に冷たいものであった。レムオンには何も罪はない、そう理性的に彼を擁護するものは少数派であった。戦犯の弟として、その一挙手一投足が冷ややかな注目を浴びたのである。
しかしそのような家中や国内の冷笑を、レムオンは意に介すことはなかった。22歳までずっと周囲の冷笑に耐えて生きてきたのである。今さらその程度のことが加わったことで、とくに変わることはなかった。
ただ、家中の者たちはレムオンを、いやクリストバイン家の行く末を心配した。レムオンが道を間違えクリストバイン家が断絶すれば、自分たちが生活の基盤を失うことになるのである。いくらレムオンが信じられないといっても、自分たちの居場所を守るためには協力せざるを得ない。
クリストバイン家にはカイルの残した家臣たちが居たが、レムオンがとくに重用したのは騎士のアレクセイと行政官のトマスであった。
騎士であるアレクセイは、本当であればカイルとともに戦場に出るはずであった。だが直前にカイルの勘気《かんき》をこうむり領地で謹慎していたのである。そうでなければ、カイルとともに戦死していただろう。
レムオンはこの話を聞いてアレクセイに興味を持ち、出頭するように命じた。目の前にかしこまっているアレクセイを見ると、歳は30歳代、背は高く胸は厚く、手足の筋肉はよく引き締まっている。一言で言うなら、鍛えぬかれた戦士という印象であった。
「アレクセイ、なぜ兄カイルの怒りを買うことになったのだ?」
アレクセイはレムオンの問いを聞くと、頭をやや下げて少しの間沈黙した。
「……お許しください。亡くなった主人について、とやかく言う気にはなれません」
主君に対しては忠誠厚く、控えめな性格であるようであった。ただその答えから、レムオンは真実の一端が分かった気がした。
「なるほど。では本当の事を言えば、主人を悪く言うことになるような事があったのだな?」
「…………」
アレクセイは痛いところをつかれたらしく、苦渋の色を浮かべていた。
「私は兄とは不仲だった。それは君も知っているだろう。だからそのことで君を罰するようなことは全く考えていない。ただ君という人間を知りたいだけなのだ」
アレクセイはじっと何かを考えているようだったが、意を決したようにじっとレムオンを見つめて言った。
「カイル様が出陣する前に、あまりに浮かれたご様子が見えましたので、お諌《いさ》めしたのです」
「浮かれていた?」
「はい……。此度の出陣でカイル様は一軍の将になられました。恐らくはその出世で自分の足元が見えなくなっていたご様子でした」
「なるほど、いかにも兄らしい」
カイルは自分を実像以上に大きく見せようとする傾向がある。一軍の指揮官に抜擢されたことで、自分が名将にでもなった気がしていたのだろう。
「それでカイル様に、戦いは一寸先は闇、まして此度は大国バルダニアとの戦だから油断してはなりませぬ、と申し上げました」
「さぞかし兄の不興を買っただろうな」
レムオンは皮肉な笑みを浮かべた。レムオンにはカイルの心情が手に取るように分かる。出陣の晴れがましい時に、慎重論を唱えるアレクセイに水をさされたと思ったのだろう。
「アレクセイ、お前が自分を責めることは何もない。全ては兄の器量と度量がなかっただけのことなのだ」
「……」
アレクセイは何も言わずレムオンを見つめていた。
「それで今日から私に仕えてくれるな? 私はお前の軍才をかっているのだ」
アレクセイと会う前に、レムオンは家臣に彼の調査をさせている。それによれば、アレクセイはクリストバイン家の軍事面において、非常に重要な存在となっていた。カイルがこれまでどうにか成功できていたのも、アレクセイの作戦立案と補佐があったからだと思われた。
レムオンの言葉を聞き、アレクセイの眼に決意の光が宿った。アレクセイは片膝をついて、深く頭を垂れる。
「ははっ。主人に背いた罪を許していただき、また復帰を許されたからには、全力をあげてクリストバイン家に尽くします」
これでとりあえず軍の方は問題ないだろう、レムオンはそう思った。レムオンは自分の才に幻想など抱いていない。何の経験もない自分が、急に兵を率いて活躍など出来るはずがない。それに上に立つ者は全てを自分でする必要はないのだ。才能のある人間にいかに活躍の場を与えてやるか、究極的に言えば指導者のすべきことはそれに尽きる。
レムオンにとって、もう一つ重要な問題が領内の経営問題である。領主としてこれから内政について学んでいくとしても、差し当たり財政的に破綻なく経営していかなければならない。バルダニアとの戦いで大敗を喫した結果、死亡した兵士に対する補償金、遺族への年金の支給など、財政は非常に逼迫した状況にあった。これを何とか短期間で正常な状態に戻さなければならない。
