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最終決戦編
第三十八話 【敵か…それとも…?】
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「うぐっ…!」
楓の刀を咄嗟に腕で受け止めたユリエルだったが、当然腕で刀を受け止められるわけもなく、右腕に深い傷を負ってしまう。
「その腕じゃあ、もう刀は振れないね。」
「ナメないで。これくらいの傷…。」
そう言ってユリエルは自分の傷口に手を当て、自分のマナを送り込み始めた。すると、みるみる内に出血が止まり、傷口が塞がり始めた。
「なんでもありなのね…。」
「だからナメないでって言ったでしょ?」
完治した右腕を軽く振った後、刀を構え直したユリエルはすかさず楓めがけて刀を振り下ろした。
「治っていきなりでこんな力が出るって、やっぱりおかしいんじゃないの?」
ユリエルの刀を押し返そうとする楓だが、あまりの力の強さに刀が動かない。
「ほらほら。もっと力を入れないと…。」
「…っ……くっ!」
ユリエルの力に押し負け、徐々に楓の首に刀が迫ってくる。
「早くどうにかしてごらんよ。でないとあなたの首…落ちちゃうよ?」
ニヤリと悪戯な笑みを浮かべながら、さらに力を入れるユリエル。
「こんなの…私が知ってる柚枝じゃない……。」
「またその名前…そんなに私を怒らせたいの?」
今にも舌打ちをしそうな表情で楓を睨みつけるユリエル。しかし、楓は呼び方を変えなかった。
「これは本当に柚枝が考えてしていることなの?本当に心の底から私たちの敵なの?」
「しつこいわね。そうじゃなければ何で今あなたとこうして戦わないといけないの?」
楓を睨みつけたまま、ユリエルは答えた。
「あなたの思っている柚枝っていう人物は、私が正体を隠すために演じていたただのキャラクターにすぎないの。本当の私がこっち。」
鋭い視線を向けたまま、口元だけがニヤリと笑う。その表情を見た楓の目からは、一筋の涙が流れる。
「うそ…だったの…?」
「何が?」
突然の問いに、ユリエルは少し首を傾げた。
「前に言ったよね。同じ隊のメンバー同士タメ口で話してもいいじゃない?って。あの時の優しい笑顔は…私にはとても演技には見えなかった…。それだけじゃない!暴走した隈界さんの攻撃から身を呈して庇ってくれた。あれも頭で考えてからだと間に合わない…。」
次々と溢れ出す大粒の涙が、拭われることなく地面に落ちていく。
「よくそんな前の事覚えているわね…。」
「覚えてるよ…。当たり前じゃない!大事な仲間なんだから!!!」
楓の声にユリエルの表情が少し変わり、刀を押し付ける力が少し弱まる。
「私がレオンに殺されそうになった時、柚枝何て言ったか覚えてる?」
「………。」
楓の問いにユリエルは答えない。
「私の大事な仲間をよくも…。」
「っ……!」
ボソリと呟いた楓の言葉を聞いた途端、ユリエルの手から殆どの力が抜けた。
「あの言葉って、少なくとも私を仲間だと認識してなければ出てこないと思うんだけど?」
表情の変わったユリエルに、さらに声をかける楓。すると、突然楓の頬を自分のものではない滴が伝った。
「かえ…で……。」
「柚枝…。」
楓が見上げると、ユリエルは大粒の涙を流し楓の顔を見つめていた。
「もう一度聞くけど…、柚枝は私達の敵?」
「ううん…。」
「私は、あなたの事をユリエルって呼ばないといけない?」
「ううん。」
楓の質問に涙ぐみながら首を横に振るユリエル。
「私たちと一緒に居た時の柚枝は演技だったの?」
「ううん!違う!楓達と一緒に居てすごく楽しかった!吸血鬼としてじゃなくて、人間として生活するのが…すごく……楽しかった!」
ユリエルの涙混じりの叫び声は、どう聞いても彼女の本心から出る言葉だった。楓はホッとひと安心し、ユリエルの頬に手を伸ばす。
「よかった…。このまま柚枝が敵のままだったら、どっちかが死ぬまでこの戦いは終わらなかっただろうから…。」
「うん…。ごめんね…楓。」
ユリエルは楓の傷口に手を当て、治療を始めた。右腕を赤く染めていた傷口もほんの数秒で完治し、運動能力も回復する。
