10 / 35
スロウリートロッコ 5-1
しおりを挟む
「大丈夫かよ」
自宅アパートに帰ってからも暫く放心状態が続く。初音が訊ねたが返事をするのも億劫だ。片岡に会うのがつらい。
「ねぇ、初音くんは」
黙って対面に座る初音が顔を向ける。祝いをするべきなのかもしれない。けれど同時に喜んではいけないような気もして。
「まぁた難しいコト考えてんな」
「初音くんは、命って平等だと思う?」
「何。そんなこと考えてたワケ」
陰険な表情で睨まれる。
「命を半分渡したの、この子で良かったって思った。じゃあ片岡くんがただの何もない子だったら?良かったなんて思ったかな…って思ったら」
「何もないってどういうコトだよ」
この男は本当に自分でいうような死神なのだろうかと思う。人間になりたがって、人間のルールに落胆だってするのに。
「分からない。でももし彼じゃなかったら。きっと助けたこと後悔だってしまたかもしれない。この子の命助けなくても良かったって思ったかもしれない」
「面倒臭い女だな。結果論だろ。っていうかそんなにこだわるコトか?人間の命は平等だなんて誰が決めたよ」
初音の言葉に顔を上げる。頭を掻き毟りたい。何も考えたくない。けれど口ばかりが勝手に動く。
「アンタが思うほど多分平等じゃない。この前見たぜ、ガス漏れだか何だかの事故。トリアージっていったか」
聞きたくない単語が初音の口から飛び出してきて耳を塞ぎたくなる。記憶が氾濫する前に思考を言語で遮断するしかなかった。
「救える命を優先して選んだだけじゃない…」
「じゃあアンタがしたのもそういうコトだ。救えない命は救えない。死ぬのを待つしかない。優先される命がある。アイツは優先されたんだ。俺に。アンタの力を借りて。最大多数の最大幸福って言うらしいな。それが一番大事なことなんだろ。この前小学校でやってた」
価値観が違う。割り切り方が違う。
「命なんて記号だろ。そこに付随するモノに人間はこだわりすぎだ」
「初音くん!」
「人間になんてなれねぇよ。命全部同じに見えるけど、やっぱ数なんだよ。片岡クンが死ぬ同じ時間に近くの大通りで結構デカい交通事故で、ガキと母親が死んだよ」
何故それを今言うのか。この男は人間には、やはりなれないのかもしれない。
「自分が聖人君子だとでも思ってるのか。アンタは何だ。命は平等だなんて小さい頃から刷り込まれやがって。違うだろ。分かってるから競って、手前の価値磨いてんじゃないのかよ」
「初音くんは酷いよ…」
「俺は…ッ」
「死神なんかじゃない…死神なら私のこと傷付けられないもん…死神なら私なんかの一言で傷付かないもん…」
黙られてしまうと間が怖くなる。怒鳴られるだろうか。殴られるだろうか。残りの半分以下の寿命まで持っていかれてしまうだろうか。
「何が守るだ。何が特別だ。平等じゃねぇだろう。もう優先順位出来てんじゃねぇか。そんななら、人間になんてなりたくねぇよ」
背を向けて消えていく。あの謎の部屋だろう。監視対象から外れたのだろうか。
「初音くん…」
「初音くんは、人間と何も、変わらないよ」
独り言と化すのは何となく分かっていた。
「お姉さん元気ない」
片岡と喫茶店にいる。この前の約束だ。初音にバイトの紹介までしてもらっていた。ぼうっとしてしまって片岡は心配そうに身を縮こまらせ、ストローに口を付ける。
「あ、ごめんなさい」
謝ればすぐに片岡に笑みは戻るけれど。
「いいんです、元気なくても。ムリしないでほしいです。でも…オレでよかったら話、聞きます」
息子。弟。甥。いとこ。双子の片割れ。片岡に対する、他人とは言い切れないけれど近くもない関係。遺伝子は別。血もだ。命を半分渡した相手という実感もない。そしてそれが本当に片岡に、だったのかさえ。
「本当に、何でもないの。ごめんね、せっかく誘ってもらったのに」
「オレこそ深く入り込もうとしてごめ、んなさい」
頬を朱く染めながら泣きそうな目をされると、つい顔に手を伸ばしそうになってしまう。初音が初めて片岡に会わせたがった時、しきりに感想を求めたが、今なら、何だか片割れみたいだ、と言えそうだ。
「片岡くん」
「何ですか?」
「初音くん、バイト行ったかな?2日間くらい、音信不通なの」
大きな目をさらに大きくする。
「事務所から連絡きてないので、多分行ったと思いますよ」
