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最終決戦編
第三十五話 〘時間稼ぎ〙
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楓が通った後、再び固く閉ざされた門をしばらくの間見つめていた和海は、立ち上る土煙に視線を戻した。
「全く…。人間がこれ程までの力を持ってたなんて誤算だったわ。」
煙の中からため息混じりの声が聞こえてくる。
「おいおい…。冗談じゃねーぞ全く。」
「あれだけやってほぼ無傷だなんて…。」
そう、次第に晴れてきた土煙から姿を現したアスカの体には、ほとんど傷が入っていないのだ。
「無傷じゃないわ。私の大事な服がボロボロよ。」
「えぇ。誰かさん好みの良い仕上がりですもんね。」
和海はクスリと笑いながら健太の顔を見る。しかし、健太は真剣な眼差しでアスカの動きに備えていた。
「あら?そっちのお兄さんは随分と余裕が無いみたいね。」
「当たり前だろ。そんな格好されたらまともに相手を見ることも出来ねぇからな。」
「ガッツリ見てるじゃない。」
笑い飛ばすアスカの一瞬の隙を突き、いきなり健太が飛びかかる。そして、剣を横1文字に振り抜き、その勢いて一回転した後、アスカの頭上から縦に剣を振り下ろした。
「よっ…!」
しかし、健太の連撃をアスカは軽快な動きでかわしてしまう。
「まだだっ!」
後ろに下がったアスカを追うように、健太はもう一度剣を振る。アスカは体を後ろに倒し回避する体勢をとるが、途中で何かに気づいたように腕で首元をガードした。
「うぐぅ……!」
健太の攻撃は間合いが変わるということを忘れていたアスカは急遽腕で攻撃をガードしたが、切りつけられた右腕は肘下から完全に切断され、大量の血と一緒にアスカの足元へドチャリと音を立てて落ちた。
「くっ……。」
激痛に冷や汗を浮かべるも、悲鳴をあげない精神力の高さ。戦っている感じで言えば戦闘力自体はレオン達とそこまで変わりはない。しかし、この精神力の違いが戦闘時の動きに違いを作る。
「はあぁぁ!」
隻腕で健太に殴りかかるアスカ。その顔からはさっきまでの苦痛に悶える表情が消え、無傷の時のアスカ・アンリエットに戻っていた。
「どうなってんだよお前。頭おかしいんじゃねぇのか?」
「どうだろうね。案外壊れてたりして。」
ケラケラと笑いながらも強烈な攻撃を繰り出してくるアスカを見て、健太の心にある恐怖心が一層増し始める。もしかすると、自分達はとんでもない者の相手をしているのではないかと。
「そろそろ危ないかな…。」
ふとアスカが呟く。
「危ない?」
「うん。」
健太の問いにアスカは短く答え、地面に落ちている自分の右腕を拾い上げた。
「どうするつもりだ?」
「どうもしないわ。ただ…。」
アスカは拾い上げた腕を、切断された右腕付近まで持上げる。この時、バロンの自己再生を見ていない健太と和海には、アスカの行動の意図が分からなかった。しかし、白は違った。白はバロンの自己再生を見ているのだ。
「だめぇぇぇ!」
白はすかさず自分に転移をかけ一瞬でアスカの前まで移動し、手に持った刀で切りつける。しかし、精霊の宿っていない普通の武器での攻撃はアスカにとって避けるまでもなく、体に当たった途端白の刀は粉々に砕けてしまった。
「そ、そんな…。」
「残念でした~。」
怯んだ白にアスカの膝蹴りが炸裂する。
「…ぐふっ!」
強烈な衝撃に白は一瞬意識が飛び、その場に膝をついてしまった。
「その高さだと、足だけで攻撃できるからありがたいわ。」
右腕を繋ぎ合わせた後、跪く白の頭目がけてアスカは蹴りの体勢に入る。
「まずい。あのまま蹴られたら…。」
慌てて健太はその場から駆け出した。アスカが放つ蹴りの威力は凄まじいものだ。元々、アスカと戦えるだけの戦闘能力を持ち合わせていない白が、マナを使い切った状態でアスカの蹴りをまともに食らったら命の保証はない。和海も健太の後ろから矢を放つ。
「くそっ!間に合わねぇ。」
健太が呟いた瞬間…。
「…なっ!?」
アスカが蹴りを放ったと同時に、アスカの目の前から白が姿を消したのだ。
「またあの奇妙な技?」