「本当に、柚枝の治癒能力はすごいね。」
右手を動かしながら彼女の能力を誉める。激しく動かしても、楓の右腕は全く痛みを感じなかった。
「そりゃ、長い時間かけて磨きをかけた能力だからね。」
そう言って自慢げに微笑むユリエルの顔は、吸血鬼・ユリエルではなく、楓の知っている柚枝のものだった。
「やれやれ…。ユリエル。貴様には失望したぞ?」
「「!?」」
突然聞こえてきた謎の声に、慌てて臨戦態勢をとる二人。
「誰?」
「アンロックよ。」
ユリエルが短く答えると、暗闇の中からクスクスと笑いながら一人の男が出てきた。
「俺がかけた術を言葉だけで外すとは…、全く君の力には驚かされるよ。…いや、君の力じゃなくてサクヤの力かな?」
「!?」
楓はアンロックの言葉に目を丸くした。
「何を驚いている?君から感じるマナはサクヤのそれとよく似ている。気づかない方がおかしいだろう?」
アンロックはそう言うと、腰に差した剣を引き抜き、正面で構えた。
「あのサクヤの力を取り込んだ人間の力…クククッ、楽しみだ。」
不気味な笑みを浮かべながら楓に向かって一直線に飛び出したアンロックは、楓の頭上から手に持った片手剣を振り下ろす。あまりのスピードに楓は避けることが出来ずに、なんとか自分の刀で受け止めた。
「このスピードについてくるか…。なかなかやるな。」
「あなたの方こそ、吸血鬼の頂点でふんぞり返っているだけだと思っていたわ。」
「バカめ。実力がない奴に従う者など、居るはずがないだろ?」
アンロックはそう言いながら、剣に込める力を強めていく。
「こ…のっ…!」
アンロックの剣を押し返そうとする楓だが、その強大な力で逆に押し込まれてしまう。
「制限……解除…。」
「なにっ!?」
楓が呟いた瞬間、全身からとてつもない量のマナが吹き出し、剣を押し返す力が跳ね上がる。
「なんなんだよこの力は。」
力で完全に勝っていた相手に、一瞬で押し返されて焦るアンロック。しかし、そんな彼を無視するように、楓は自分の刀をアンロックへと押しつけた。
「これが私と做夜の本当の力よ。」
そう言って更に力を込める楓。しかし、この状況でアンロックの口元は笑っていた。
「何がおかしいの?」
「いや、すまない。ここまで強いとは思っていなくてな。」
楓の問いに笑みを浮かべたまま答えるアンロック。
「お前一人でこの差だもんな…。ここにユリエルの戦力まで追加するとなると鳥肌が立ったぜ」
なんとか楓の力に抗いながらも、どこか余裕を見せるアンロック。
「何を企んでいるの?」
不審に思った楓が問うと、アンロックは再び笑みを浮かべた表情で楓の顔を見た。
「なぜ、ユリエルは参加してこない?」
「え…?」
楓は一瞬返答に困った。確かに、楓とアンロックとの力の差はそんなにない。戦いが始まった直後はむしろ楓の方が負けていた。しかし、戦いが始まってから一度も、ユリエルはアンロックに攻撃していないのだ。
「なぜか教えてやろうか?」
ジリジリと刀を押し返しながらアンロックが言う。
「俺が戦いながら、ユリエルにもう一度、術をかけたからだよ!」
「!?」
アンロックの言葉に衝撃を受けた楓のマナが大幅に揺らいだ。その隙を見て、アンロックは一気に刀を押し返し、楓を後方の壁へと押しつけた。
「形勢逆転だな。」
「くっ…。」
マナの揺らぎを沈め刀に集中させる楓。
「ユリエル。こっちへ来い。」
「はい。」
アンロックの言葉に従うユリエルを見て、再びマナが揺らいだ。コツコツと足音をたて背後まで来たユリエルに、アンロックが指示を出す。
「こいつにトドメを指せ。」
「分かりました。」
感情を無くした人形の様に淡々と答えるユリエル。そして、手に持った刀を天高く振り上げると、楓と目を合わせた。
「柚…枝……?」
「何度も何度も嫌になるわね。私にはちゃんとした名前があるって言ってるでしょ?」
強い口調に戻ったユリエルに、楓の目から再び涙が溢れた。
「親友の手で殺されるんだ。これほどいい土産はないだろう?」
涙を流す楓を嘲笑いながら、ユリエルに視線で指示を出す。
「ごめんなさい……。」
