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「もし破って別の女に…有り得ない話だけど…気持ちが少しでも揺らいだら、オレも蜚蠊を食べよう。なに、イナゴとそう変わらない、食料でしょ。ってことは斬られた妻のほうが愛は重いね、だって夫はちょっと汚い程度の立派な栄養素を摂っただけなんだし。ああ、やっぱり愛なんてなかったんだな。だよね、群青。参考までに訊くけど、どんな味がした?心配しないでよ、彩以外の女に揺らぐなんてそんなにあることじゃないんだし」
隣の青年は口元から慎重に手を下ろした。引き攣った唇が真面目にも主人の戯れに答えようとする。しかし極彩はある異変に気付き、咄嗟に彼の口を押さえた。小刻みに震えたかと思うと、掌に生温かい液体が広がる。痩せた腹の奥から小さな音が聞こえた。極彩の手首や腕を伝い、彼の胃液が極彩の服を汚した。
「二公子の御前です。退席しましょう」
群青が立つのに合わせ、極彩も起立する。袖が染まるのも厭わず、彼女は嘔吐する口を拭った。
「困ったな。着替えておいで。手も洗って」
天藍は兄と同じ質の癖毛を掻いて軽快に笑った。極彩は背を摩りながら群青を廊下へ連れ出す。天晴組が群青の異変に気付き、手巾や盥を取りにいった。自分の手巾を出す隙もなく彼は嘔吐を繰り返し、彼女は袖で受け止めた。冷たい手が彼女の腕を力無く剥がそうとする。
「申し訳ございません。お召物が…」
「いいから」
壁に凭れさせた。群青は肩で息をして、苦しげに眉を歪ませる。
「不快なお話をお聞かせしてしまい、すみません」
「不快だったのはわたしではなくて、群青殿だったのでは」
吐息が落ち着いたものになっていく。極彩は手巾を差し出した。群青はその手巾と彼女の間を往復する。長いこと待てず、手巾で彼の顎や手を拭いた。
「ごめんなさい」
「喋らないで。次吐かれたらもう拭く物がないから」
「…極彩様」
縋るような声音で呼ばれるが応えなかった。やがて微温湯の入った盥や手拭を持った天晴組の若者たちが戻ってきた。極彩は別室へ案内され、腕を清め消毒されてから新たな衣装へ替わった。二公子の趣味らしい胸元や腿の露出が激しく、透けた生地を多用した肌着同然の衣服だった。髪までもその衣類に合うよう櫛を入れられてしまう。靴も履き慣れないもので、非常に歩きづらかった。再度二公子の私室へ向かうとそこにはもう群青の姿はなかった。2人きりの暗い部屋は、あの情けない男であっても居るに越したことはないのだと知る。あまりにも踵の高い靴が歩きづらく、付き添っていた淡藤の袖を摘まんでしまう。二公子は目敏くそれに気付き「どうしたの?」と微笑を忘れずに訊ねた。
「組長もご一緒ください」
四方八方から圧迫されるような息苦しさに消え入りそうになりながら極彩は懇願した。淡藤は二公子に許可を取る。
「いやだな、彩。オレが何かすると思ってない?その服選んだ人はそう思ってるみたいだけど。それに淡藤くんが完全に君の味方とは限らないよね?」
心外と言わんばかりに、しかし愉快げに天藍は極彩を爪先から脳天まで舐め回しかねないほど執拗に眺めた。それから天晴組の長に同席の許可を下ろす。
「で、君が聞きたがってた本題だ。…そうだ、群青はどう?無事?」
二公子は淡藤を見た。
「無事です」
「なら良かった。ちょっといじめ過ぎちゃったかな?どうも可愛くて、意地悪しちゃうんだよ。傍に置ける人間なんて限られてるからさ。世話をかけるよ」
そして本題へ移っていく。何のために城へ呼ばれたのか最早忘れかけていた。気の弱い城仕えの青年の介抱のためではないことだけは彼女の中でもはっきりしていた。
「ね、彩に来てほしいからさ、城の中だけなんて枠組み取っ払って、城下の人々も自由参加ってことにしたよ。お祭り状態。潰れかけの店も持ち直してくれるかもね。贔屓にしていた店も使うのやめてさ、庶民派な店で、ぱ~っと。不言の屋台で、ね。ははは、あれって城下の廃棄業者が根回しして変色して腐乱寸前の食材を売り付けてたって知ってた?毒でも入ってたら大変だけど、仕方ないね、彩が来てくれるためならそんなの」
肩を竦めて二公子は話した。そしてもう一度、念を押すように参加の有無を問う。極彩はどう断るか思案し、硬直した。麗らかな双眸は獲物を狙うように彼女を見ていた。
「誰か呼んでほしい?彩が大好きな群青は来るよ。紫暗ちゃんは…ほら、まだ起きてどうこうできるって状態でもないし…ああ、あの女装家に転向した河始季とか?」
他に誰かいたっけ、と天藍は小聡明く口元に指を当て首を傾げた。それから明らかに声音を落とす。
「もしかして弟?山吹は分からないけど、来るんじゃない?末弟は来ないけど」
「爆弾魔に狙われているからですか」
白い手袋に包まれた指が鳴り、「正解!」と彼はふざけたような軽い口調で答えた。
「それならば尚更…このような時に…」
「うん、城ってのは世間を欺かなきゃいけないからね。洗朱爆破、洗朱風邪、近臣の謀反、不言爆弾襲撃、色々あったね、市井をざわつかせた事件は…この国は揺らいでないって見せてあげなきゃ。国賊には屈してないってね。余裕があるってことを、さ」
「…納得しかねます。痛んだ民たちの内心に寄り添うことが城のすべきことではないのですか。虚栄を張ることが必要なことなんですか。身内、隣人、知人、何者か近い人を失えば、後ろめたさを覚えるのが人間でしょう。城に宴の機会を与えられたからといって…」
「感傷に浸る、喪に服す、何かに対して自粛する、そういう人々はそうすればいい。何とも思わない割り切った人々は参加する。城が作ってあげなきゃ。じゃなきゃ大衆が嫌いな大衆どもは大衆を叩きはじめて、本当に市井は機能しなくなっちゃうよ。世間は長いことそうやって上手くやってきた。だから大丈夫…それとも、弔いの花火、ドーンと打ち上げる?万花千変花火の花火師さんのところ、弟子いるみたいだから。何代目キツツキとかモチツキとか何とかって。そんな怖いカオしないでよ。もともと城下の花火なんて鎮魂のイミ込めてやってたんだし。生きた人間のためだなんて思ってたならとんだ思い違いだって。それとも彩、城下の生まれじゃなかった?それならごめんね」
眉を顰めた極彩に、天藍は弁解するような媚びた笑みを浮かべた。
「出たくないなら無理にとは言わないよ。いい機会かと思ったんだけど。君にはあの片輪にしちゃった子がいればいいんだもんね。でもさぁ、あの山窩の子供が君の枷になるなら…そうだな…ああ、片腕がないんじゃ、牛裂き映えしないな。それにあれを男にやるのは面白くない」
何故紅が生かされたのか。天藍はそれを上手く利用する。
「参加…いたします。紅には何も…なさらないでくださいまし」
若君は口笛を吹いた。そして淡藤を証人にした。
「よし。じゃ、オレのこと誘惑して。出来るよね」
突飛な要求に極彩は呆気にとられる。
「…え?」
「誘惑して。君相手ならオレ、簡単に靡くよ。淡藤くん、褥の準備してくれるかな」
天晴組の長は長椅子から立ち、何度か極彩を気にしてはいたが奥にある大きな寝台を整えに向かった。
「紅には…」
「何もしないって。彩次第で」
極彩は強張りながら天藍の隣におそるおそる移動した。耳元で息を吹き掛けられる。
隣の青年は口元から慎重に手を下ろした。引き攣った唇が真面目にも主人の戯れに答えようとする。しかし極彩はある異変に気付き、咄嗟に彼の口を押さえた。小刻みに震えたかと思うと、掌に生温かい液体が広がる。痩せた腹の奥から小さな音が聞こえた。極彩の手首や腕を伝い、彼の胃液が極彩の服を汚した。
「二公子の御前です。退席しましょう」
群青が立つのに合わせ、極彩も起立する。袖が染まるのも厭わず、彼女は嘔吐する口を拭った。
「困ったな。着替えておいで。手も洗って」
天藍は兄と同じ質の癖毛を掻いて軽快に笑った。極彩は背を摩りながら群青を廊下へ連れ出す。天晴組が群青の異変に気付き、手巾や盥を取りにいった。自分の手巾を出す隙もなく彼は嘔吐を繰り返し、彼女は袖で受け止めた。冷たい手が彼女の腕を力無く剥がそうとする。
「申し訳ございません。お召物が…」
「いいから」
壁に凭れさせた。群青は肩で息をして、苦しげに眉を歪ませる。
「不快なお話をお聞かせしてしまい、すみません」
「不快だったのはわたしではなくて、群青殿だったのでは」
吐息が落ち着いたものになっていく。極彩は手巾を差し出した。群青はその手巾と彼女の間を往復する。長いこと待てず、手巾で彼の顎や手を拭いた。
「ごめんなさい」
「喋らないで。次吐かれたらもう拭く物がないから」
「…極彩様」
縋るような声音で呼ばれるが応えなかった。やがて微温湯の入った盥や手拭を持った天晴組の若者たちが戻ってきた。極彩は別室へ案内され、腕を清め消毒されてから新たな衣装へ替わった。二公子の趣味らしい胸元や腿の露出が激しく、透けた生地を多用した肌着同然の衣服だった。髪までもその衣類に合うよう櫛を入れられてしまう。靴も履き慣れないもので、非常に歩きづらかった。再度二公子の私室へ向かうとそこにはもう群青の姿はなかった。2人きりの暗い部屋は、あの情けない男であっても居るに越したことはないのだと知る。あまりにも踵の高い靴が歩きづらく、付き添っていた淡藤の袖を摘まんでしまう。二公子は目敏くそれに気付き「どうしたの?」と微笑を忘れずに訊ねた。
「組長もご一緒ください」
四方八方から圧迫されるような息苦しさに消え入りそうになりながら極彩は懇願した。淡藤は二公子に許可を取る。
「いやだな、彩。オレが何かすると思ってない?その服選んだ人はそう思ってるみたいだけど。それに淡藤くんが完全に君の味方とは限らないよね?」
心外と言わんばかりに、しかし愉快げに天藍は極彩を爪先から脳天まで舐め回しかねないほど執拗に眺めた。それから天晴組の長に同席の許可を下ろす。
「で、君が聞きたがってた本題だ。…そうだ、群青はどう?無事?」
二公子は淡藤を見た。
「無事です」
「なら良かった。ちょっといじめ過ぎちゃったかな?どうも可愛くて、意地悪しちゃうんだよ。傍に置ける人間なんて限られてるからさ。世話をかけるよ」
そして本題へ移っていく。何のために城へ呼ばれたのか最早忘れかけていた。気の弱い城仕えの青年の介抱のためではないことだけは彼女の中でもはっきりしていた。
「ね、彩に来てほしいからさ、城の中だけなんて枠組み取っ払って、城下の人々も自由参加ってことにしたよ。お祭り状態。潰れかけの店も持ち直してくれるかもね。贔屓にしていた店も使うのやめてさ、庶民派な店で、ぱ~っと。不言の屋台で、ね。ははは、あれって城下の廃棄業者が根回しして変色して腐乱寸前の食材を売り付けてたって知ってた?毒でも入ってたら大変だけど、仕方ないね、彩が来てくれるためならそんなの」
肩を竦めて二公子は話した。そしてもう一度、念を押すように参加の有無を問う。極彩はどう断るか思案し、硬直した。麗らかな双眸は獲物を狙うように彼女を見ていた。
「誰か呼んでほしい?彩が大好きな群青は来るよ。紫暗ちゃんは…ほら、まだ起きてどうこうできるって状態でもないし…ああ、あの女装家に転向した河始季とか?」
他に誰かいたっけ、と天藍は小聡明く口元に指を当て首を傾げた。それから明らかに声音を落とす。
「もしかして弟?山吹は分からないけど、来るんじゃない?末弟は来ないけど」
「爆弾魔に狙われているからですか」
白い手袋に包まれた指が鳴り、「正解!」と彼はふざけたような軽い口調で答えた。
「それならば尚更…このような時に…」
「うん、城ってのは世間を欺かなきゃいけないからね。洗朱爆破、洗朱風邪、近臣の謀反、不言爆弾襲撃、色々あったね、市井をざわつかせた事件は…この国は揺らいでないって見せてあげなきゃ。国賊には屈してないってね。余裕があるってことを、さ」
「…納得しかねます。痛んだ民たちの内心に寄り添うことが城のすべきことではないのですか。虚栄を張ることが必要なことなんですか。身内、隣人、知人、何者か近い人を失えば、後ろめたさを覚えるのが人間でしょう。城に宴の機会を与えられたからといって…」
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「よし。じゃ、オレのこと誘惑して。出来るよね」
突飛な要求に極彩は呆気にとられる。
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「誘惑して。君相手ならオレ、簡単に靡くよ。淡藤くん、褥の準備してくれるかな」
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