アスカはキョロキョロと辺りを見渡す。今の白には魔法陣を書いている様子はなかった。そもそも、転移を使えるほどマナも残っていなかった。訳が分からないまま辺りを見渡していると、アスカの背後から微かな足音が聞こえた。
「間に合ってよかった。」
アスカが声のした方を向くと、そこには白を抱えたまま立っているバロンの姿が。
「お前…。戦いは終わったのか!?」
「はい。こっちはさっき終わりました。」
バロンは健太の問いに答えると、木の根元に白をそっと寝かせアスカの方を振り返る。
「ここからは俺達も相手になる。お前一人じゃ相手にならないぞ!」
バロンが振り返った頃には既に、レオン達がアスカを取り囲んでいた。
「アゲハとフェイクに勝ったのね…。なかなかやるじゃない。」
アスカはそう言ってパチパチと手を叩いた。
「じゃあ、手加減したまま相手をするのは失礼ね。」
アスカが静かに手を前に突き出すと、ひと振りの剣が姿を現した。
「ここからが本番。がんばって私を楽しませてね?」
剣を構えたアスカはそう言うとニッコリと笑い、素早く跳躍した。
「まずはあなた!」
アスカの標的になったのは千紅沙だった。上下左右からかまいたちのように素早い斬撃が千紅沙に襲いかかる。
「……っ!」
両手に構えた剣でなんとか攻撃を凌ぐ千紅沙だが、そのあまりにも重たい攻撃に、だんだんと動きが鈍くなってくる。
「うおぉぉぉ!」
その二人に割ってはいるように、健弥は斧を振り下ろす。
「1対1で戦うつもりはないからな。勝手に邪魔させてもらうぜ?」
斧を構え直す健弥の背後から千紅沙と悠祈が飛び出し、同時に斬り掛かる。
「ナメないで!」
武器を振り上げている2人に、アスカが剣を振る。その瞬間、アスカの剣から灼熱の炎が吹き出し、その衝撃で千紅沙と悠祈は遥か後方に吹き飛ばされた。
「まだあんな能力隠してたのかよ…。」
健太がため息混じりに呟く。
「ひとつ聞きたいのだけど…。シャーロットは?」
アスカの言葉に全員が辺りを見渡す。確かにアスカの言うとおり、その場にシャーロットの姿はなかった。
「あなた達と同じで、彼女もサクヤ派だったでしょ?」
「そうだよ。少し訳があってね…。ここに来てから別行動をとってるの。」
レオンの言葉にアスカは眉をひそめる。だが、アスカの疑問はレオン達には関係がない。考え込むアスカの背後に音もなく忍び寄った瑞姫が、背中めがけて短刀を突き出した。
「うぐっ!」
深々と刺さった短刀はアスカの胸を貫き、血で真っ赤に染った刀身を露わにしていた。
「油断し過ぎなんじゃない?」
「本当に…油断し過ぎね…。まさか……こんな簡単に1人倒せるなんて。」
「え……?」
アスカが発した言葉の直後、アスカの体は千紅沙へと姿を変えた。
「千紅沙!?」
「残念ね。私を倒せると思ったのに…。ふふふっ!」
訳が分からず放心状態に陥った瑞姫の背後にまわったアスカは、瑞姫の耳元でそっと呟くと背中に剣を突き刺した。
「うぐぁ……!」
「はーい。お二人さん終了。」
どさりと倒れる千紅沙と瑞姫。それを見て思わず飛び出したのは悠祈と希だった。
「くそっ!」
「絶対に許さねぇ!」
武器を構えて飛び出した2人にニヤついた表情で向き直ったアスカは、再び剣に炎を纏わせ2人を斬りつける。
「くっ!」
希が攻撃を受け止めた隙に、悠祈の剣がアスカへと伸びる。
「もらったァ!」
「だめぇぇぇ!」
悠祈の剣がアスカを貫く直前、背後からレオンの叫びごえが響いた。
「ふふふっ!」
不意に聞こえたアスカの笑い声と共に剣が体を貫く。しかし。
「そ、そんな…。」
悠祈が貫いたのは、希の体だったのだ。
「あらら…。お仲間さん攻撃するの好きなの?」
煽るように問うアスカにレオンは飛び出し、ナイフを突き立てる。
「アンタ!近くに居る人と自分の場所を入れ替える技、いつの間に完成させてたの!?」
「使えない能力なんて意味無いもの。あなた達が人間界に行く頃には使えるようになってたわ。」
クスクスと笑いながら答えるアスカに、レオンは連続で攻撃を繰り出す。アスカの能力は近くに居る人物と自分の場所を瞬時に入れ替え、数秒間相手にその変化を感じさせないという能力だ。レオンはアスカの能力を知っていた。しかし、あまりの強力さ故に、完成させるのは無理だと思っていたのだ。