小さく、しかしはっきりとユリエルはそう呟き、振り上げた刀にマナを込めると、そのまま全力で振り下ろした。
楓の刀を咄嗟に腕で受け止めたユリエルだったが、当然腕で刀を受け止められるわけもなく、右腕に深い傷を負ってしまう。
「その腕じゃあ、もう刀は振れないね。」
「ナメないで。これくらいの傷…。」
そう言ってユリエルは自分の傷口に手を当て、自分のマナを送り込み始めた。すると、みるみる内に出血が止まり、傷口が塞がり始めた。
「なんでもありなのね…。」
「だからナメないでって言ったでしょ?」
完治した右腕を軽く振った後、刀を構え直したユリエルはすかさず楓めがけて刀を振り下ろした。
「治っていきなりでこんな力が出るって、やっぱりおかしいんじゃないの?」
ユリエルの刀を押し返そうとする楓だが、あまりの力の強さに刀が動かない。
「ほらほら。もっと力を入れないと…。」
「…っ……くっ!」
ユリエルの力に押し負け、徐々に楓の首に刀が迫ってくる。
「早くどうにかしてごらんよ。でないとあなたの首…落ちちゃうよ?」
ニヤリと悪戯な笑みを浮かべながら、さらに力を入れるユリエル。
「こんなの…私が知ってる柚枝じゃない……。」
「またその名前…そんなに私を怒らせたいの?」
今にも舌打ちをしそうな表情で楓を睨みつけるユリエル。しかし、楓は呼び方を変えなかった。
「これは本当に柚枝が考えてしていることなの?本当に心の底から私たちの敵なの?」
「しつこいわね。そうじゃなければ何で今あなたとこうして戦わないといけないの?」
楓を睨みつけたまま、ユリエルは答えた。
「あなたの思っている柚枝っていう人物は、私が正体を隠すために演じていたただのキャラクターにすぎないの。本当の私がこっち。」
鋭い視線を向けたまま、口元だけがニヤリと笑う。その表情を見た楓の目からは、一筋の涙が流れる。
「うそ…だったの…?」
「何が?」
突然の問いに、ユリエルは少し首を傾げた。
「前に言ったよね。同じ隊のメンバー同士タメ口で話してもいいじゃない?って。あの時の優しい笑顔は…私にはとても演技には見えなかった…。それだけじゃない!暴走した隈界さんの攻撃から身を呈して庇ってくれた。あれも頭で考えてからだと間に合わない…。」
次々と溢れ出す大粒の涙が、拭われることなく地面に落ちていく。
「よくそんな前の事覚えているわね…。」
「覚えてるよ…。当たり前じゃない!大事な仲間なんだから!!!」
楓の声にユリエルの表情が少し変わり、刀を押し付ける力が少し弱まる。
「私がレオンに殺されそうになった時、柚枝何て言ったか覚えてる?」
「………。」
楓の問いにユリエルは答えない。
「私の大事な仲間をよくも…。」
「っ……!」
ボソリと呟いた楓の言葉を聞いた途端、ユリエルの手から殆どの力が抜けた。
「あの言葉って、少なくとも私を仲間だと認識してなければ出てこないと思うんだけど?」
表情の変わったユリエルに、さらに声をかける楓。すると、突然楓の頬を自分のものではない滴が伝った。
「かえ…で……。」
「柚枝…。」
楓が見上げると、ユリエルは大粒の涙を流し楓の顔を見つめていた。
「もう一度聞くけど…、柚枝は私達の敵?」
「ううん…。」
「私は、あなたの事をユリエルって呼ばないといけない?」
「ううん。」
楓の質問に涙ぐみながら首を横に振るユリエル。
「私たちと一緒に居た時の柚枝は演技だったの?」
「ううん!違う!楓達と一緒に居てすごく楽しかった!吸血鬼としてじゃなくて、人間として生活するのが…すごく……楽しかった!」
ユリエルの涙混じりの叫び声は、どう聞いても彼女の本心から出る言葉だった。楓はホッとひと安心し、ユリエルの頬に手を伸ばす。
「よかった…。このまま柚枝が敵のままだったら、どっちかが死ぬまでこの戦いは終わらなかっただろうから…。」
「うん…。ごめんね…楓。」
ユリエルは楓の傷口に手を当て、治療を始めた。右腕を赤く染めていた傷口もほんの数秒で完治し、運動能力も回復する。
「本当に、柚枝の治癒能力はすごいね。」
右手を動かしながら彼女の能力を誉める。激しく動かしても、楓の右腕は全く痛みを感じなかった。