この領地経営のため登用したのがトマスであった。トマスはもともとクリストバイン家に出入りする商人だった。商売を順調なものとするため、トマスは屋敷内部の人間と親しくなることに心を砕いていた。それは商人としての商売術の一種であったが、カイルをはじめとしてトマスに悪い感情を持つものは居なかった。
そしてトマスは、日陰者であったレムオンとも頻繁に接触を持っていたのである。レムオンにとって、屋敷の人間が彼を白眼視《はくがんし》するなか、トマスは唯一レムオンに好意を示す人間であった。
もちろんそれは商人としての表の顔であったに違いないが、レムオンとしてはトマスのその計算高さ、用心深さを評価していたのである。そして彼と話すうち、トマスがキタイやモングー方面にもたびたび行っており、世界の様々な事情に通じていることが分かった。とくに商人として算術に明るく、財政や経営という視点から物事を見ることが出来る点で得難い人材であると思われた。
そこでレムオンは、家を継いだ後、クリストバイン家の領内の経営を任せるため、トマスを登用したのであった。レムオンとしては、トマスが簡単に商人の身分を捨てたことが意外でもあった。トマスは誇り高い独立した商人であり、その生き方を変えさせるのは難しいだろうと思っていたからである。後にトマスが語ったところによれば、「そろそろ根無し草にも飽きてきた。後世に残る仕事をしてみたくなった」とのことである。
こうしてレムオンは実戦の指揮をアレクセイに、後方支援をトマスに任せ、自身は戦略や交渉に集中することが出来るようになったのである。
ともかくも、兄の死はレムオンの運命を大きく変えることになった。兄が生きていれば、レムオンは緩慢《かんまん》な死を迎えるだけの人生だったかもしれない。だが、兄に代わりレムオンはクリストバイン家を相続し当主となった。レムオン自身にとって果たしてそれが良かったのかどうか、本人は黙してそのことについて語ることはなかった。
ただし家を継いだレムオンの置かれた環境は、甘いものではなかった。まず家中のレムオンを見る目は以前とそれほど変わっていなかった。当主となったことであからさまに批判することはなくなったが、親類縁者は依然としてレムオンを無能な日陰ものと見ていた。
カイルの失態は公表されていなかったため、皮肉にもカイルは死んでむしろ評価を上げていたのである。心ないものは「カイルの代わりにお前が死ねばよかったのだ」とレムオンを理不尽に責めた。
一方シュバルツバルト軍のレムオンを見る目も、非情に冷たいものであった。レムオンには何も罪はない、そう理性的に彼を擁護するものは少数派であった。戦犯の弟として、その一挙手一投足が冷ややかな注目を浴びたのである。
しかしそのような家中や国内の冷笑を、レムオンは意に介すことはなかった。22歳までずっと周囲の冷笑に耐えて生きてきたのである。今さらその程度のことが加わったことで、とくに変わることはなかった。
ただ、家中の者たちはレムオンを、いやクリストバイン家の行く末を心配した。レムオンが道を間違えクリストバイン家が断絶すれば、自分たちが生活の基盤を失うことになるのである。いくらレムオンが信じられないといっても、自分たちの居場所を守るためには協力せざるを得ない。
クリストバイン家にはカイルの残した家臣たちが居たが、レムオンがとくに重用したのは騎士のアレクセイと行政官のトマスであった。
騎士であるアレクセイは、本当であればカイルとともに戦場に出るはずであった。だが直前にカイルの勘気《かんき》をこうむり領地で謹慎していたのである。そうでなければ、カイルとともに戦死していただろう。
レムオンはこの話を聞いてアレクセイに興味を持ち、出頭するように命じた。目の前にかしこまっているアレクセイを見ると、歳は30歳代、背は高く胸は厚く、手足の筋肉はよく引き締まっている。一言で言うなら、鍛えぬかれた戦士という印象であった。
「アレクセイ、なぜ兄カイルの怒りを買うことになったのだ?」
アレクセイはレムオンの問いを聞くと、頭をやや下げて少しの間沈黙した。
「……お許しください。亡くなった主人について、とやかく言う気にはなれません」
主君に対しては忠誠厚く、控えめな性格であるようであった。ただその答えから、レムオンは真実の一端が分かった気がした。
「なるほど。では本当の事を言えば、主人を悪く言うことになるような事があったのだな?」
「…………」
アレクセイは痛いところをつかれたらしく、苦渋の色を浮かべていた。
「私は兄とは不仲だった。それは君も知っているだろう。だからそのことで君を罰するようなことは全く考えていない。ただ君という人間を知りたいだけなのだ」
アレクセイはじっと何かを考えているようだったが、意を決したようにじっとレムオンを見つめて言った。
「カイル様が出陣する前に、あまりに浮かれたご様子が見えましたので、お諌《いさ》めしたのです」
「浮かれていた?」
「はい……。此度の出陣でカイル様は一軍の将になられました。恐らくはその出世で自分の足元が見えなくなっていたご様子でした」
「なるほど、いかにも兄らしい」
カイルは自分を実像以上に大きく見せようとする傾向がある。一軍の指揮官に抜擢されたことで、自分が名将にでもなった気がしていたのだろう。
「それでカイル様に、戦いは一寸先は闇、まして此度は大国バルダニアとの戦だから油断してはなりませぬ、と申し上げました」
「さぞかし兄の不興を買っただろうな」
レムオンは皮肉な笑みを浮かべた。レムオンにはカイルの心情が手に取るように分かる。出陣の晴れがましい時に、慎重論を唱えるアレクセイに水をさされたと思ったのだろう。
「アレクセイ、お前が自分を責めることは何もない。全ては兄の器量と度量がなかっただけのことなのだ」
「……」
アレクセイは何も言わずレムオンを見つめていた。
「それで今日から私に仕えてくれるな? 私はお前の軍才をかっているのだ」
アレクセイと会う前に、レムオンは家臣に彼の調査をさせている。それによれば、アレクセイはクリストバイン家の軍事面において、非常に重要な存在となっていた。カイルがこれまでどうにか成功できていたのも、アレクセイの作戦立案と補佐があったからだと思われた。
レムオンの言葉を聞き、アレクセイの眼に決意の光が宿った。アレクセイは片膝をついて、深く頭を垂れる。
「ははっ。主人に背いた罪を許していただき、また復帰を許されたからには、全力をあげてクリストバイン家に尽くします」
これでとりあえず軍の方は問題ないだろう、レムオンはそう思った。レムオンは自分の才に幻想など抱いていない。何の経験もない自分が、急に兵を率いて活躍など出来るはずがない。それに上に立つ者は全てを自分でする必要はないのだ。才能のある人間にいかに活躍の場を与えてやるか、究極的に言えば指導者のすべきことはそれに尽きる。
レムオンにとって、もう一つ重要な問題が領内の経営問題である。領主としてこれから内政について学んでいくとしても、差し当たり財政的に破綻なく経営していかなければならない。バルダニアとの戦いで大敗を喫した結果、死亡した兵士に対する補償金、遺族への年金の支給など、財政は非常に逼迫した状況にあった。これを何とか短期間で正常な状態に戻さなければならない。
この領地経営のため登用したのがトマスであった。トマスはもともとクリストバイン家に出入りする商人だった。商売を順調なものとするため、トマスは屋敷内部の人間と親しくなることに心を砕いていた。それは商人としての商売術の一種であったが、カイルをはじめとしてトマスに悪い感情を持つものは居なかった。
そしてトマスは、日陰者であったレムオンとも頻繁に接触を持っていたのである。レムオンにとって、屋敷の人間が彼を白眼視《はくがんし》するなか、トマスは唯一レムオンに好意を示す人間であった。
もちろんそれは商人としての表の顔であったに違いないが、レムオンとしてはトマスのその計算高さ、用心深さを評価していたのである。そして彼と話すうち、トマスがキタイやモングー方面にもたびたび行っており、世界の様々な事情に通じていることが分かった。とくに商人として算術に明るく、財政や経営という視点から物事を見ることが出来る点で得難い人材であると思われた。
そこでレムオンは、家を継いだ後、クリストバイン家の領内の経営を任せるため、トマスを登用したのであった。レムオンとしては、トマスが簡単に商人の身分を捨てたことが意外でもあった。トマスは誇り高い独立した商人であり、その生き方を変えさせるのは難しいだろうと思っていたからである。後にトマスが語ったところによれば、「そろそろ根無し草にも飽きてきた。後世に残る仕事をしてみたくなった」とのことである。
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