モデルをしていただけに私服のセンスがいい。顔立ちも幼いが野暮ったいわけではなく。垢抜けた外見。穏やかな雰囲気。男女問わず人気だろう。暫く見つめ合っていれば、へにゃりと小動物のような笑みを見せた。
「片岡くんって弟みたい」
息子。弟。甥。いとこ。それとは違う。双子の片割れでもない。命の半分を渡した相手に過ぎない。それだけで親しく思えてしまうのは自己愛の一種なのだろうか。生への執着なのだろうか。優越感なのだろうか。支配した気にでもなっているのだろうか。この男はもうひとつの自身といえるだろうか。
「それ…って」
片岡は唇を噛んで、眉間に皺を寄せる。傷付けてしまったというのは分かったけれど、理由までは。
「それって、オレ…」
けれど取り繕う術を知らない。確信の持てない可能性に気付いてはいるが、あくまで可能性であり、全てではない。
「それってオレ、フられてるんですか?」
ストローを指で弄びながら片岡は問う。相手に委ねている。そのようなつもりは微塵もなかった。片岡の行動から浮かぶひとつの可能性を捨てきれていなかったが、それは片岡を無意識に惹き付けている必然と錯覚。
「どういうコトかな」
「弟みたい…って。オレ、男として見られてませんか?」
誇示というよりは問われている。嫌味に聞こえない態度、言い方、仕草、その他方法を意図的にかそれとも無意識にか、片岡はよく知っているけれど。
「弟なんだから、男でしょ」
「そういうイミじゃないです」
どのような表情で患者と接しているのだろう。職場の人間とは。こういう雰囲気と態度なのだろうか。妹にはどのように。
「異性として見せくれませんか?」
正確な年齢は知らないが、片岡もこような場数は踏んでいるだろう。
「異性として見てるつもりだけど」
何人とそれを踏んで、何人とどうなったかは知らない。人好きする外見と性格ではあるが、無いとは言いきれないが、その可能性は低そうだとも思える。これが計算の内か否かを見破るほどの経験も技量もないけれど。
「だから…そういうコトじゃ、ないんです」
気不味そうに項垂れて目が泳いでいる。言いたいことは分かった。残しておいた可能性というものが段々確信に近付いてきているが、片岡相手に限っては「錯覚」「必然」「本能」の3つで切り捨てられる。だがその説明をするにはリアリティに欠ける。
「片岡くん、かっこいいし、穏やかだし」
残酷な言葉というのは響きが甘い。
「オレは…貴方のこと…」
「片岡くん」
片岡を傷付ける相手が許せない。切ない顔をさせて、惑わせて、情けない表情にさせる相手への激しい怒りと苛立ちが沸いて、爆発しそうだ。けれどそれは、その原因は今、片岡の目の前に居ながらそう思っている人間にほかならない。
「言わせてください…なんでですか…?オレがガキだからですか…?」
もし全て言わせてみて、確信と違ったら。それはそれで良い。それが良いのだ。けれどこの展開と流れでそれが望めるだろうか。気付けない程周りに頓着しないタイプではない。空気を読んで生きてきたつもりだった。
「もしかして他に…」
「落ち着いて、ね?」
焦りながらも回転する脳内でまたひとつの可能性が片岡の中にも浮かんだらしい。
「…初音さんじゃないですよね」
質問へのスルーを肯定だと思ったらしい片岡が初音の名を出したことに少し驚く。
「初音さんだったらオレ、勝てないから」
「違うよ。初音くんはそんなじゃない」
否定しても片岡の曇った表情は変わらないまま。この子にこんなカオをさせるヤツが許せない!矛盾した思考に頭が締め付けられるように痛い。
「喧嘩した、とかですか…?」
片岡が訊ねる。不味いことを訊いているのかもしれないという自覚があるようで恐る恐るといった感じで黒目がちな瞳が向けられる。
「喧嘩ってほどでもなくて。一方的に怒らせちゃって」
「そうなんですか。ごめんなさい、そんな時に誘っちゃって…」
「気にしないで!片岡くんには関係のないコトなのに、こっちこそつまらない空気にしちゃって、謝らなきゃね」
言葉に気を付ければよかったとすぐに後悔する。意思と反比例して片岡に棘を刺している。
「気にします。気にさせてください。何も出来ないですけど、貴方のコト、気にしていたいんです。頼ってください」