「私との戦い方を知っていて、尚且つ咄嗟に行動しても惑わされないレオンしか、私とまともに戦うことは出来ないわ。」
この能力のせいで5人もの仲間が戦闘不能になっている。もっと早く気づいていればと自分を責めながらみんなに下がるよう指示したレオンは、ナイフを構え直し真正面からアスカと対峙する。
「はあぁぁ!」
小柄な体を活かし様々な角度から繰り出される攻撃は他の誰よりも早い。しかし、その攻撃でさえアスカは両手で全て受け流していた。
「あのね…。疲れてるのか知らないけど、そんな攻撃じゃ私に傷なんてつけれないよ?」
ため息をついたアスカは両手を下ろし、レオンのナイフを体で受け止め始めた。
「このっ!……くそ…!」
何度斬りつけてもアスカの体には傷一つつかない。
「あなたの攻撃は傷をつけて初めて驚異的な能力を発揮する。でも、傷がつけれないんじゃあどうしようもないよねっ!」
必死で攻めたてるレオンのナイフを、アスカの剣が弾き飛ばす。
「これで終わりよ!」
バランスを崩したレオンの頭上から、アスカが剣を振り下ろす。
「しまっ…!」
どうやってもかわすことの出来るタイミングではない。レオンが何も出来ないまま振り下ろされる剣を見ていると。
「…!?」
突然、アスカの剣を何かが弾き攻撃を中断させる。
「近づいたらダメなんでしょ?じゃあ、近づかなければいいんじゃない?」
アスカが声の方を振り返ると、少し離れた所から和海が弓でアスカを狙っていた。
「そうね。確かにその通り。近づかなければこの能力は使えない。でも…、忘れたの?あなたの弓じゃ、私には傷をつけれない。」
「そんなの、やってみないと分からないじゃない!」
和海は力いっぱい弓を引き絞り、無数の矢をアスカに飛ばした。しかし。
「やめてっ!」
その矢をレオンが全て弾き落とした。
「なんのつもり!?」
「彼女にマナでの攻撃は無意味なの。」
「それって…どういう…。」
眉間にシワを寄せる和海に、今度はアスカが口を開いた。
「教えてあげる。私の体質はマナ吸収。相手から受けたマナでの攻撃を吸収し、自分のマナへ変換する能力よ。」
その言葉にその場にいた全員が驚愕した。マナでの攻撃が効かないという事は、和海の矢はもちろん、魔法系の攻撃も一切通用しないという事だ。その上、間違えて攻撃をしてしまえば、それは全てアスカに吸収され、彼女を回復させることになる。
「あなたの攻撃は完全に封じられてるの。分かる?」
素早く和海に駆け寄ったアスカが、ニヤリと笑って告げる。
「私をナメてると痛い目にあうよ。」
和海は弓の端を刃に変え、アスカに向かって振り抜いた。それはアスカの不意をついた完璧な攻撃で、アスカの反応を一瞬遅らせた。
「…くっ!」
間一髪で攻撃をかわしたアスカの背後から、健太が背中を切り上げる。
「ほら…。また忘れてる。」
ニヤリと笑うアスカに、健太は慌てて攻撃を中断しようとする。しかし、腕の勢いを止めることは出来ず、剣の先端が和海の背中へ刺さってしまった。
「ぎゃぁ…!」
「藍井!」
倒れ込む和海を受け止める健太。他の者より傷は浅いものの、出血は酷い。これ以上戦うことは出来ないだろう。
「すまない…。」
「まだ…やれますから大丈夫です…。」
「いや…。お前はもう休んでろ。」
健太は起き上がろうとする和海の体をそっと押さえた。
「とは言ったものの…、こんなやつ相手にどうやって…。」
和海を寝かせた後、健太は込み上げる気持ちを押し殺しきれずに呟いた。
「あともう少し…。シャーロットが間に合えば…。」
隣で呟くレオンの言葉が健太の耳に入る。
「何か策でもあるのか?」
「うん。シャーロットが間に合えばアスカに勝てるはずなんだけど…。」
レオンはアスカに聞こえないように呟くと、来た道とは全く違う方向を見つめた。
「なるほどな。じゃあ、俺達はシャーロットが来るまでの時間稼ぎでいいわけだ。」
「うん。倒せたらいいんだけど、多分今のボク達じゃあアスカを倒すのは無理だと思うから。」
それを聞いた健太は健弥と目配せをし、ある行動に出た。
「何をしてるの?」
アスカを挟むように立った2人は、地面に手を当て何かの詠唱を唱え始めた。
「何をする気か知らないけど、私にマナでの攻撃は通用しないのよ?」
余裕綽々といった態度で笑っているアスカをよそに2人の術が完成し、アスカを取り囲むように直径30メートル程の結界が姿を現した。
「こういう事でいいんだろ?」
結界を張れることを知らなかったレオンは、奥歯を噛み締めて悔やんだ。もっと早くに話していれば、アスカの能力で負傷する人数を大幅に減らせていたと。
「こんなもので私を閉じこめてどうするつもり?」
「いやー。どうやっても勝てないもんでな。このまま閉じこめて、その間に他の奴には回復してもらおうかと。」
結界を維持するために、結界のそばで座り込んでいる健太がニヤリと笑って言う。
「あっそ…。でも、これくらいの結界なら、私が少し本気を出せば…。」
アスカが結界に手を伸ばし、触れようとしたその時。
「そうはさせねぇよ!」
アスカの背後にある結界の壁が開き、悠祈がアスカめがけて突っ込んだ。
「この結界にはこれから一人づつしか入らない。これでお前の人を入れ替える能力は封じたぜ?」
「そうね。でも、あなた一人で私を相手出来るの?」
アスカは受け止めた剣を弾き、そのまま悠祈の顔を殴りつけた。
「食らうかよ!」
悠祈はその拳をしっかりとかわし、アスカの腹を膝で蹴りあげる。
「うぐっ!」
予想以上に威力の高い蹴りがアスカの腹に直撃する。腹部を押さえて数歩下がるアスカに、悠祈は更なる追い討ちをかけた。
「うぉりゃぁぁ!」
うずくまるアスカの側頭部めがけて放たれた回し蹴りが見事命中し、吹き飛んだアスカの体は結界に激突した。
「がはっ……!」
ヨロヨロと立ち上がるアスカに、悠祈は剣を構える。
「あなた強いのね。」
「そうか?嬉しいことを言ってくれるなぁ。」
悠祈の体にまとうマナの量が増加する。そして、素早く地を蹴った悠祈は、超速とも言えるスピードでアスカに斬りかかった。
「はあぁぁ!」
振り下ろされた剣をかわし、放たれた蹴りを受け流す。まともに受け止めればどう頑張ってもダメージを受けてしまう攻撃を、アスカは最小限の動きで受け流していく。
「なかなかいい攻撃ね。まともに食らったら私の体でも相当ダメージ受けそう…。」
攻撃をかわしながら呟くアスカ。その余裕な姿を見た悠祈は急に攻撃のテンポを少しずらし、アスカの調子を狂わせにかかった。
「くっ…!」
悠祈の狙い通り、かわせなくなった攻撃を剣で受け止めたアスカ。そこで生じた隙は、悠祈にまたと無い勝機を与えた。
「ここだぁ!」
ガラ空きになったアスカの喉元に、悠祈は刃を突き立てる。しかし、その刃はアスカのとった回避行動によって、首筋に少しの切り傷をつけるだけで終わってしまう。
「くそっ!」
すかさずアスカから距離をとろうと後ろへ飛びすさる。しかし、アスカとの距離は開かず、手のを伸ばせば届くような距離のままだった。
「やっぱりあなたは危ないわ……。ここでどうにかしないとね。」
飛びすさった悠祈より少し早いスピードで追いかけたアスカは、悠祈の胸元めがけて手刀を突き出した。その攻撃はほんの一瞬で、悠祈に対処する時間すら与えなかった。
「ぐはっ…!」
体の奥深くまで突き刺さった手刀が、大量の血と一緒に体から引き抜かれる。それと同時に、口からも大量の血を吐き出す悠祈。しかし、ふらつく足を踏ん張りながら、悠祈は剣を構え直した。
「驚いた。まだ立ってられるの?」
血まみれになった手をペロリと舐めながら、目を丸くするアスカ。 そのアスカの顔目がけて、悠祈は倒れ込むように剣を突き出した。
「やめてよ。あなたにはこの闘いが終わった後、私の部下として仲間に加わって欲しい…。だから、殺したくないの。」
力なく突き出される剣を、素手で受け止めながらアスカは言う。
「へっ…!誰が……、お前なんかの部下に…なるかよ。」
言葉と同時に剣にマナが込められる。
「あっそ…。じゃあ、仕方ないね。生かしとく必要もなくなったし、……死んで?」
剣を押し返すことで体勢を崩した悠祈の首目がけて、アスカは剣を振り抜いた。
「三神さん!」