「そりゃ、長い時間かけて磨きをかけた能力だからね。」
そう言って自慢げに微笑むユリエルの顔は、吸血鬼・ユリエルではなく、楓の知っている柚枝のものだった。
「やれやれ…。ユリエル。貴様には失望したぞ?」
「「!?」」
突然聞こえてきた謎の声に、慌てて臨戦態勢をとる二人。
「誰?」
「アンロックよ。」
ユリエルが短く答えると、暗闇の中からクスクスと笑いながら一人の男が出てきた。
「俺がかけた術を言葉だけで外すとは…、全く君の力には驚かされるよ。…いや、君の力じゃなくてサクヤの力かな?」
「!?」
楓はアンロックの言葉に目を丸くした。
「何を驚いている?君から感じるマナはサクヤのそれとよく似ている。気づかない方がおかしいだろう?」
アンロックはそう言うと、腰に差した剣を引き抜き、正面で構えた。
「あのサクヤの力を取り込んだ人間の力…クククッ、楽しみだ。」
不気味な笑みを浮かべながら楓に向かって一直線に飛び出したアンロックは、楓の頭上から手に持った片手剣を振り下ろす。あまりのスピードに楓は避けることが出来ずに、なんとか自分の刀で受け止めた。
「このスピードについてくるか…。なかなかやるな。」
「あなたの方こそ、吸血鬼の頂点でふんぞり返っているだけだと思っていたわ。」
「バカめ。実力がない奴に従う者など、居るはずがないだろ?」
アンロックはそう言いながら、剣に込める力を強めていく。
「こ…のっ…!」
アンロックの剣を押し返そうとする楓だが、その強大な力で逆に押し込まれてしまう。
「制限……解除…。」
「なにっ!?」
楓が呟いた瞬間、全身からとてつもない量のマナが吹き出し、剣を押し返す力が跳ね上がる。
「なんなんだよこの力は。」
力で完全に勝っていた相手に、一瞬で押し返されて焦るアンロック。しかし、そんな彼を無視するように、楓は自分の刀をアンロックへと押しつけた。
「これが私と做夜の本当の力よ。」
そう言って更に力を込める楓。しかし、この状況でアンロックの口元は笑っていた。
「何がおかしいの?」
「いや、すまない。ここまで強いとは思っていなくてな。」
楓の問いに笑みを浮かべたまま答えるアンロック。
「お前一人でこの差だもんな…。ここにユリエルの戦力まで追加するとなると鳥肌が立ったぜ」
なんとか楓の力に抗いながらも、どこか余裕を見せるアンロック。
「何を企んでいるの?」
不審に思った楓が問うと、アンロックは再び笑みを浮かべた表情で楓の顔を見た。
「なぜ、ユリエルは参加してこない?」
「え…?」
楓は一瞬返答に困った。確かに、楓とアンロックとの力の差はそんなにない。戦いが始まった直後はむしろ楓の方が負けていた。しかし、戦いが始まってから一度も、ユリエルはアンロックに攻撃していないのだ。
「なぜか教えてやろうか?」
ジリジリと刀を押し返しながらアンロックが言う。
「俺が戦いながら、ユリエルにもう一度、術をかけたからだよ!」
「!?」
アンロックの言葉に衝撃を受けた楓のマナが大幅に揺らいだ。その隙を見て、アンロックは一気に刀を押し返し、楓を後方の壁へと押しつけた。
「形勢逆転だな。」
「くっ…。」
マナの揺らぎを沈め刀に集中させる楓。
「ユリエル。こっちへ来い。」
「はい。」
アンロックの言葉に従うユリエルを見て、再びマナが揺らいだ。コツコツと足音をたて背後まで来たユリエルに、アンロックが指示を出す。
「こいつにトドメを指せ。」
「分かりました。」
感情を無くした人形の様に淡々と答えるユリエル。そして、手に持った刀を天高く振り上げると、楓と目を合わせた。
「柚…枝……?」
「何度も何度も嫌になるわね。私にはちゃんとした名前があるって言ってるでしょ?」
強い口調に戻ったユリエルに、楓の目から再び涙が溢れた。
「親友の手で殺されるんだ。これほどいい土産はないだろう?」
涙を流す楓を嘲笑いながら、ユリエルに視線で指示を出す。
「ごめんなさい……。」
小さく、しかしはっきりとユリエルはそう呟き、振り上げた刀にマナを込めると、そのまま全力で振り下ろした。
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