自宅アパートに帰ってからも暫く放心状態が続く。初音が訊ねたが返事をするのも億劫だ。片岡に会うのがつらい。
「ねぇ、初音くんは」
黙って対面に座る初音が顔を向ける。祝いをするべきなのかもしれない。けれど同時に喜んではいけないような気もして。
「まぁた難しいコト考えてんな」
「初音くんは、命って平等だと思う?」
「何。そんなこと考えてたワケ」
陰険な表情で睨まれる。
「命を半分渡したの、この子で良かったって思った。じゃあ片岡くんがただの何もない子だったら?良かったなんて思ったかな…って思ったら」
「何もないってどういうコトだよ」
この男は本当に自分でいうような死神なのだろうかと思う。人間になりたがって、人間のルールに落胆だってするのに。
「分からない。でももし彼じゃなかったら。きっと助けたこと後悔だってしまたかもしれない。この子の命助けなくても良かったって思ったかもしれない」
「面倒臭い女だな。結果論だろ。っていうかそんなにこだわるコトか?人間の命は平等だなんて誰が決めたよ」
初音の言葉に顔を上げる。頭を掻き毟りたい。何も考えたくない。けれど口ばかりが勝手に動く。
「アンタが思うほど多分平等じゃない。この前見たぜ、ガス漏れだか何だかの事故。トリアージっていったか」
聞きたくない単語が初音の口から飛び出してきて耳を塞ぎたくなる。記憶が氾濫する前に思考を言語で遮断するしかなかった。
「救える命を優先して選んだだけじゃない…」
「じゃあアンタがしたのもそういうコトだ。救えない命は救えない。死ぬのを待つしかない。優先される命がある。アイツは優先されたんだ。俺に。アンタの力を借りて。最大多数の最大幸福って言うらしいな。それが一番大事なことなんだろ。この前小学校でやってた」
価値観が違う。割り切り方が違う。
「命なんて記号だろ。そこに付随するモノに人間はこだわりすぎだ」
「初音くん!」
「人間になんてなれねぇよ。命全部同じに見えるけど、やっぱ数なんだよ。片岡クンが死ぬ同じ時間に近くの大通りで結構デカい交通事故で、ガキと母親が死んだよ」
何故それを今言うのか。この男は人間には、やはりなれないのかもしれない。
「自分が聖人君子だとでも思ってるのか。アンタは何だ。命は平等だなんて小さい頃から刷り込まれやがって。違うだろ。分かってるから競って、手前の価値磨いてんじゃないのかよ」
「初音くんは酷いよ…」
「俺は…ッ」
「死神なんかじゃない…死神なら私のこと傷付けられないもん…死神なら私なんかの一言で傷付かないもん…」
黙られてしまうと間が怖くなる。怒鳴られるだろうか。殴られるだろうか。残りの半分以下の寿命まで持っていかれてしまうだろうか。
「何が守るだ。何が特別だ。平等じゃねぇだろう。もう優先順位出来てんじゃねぇか。そんななら、人間になんてなりたくねぇよ」
背を向けて消えていく。あの謎の部屋だろう。監視対象から外れたのだろうか。
「初音くん…」
「初音くんは、人間と何も、変わらないよ」
独り言と化すのは何となく分かっていた。
「お姉さん元気ない」
片岡と喫茶店にいる。この前の約束だ。初音にバイトの紹介までしてもらっていた。ぼうっとしてしまって片岡は心配そうに身を縮こまらせ、ストローに口を付ける。
「あ、ごめんなさい」
謝ればすぐに片岡に笑みは戻るけれど。
「いいんです、元気なくても。ムリしないでほしいです。でも…オレでよかったら話、聞きます」
息子。弟。甥。いとこ。双子の片割れ。片岡に対する、他人とは言い切れないけれど近くもない関係。遺伝子は別。血もだ。命を半分渡した相手という実感もない。そしてそれが本当に片岡に、だったのかさえ。
「本当に、何でもないの。ごめんね、せっかく誘ってもらったのに」
「オレこそ深く入り込もうとしてごめ、んなさい」
頬を朱く染めながら泣きそうな目をされると、つい顔に手を伸ばしそうになってしまう。初音が初めて片岡に会わせたがった時、しきりに感想を求めたが、今なら、何だか片割れみたいだ、と言えそうだ。
「片岡くん」
「何ですか?」
「初音くん、バイト行ったかな?2日間くらい、音信不通なの」
大きな目をさらに大きくする。
「事務所から連絡きてないので、多分行ったと思いますよ」