レオンが地を蹴り飛び出そうとしたその時、レオンの真横を何者かがとてつもないスピードで通り過ぎた。その人影はそのまま結界突き破ると悠祈に襲いかかろうとしているアスカの剣を弾き飛ばしてしまったのだった。
「全く…。人間がこれ程までの力を持ってたなんて誤算だったわ。」
煙の中からため息混じりの声が聞こえてくる。
「おいおい…。冗談じゃねーぞ全く。」
「あれだけやってほぼ無傷だなんて…。」
そう、次第に晴れてきた土煙から姿を現したアスカの体には、ほとんど傷が入っていないのだ。
「無傷じゃないわ。私の大事な服がボロボロよ。」
「えぇ。誰かさん好みの良い仕上がりですもんね。」
和海はクスリと笑いながら健太の顔を見る。しかし、健太は真剣な眼差しでアスカの動きに備えていた。
「あら?そっちのお兄さんは随分と余裕が無いみたいね。」
「当たり前だろ。そんな格好されたらまともに相手を見ることも出来ねぇからな。」
「ガッツリ見てるじゃない。」
笑い飛ばすアスカの一瞬の隙を突き、いきなり健太が飛びかかる。そして、剣を横1文字に振り抜き、その勢いて一回転した後、アスカの頭上から縦に剣を振り下ろした。
「よっ…!」
しかし、健太の連撃をアスカは軽快な動きでかわしてしまう。
「まだだっ!」
後ろに下がったアスカを追うように、健太はもう一度剣を振る。アスカは体を後ろに倒し回避する体勢をとるが、途中で何かに気づいたように腕で首元をガードした。
「うぐぅ……!」
健太の攻撃は間合いが変わるということを忘れていたアスカは急遽腕で攻撃をガードしたが、切りつけられた右腕は肘下から完全に切断され、大量の血と一緒にアスカの足元へドチャリと音を立てて落ちた。
「くっ……。」
激痛に冷や汗を浮かべるも、悲鳴をあげない精神力の高さ。戦っている感じで言えば戦闘力自体はレオン達とそこまで変わりはない。しかし、この精神力の違いが戦闘時の動きに違いを作る。
「はあぁぁ!」
隻腕で健太に殴りかかるアスカ。その顔からはさっきまでの苦痛に悶える表情が消え、無傷の時のアスカ・アンリエットに戻っていた。
「どうなってんだよお前。頭おかしいんじゃねぇのか?」
「どうだろうね。案外壊れてたりして。」
ケラケラと笑いながらも強烈な攻撃を繰り出してくるアスカを見て、健太の心にある恐怖心が一層増し始める。もしかすると、自分達はとんでもない者の相手をしているのではないかと。
「そろそろ危ないかな…。」
ふとアスカが呟く。
「危ない?」
「うん。」
健太の問いにアスカは短く答え、地面に落ちている自分の右腕を拾い上げた。
「どうするつもりだ?」
「どうもしないわ。ただ…。」
アスカは拾い上げた腕を、切断された右腕付近まで持上げる。この時、バロンの自己再生を見ていない健太と和海には、アスカの行動の意図が分からなかった。しかし、白は違った。白はバロンの自己再生を見ているのだ。
「だめぇぇぇ!」
白はすかさず自分に転移をかけ一瞬でアスカの前まで移動し、手に持った刀で切りつける。しかし、精霊の宿っていない普通の武器での攻撃はアスカにとって避けるまでもなく、体に当たった途端白の刀は粉々に砕けてしまった。
「そ、そんな…。」
「残念でした~。」
怯んだ白にアスカの膝蹴りが炸裂する。
「…ぐふっ!」
強烈な衝撃に白は一瞬意識が飛び、その場に膝をついてしまった。
「その高さだと、足だけで攻撃できるからありがたいわ。」
右腕を繋ぎ合わせた後、跪く白の頭目がけてアスカは蹴りの体勢に入る。
「まずい。あのまま蹴られたら…。」
慌てて健太はその場から駆け出した。アスカが放つ蹴りの威力は凄まじいものだ。元々、アスカと戦えるだけの戦闘能力を持ち合わせていない白が、マナを使い切った状態でアスカの蹴りをまともに食らったら命の保証はない。和海も健太の後ろから矢を放つ。
「くそっ!間に合わねぇ。」
健太が呟いた瞬間…。
「…なっ!?」
アスカが蹴りを放ったと同時に、アスカの目の前から白が姿を消したのだ。
「またあの奇妙な技?」
アスカはキョロキョロと辺りを見渡す。今の白には魔法陣を書いている様子はなかった。そもそも、転移を使えるほどマナも残っていなかった。訳が分からないまま辺りを見渡していると、アスカの背後から微かな足音が聞こえた。
「間に合ってよかった。」
アスカが声のした方を向くと、そこには白を抱えたまま立っているバロンの姿が。
「お前…。戦いは終わったのか!?」
「はい。こっちはさっき終わりました。」
バロンは健太の問いに答えると、木の根元に白をそっと寝かせアスカの方を振り返る。
「ここからは俺達も相手になる。お前一人じゃ相手にならないぞ!」
バロンが振り返った頃には既に、レオン達がアスカを取り囲んでいた。
「アゲハとフェイクに勝ったのね…。なかなかやるじゃない。」
アスカはそう言ってパチパチと手を叩いた。
「じゃあ、手加減したまま相手をするのは失礼ね。」
アスカが静かに手を前に突き出すと、ひと振りの剣が姿を現した。
「ここからが本番。がんばって私を楽しませてね?」
剣を構えたアスカはそう言うとニッコリと笑い、素早く跳躍した。
「まずはあなた!」
アスカの標的になったのは千紅沙だった。上下左右からかまいたちのように素早い斬撃が千紅沙に襲いかかる。
「……っ!」
両手に構えた剣でなんとか攻撃を凌ぐ千紅沙だが、そのあまりにも重たい攻撃に、だんだんと動きが鈍くなってくる。
「うおぉぉぉ!」
その二人に割ってはいるように、健弥は斧を振り下ろす。
「1対1で戦うつもりはないからな。勝手に邪魔させてもらうぜ?」
斧を構え直す健弥の背後から千紅沙と悠祈が飛び出し、同時に斬り掛かる。
「ナメないで!」
武器を振り上げている2人に、アスカが剣を振る。その瞬間、アスカの剣から灼熱の炎が吹き出し、その衝撃で千紅沙と悠祈は遥か後方に吹き飛ばされた。
「まだあんな能力隠してたのかよ…。」
健太がため息混じりに呟く。
「ひとつ聞きたいのだけど…。シャーロットは?」
アスカの言葉に全員が辺りを見渡す。確かにアスカの言うとおり、その場にシャーロットの姿はなかった。
「あなた達と同じで、彼女もサクヤ派だったでしょ?」
「そうだよ。少し訳があってね…。ここに来てから別行動をとってるの。」
レオンの言葉にアスカは眉をひそめる。だが、アスカの疑問はレオン達には関係がない。考え込むアスカの背後に音もなく忍び寄った瑞姫が、背中めがけて短刀を突き出した。
「うぐっ!」
深々と刺さった短刀はアスカの胸を貫き、血で真っ赤に染った刀身を露わにしていた。
「油断し過ぎなんじゃない?」
「本当に…油断し過ぎね…。まさか……こんな簡単に1人倒せるなんて。」
「え……?」
アスカが発した言葉の直後、アスカの体は千紅沙へと姿を変えた。
「千紅沙!?」
「残念ね。私を倒せると思ったのに…。ふふふっ!」
訳が分からず放心状態に陥った瑞姫の背後にまわったアスカは、瑞姫の耳元でそっと呟くと背中に剣を突き刺した。
「うぐぁ……!」
「はーい。お二人さん終了。」
どさりと倒れる千紅沙と瑞姫。それを見て思わず飛び出したのは悠祈と希だった。
「くそっ!」
「絶対に許さねぇ!」
武器を構えて飛び出した2人にニヤついた表情で向き直ったアスカは、再び剣に炎を纏わせ2人を斬りつける。
「くっ!」
希が攻撃を受け止めた隙に、悠祈の剣がアスカへと伸びる。
「もらったァ!」
「だめぇぇぇ!」
悠祈の剣がアスカを貫く直前、背後からレオンの叫びごえが響いた。
「ふふふっ!」
不意に聞こえたアスカの笑い声と共に剣が体を貫く。しかし。
「そ、そんな…。」
悠祈が貫いたのは、希の体だったのだ。
「あらら…。お仲間さん攻撃するの好きなの?」
煽るように問うアスカにレオンは飛び出し、ナイフを突き立てる。
「アンタ!近くに居る人と自分の場所を入れ替える技、いつの間に完成させてたの!?」
「使えない能力なんて意味無いもの。あなた達が人間界に行く頃には使えるようになってたわ。」
クスクスと笑いながら答えるアスカに、レオンは連続で攻撃を繰り出す。アスカの能力は近くに居る人物と自分の場所を瞬時に入れ替え、数秒間相手にその変化を感じさせないという能力だ。レオンはアスカの能力を知っていた。しかし、あまりの強力さ故に、完成させるのは無理だと思っていたのだ。
「私との戦い方を知っていて、尚且つ咄嗟に行動しても惑わされないレオンしか、私とまともに戦うことは出来ないわ。」
この能力のせいで5人もの仲間が戦闘不能になっている。もっと早く気づいていればと自分を責めながらみんなに下がるよう指示したレオンは、ナイフを構え直し真正面からアスカと対峙する。
「はあぁぁ!」
小柄な体を活かし様々な角度から繰り出される攻撃は他の誰よりも早い。しかし、その攻撃でさえアスカは両手で全て受け流していた。
「あのね…。疲れてるのか知らないけど、そんな攻撃じゃ私に傷なんてつけれないよ?」
ため息をついたアスカは両手を下ろし、レオンのナイフを体で受け止め始めた。
「このっ!……くそ…!」
何度斬りつけてもアスカの体には傷一つつかない。
「あなたの攻撃は傷をつけて初めて驚異的な能力を発揮する。でも、傷がつけれないんじゃあどうしようもないよねっ!」
必死で攻めたてるレオンのナイフを、アスカの剣が弾き飛ばす。
「これで終わりよ!」
バランスを崩したレオンの頭上から、アスカが剣を振り下ろす。
「しまっ…!」
どうやってもかわすことの出来るタイミングではない。レオンが何も出来ないまま振り下ろされる剣を見ていると。
「…!?」
突然、アスカの剣を何かが弾き攻撃を中断させる。
「近づいたらダメなんでしょ?じゃあ、近づかなければいいんじゃない?」
アスカが声の方を振り返ると、少し離れた所から和海が弓でアスカを狙っていた。
「そうね。確かにその通り。近づかなければこの能力は使えない。でも…、忘れたの?あなたの弓じゃ、私には傷をつけれない。」
「そんなの、やってみないと分からないじゃない!」
和海は力いっぱい弓を引き絞り、無数の矢をアスカに飛ばした。しかし。
「やめてっ!」
その矢をレオンが全て弾き落とした。
「なんのつもり!?」
「彼女にマナでの攻撃は無意味なの。」
「それって…どういう…。」
眉間にシワを寄せる和海に、今度はアスカが口を開いた。
「教えてあげる。私の体質はマナ吸収。相手から受けたマナでの攻撃を吸収し、自分のマナへ変換する能力よ。」
その言葉にその場にいた全員が驚愕した。マナでの攻撃が効かないという事は、和海の矢はもちろん、魔法系の攻撃も一切通用しないという事だ。その上、間違えて攻撃をしてしまえば、それは全てアスカに吸収され、彼女を回復させることになる。
「あなたの攻撃は完全に封じられてるの。分かる?」
素早く和海に駆け寄ったアスカが、ニヤリと笑って告げる。
「私をナメてると痛い目にあうよ。」
和海は弓の端を刃に変え、アスカに向かって振り抜いた。それはアスカの不意をついた完璧な攻撃で、アスカの反応を一瞬遅らせた。
「…くっ!」
間一髪で攻撃をかわしたアスカの背後から、健太が背中を切り上げる。
「ほら…。また忘れてる。」
ニヤリと笑うアスカに、健太は慌てて攻撃を中断しようとする。しかし、腕の勢いを止めることは出来ず、剣の先端が和海の背中へ刺さってしまった。
「ぎゃぁ…!」
「藍井!」
倒れ込む和海を受け止める健太。他の者より傷は浅いものの、出血は酷い。これ以上戦うことは出来ないだろう。
「すまない…。」
「まだ…やれますから大丈夫です…。」
「いや…。お前はもう休んでろ。」
健太は起き上がろうとする和海の体をそっと押さえた。
「とは言ったものの…、こんなやつ相手にどうやって…。」
和海を寝かせた後、健太は込み上げる気持ちを押し殺しきれずに呟いた。
「あともう少し…。シャーロットが間に合えば…。」
隣で呟くレオンの言葉が健太の耳に入る。
「何か策でもあるのか?」
「うん。シャーロットが間に合えばアスカに勝てるはずなんだけど…。」
レオンはアスカに聞こえないように呟くと、来た道とは全く違う方向を見つめた。
「なるほどな。じゃあ、俺達はシャーロットが来るまでの時間稼ぎでいいわけだ。」
「うん。倒せたらいいんだけど、多分今のボク達じゃあアスカを倒すのは無理だと思うから。」
それを聞いた健太は健弥と目配せをし、ある行動に出た。
「何をしてるの?」
アスカを挟むように立った2人は、地面に手を当て何かの詠唱を唱え始めた。
「何をする気か知らないけど、私にマナでの攻撃は通用しないのよ?」
余裕綽々といった態度で笑っているアスカをよそに2人の術が完成し、アスカを取り囲むように直径30メートル程の結界が姿を現した。
「こういう事でいいんだろ?」
結界を張れることを知らなかったレオンは、奥歯を噛み締めて悔やんだ。もっと早くに話していれば、アスカの能力で負傷する人数を大幅に減らせていたと。
「こんなもので私を閉じこめてどうするつもり?」
「いやー。どうやっても勝てないもんでな。このまま閉じこめて、その間に他の奴には回復してもらおうかと。」
結界を維持するために、結界のそばで座り込んでいる健太がニヤリと笑って言う。
「あっそ…。でも、これくらいの結界なら、私が少し本気を出せば…。」
アスカが結界に手を伸ばし、触れようとしたその時。
「そうはさせねぇよ!」
アスカの背後にある結界の壁が開き、悠祈がアスカめがけて突っ込んだ。
「この結界にはこれから一人づつしか入らない。これでお前の人を入れ替える能力は封じたぜ?」
「そうね。でも、あなた一人で私を相手出来るの?」
アスカは受け止めた剣を弾き、そのまま悠祈の顔を殴りつけた。
「食らうかよ!」
悠祈はその拳をしっかりとかわし、アスカの腹を膝で蹴りあげる。
「うぐっ!」
予想以上に威力の高い蹴りがアスカの腹に直撃する。腹部を押さえて数歩下がるアスカに、悠祈は更なる追い討ちをかけた。
「うぉりゃぁぁ!」
うずくまるアスカの側頭部めがけて放たれた回し蹴りが見事命中し、吹き飛んだアスカの体は結界に激突した。
「がはっ……!」
ヨロヨロと立ち上がるアスカに、悠祈は剣を構える。
「あなた強いのね。」
「そうか?嬉しいことを言ってくれるなぁ。」
悠祈の体にまとうマナの量が増加する。そして、素早く地を蹴った悠祈は、超速とも言えるスピードでアスカに斬りかかった。
「はあぁぁ!」
振り下ろされた剣をかわし、放たれた蹴りを受け流す。まともに受け止めればどう頑張ってもダメージを受けてしまう攻撃を、アスカは最小限の動きで受け流していく。
「なかなかいい攻撃ね。まともに食らったら私の体でも相当ダメージ受けそう…。」
攻撃をかわしながら呟くアスカ。その余裕な姿を見た悠祈は急に攻撃のテンポを少しずらし、アスカの調子を狂わせにかかった。
「くっ…!」
悠祈の狙い通り、かわせなくなった攻撃を剣で受け止めたアスカ。そこで生じた隙は、悠祈にまたと無い勝機を与えた。
「ここだぁ!」
ガラ空きになったアスカの喉元に、悠祈は刃を突き立てる。しかし、その刃はアスカのとった回避行動によって、首筋に少しの切り傷をつけるだけで終わってしまう。
「くそっ!」
すかさずアスカから距離をとろうと後ろへ飛びすさる。しかし、アスカとの距離は開かず、手のを伸ばせば届くような距離のままだった。
「やっぱりあなたは危ないわ……。ここでどうにかしないとね。」
飛びすさった悠祈より少し早いスピードで追いかけたアスカは、悠祈の胸元めがけて手刀を突き出した。その攻撃はほんの一瞬で、悠祈に対処する時間すら与えなかった。
「ぐはっ…!」
体の奥深くまで突き刺さった手刀が、大量の血と一緒に体から引き抜かれる。それと同時に、口からも大量の血を吐き出す悠祈。しかし、ふらつく足を踏ん張りながら、悠祈は剣を構え直した。
「驚いた。まだ立ってられるの?」
血まみれになった手をペロリと舐めながら、目を丸くするアスカ。 そのアスカの顔目がけて、悠祈は倒れ込むように剣を突き出した。
「やめてよ。あなたにはこの闘いが終わった後、私の部下として仲間に加わって欲しい…。だから、殺したくないの。」
力なく突き出される剣を、素手で受け止めながらアスカは言う。
「へっ…!誰が……、お前なんかの部下に…なるかよ。」
言葉と同時に剣にマナが込められる。
「あっそ…。じゃあ、仕方ないね。生かしとく必要もなくなったし、……死んで?」
剣を押し返すことで体勢を崩した悠祈の首目がけて、アスカは剣を振り抜いた。
「三神さん!」
レオンが地を蹴り飛び出そうとしたその時、レオンの真横を何者かがとてつもないスピードで通り過ぎた。その人影はそのまま結界突き破ると悠祈に襲いかかろうとしているアスカの剣を弾き飛ばしてしまったのだった。
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