モデルをしていただけに私服のセンスがいい。顔立ちも幼いが野暮ったいわけではなく。垢抜けた外見。穏やかな雰囲気。男女問わず人気だろう。暫く見つめ合っていれば、へにゃりと小動物のような笑みを見せた。
「片岡くんって弟みたい」
息子。弟。甥。いとこ。それとは違う。双子の片割れでもない。命の半分を渡した相手に過ぎない。それだけで親しく思えてしまうのは自己愛の一種なのだろうか。生への執着なのだろうか。優越感なのだろうか。支配した気にでもなっているのだろうか。この男はもうひとつの自身といえるだろうか。
「それ…って」
片岡は唇を噛んで、眉間に皺を寄せる。傷付けてしまったというのは分かったけれど、理由までは。
「それって、オレ…」
けれど取り繕う術を知らない。確信の持てない可能性に気付いてはいるが、あくまで可能性であり、全てではない。
「それってオレ、フられてるんですか?」
ストローを指で弄びながら片岡は問う。相手に委ねている。そのようなつもりは微塵もなかった。片岡の行動から浮かぶひとつの可能性を捨てきれていなかったが、それは片岡を無意識に惹き付けている必然と錯覚。
「どういうコトかな」
「弟みたい…って。オレ、男として見られてませんか?」
誇示というよりは問われている。嫌味に聞こえない態度、言い方、仕草、その他方法を意図的にかそれとも無意識にか、片岡はよく知っているけれど。
「弟なんだから、男でしょ」
「そういうイミじゃないです」
どのような表情で患者と接しているのだろう。職場の人間とは。こういう雰囲気と態度なのだろうか。妹にはどのように。
「異性として見せくれませんか?」
正確な年齢は知らないが、片岡もこような場数は踏んでいるだろう。
「異性として見てるつもりだけど」
何人とそれを踏んで、何人とどうなったかは知らない。人好きする外見と性格ではあるが、無いとは言いきれないが、その可能性は低そうだとも思える。これが計算の内か否かを見破るほどの経験も技量もないけれど。
「だから…そういうコトじゃ、ないんです」
気不味そうに項垂れて目が泳いでいる。言いたいことは分かった。残しておいた可能性というものが段々確信に近付いてきているが、片岡相手に限っては「錯覚」「必然」「本能」の3つで切り捨てられる。だがその説明をするにはリアリティに欠ける。
「片岡くん、かっこいいし、穏やかだし」
残酷な言葉というのは響きが甘い。
「オレは…貴方のこと…」
「片岡くん」
片岡を傷付ける相手が許せない。切ない顔をさせて、惑わせて、情けない表情にさせる相手への激しい怒りと苛立ちが沸いて、爆発しそうだ。けれどそれは、その原因は今、片岡の目の前に居ながらそう思っている人間にほかならない。
「言わせてください…なんでですか…?オレがガキだからですか…?」
もし全て言わせてみて、確信と違ったら。それはそれで良い。それが良いのだ。けれどこの展開と流れでそれが望めるだろうか。気付けない程周りに頓着しないタイプではない。空気を読んで生きてきたつもりだった。
「もしかして他に…」
「落ち着いて、ね?」
焦りながらも回転する脳内でまたひとつの可能性が片岡の中にも浮かんだらしい。
「…初音さんじゃないですよね」
質問へのスルーを肯定だと思ったらしい片岡が初音の名を出したことに少し驚く。
「初音さんだったらオレ、勝てないから」
「違うよ。初音くんはそんなじゃない」
否定しても片岡の曇った表情は変わらないまま。この子にこんなカオをさせるヤツが許せない!矛盾した思考に頭が締め付けられるように痛い。
「喧嘩した、とかですか…?」
片岡が訊ねる。不味いことを訊いているのかもしれないという自覚があるようで恐る恐るといった感じで黒目がちな瞳が向けられる。
「喧嘩ってほどでもなくて。一方的に怒らせちゃって」
「そうなんですか。ごめんなさい、そんな時に誘っちゃって…」
「気にしないで!片岡くんには関係のないコトなのに、こっちこそつまらない空気にしちゃって、謝らなきゃね」
言葉に気を付ければよかったとすぐに後悔する。意思と反比例して片岡に棘を刺している。
「気にします。気にさせてください。何も出来ないですけど、貴方のコト、気にしていたいんです。頼ってください」
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる