58 / 98
第四章 森の精霊
第58話 ミィナ最強伝説、爆誕!?そして新たな仲間ルクピー誕生!
しおりを挟む
「「しまった!!」」
ルノアとエメルダがそう言ったときには、すでにその小動物は、アマトに飛び掛かっていた。
しかし――どうも様子がおかしかった。
その小動物は、アマトに体をこすりつけ
「ルク、ルク、ルク」
という声を繰り返し、まるで甘えているようであった。
「「なっ……」」
口をアングリ開けたまま、ルノアとエメルダが石像のように固まる。
そんな二人をよそにミィナは、アマトに近寄り、にっこり笑う。
「かわいいですよね?アマト様」
と言うと、その小動物の背中を優しく撫でた。
「あぁ、そうだな」
アマトもその小動物を片手で抱え、頭を撫でる。
((なっ、なに―っ!?))
ルノアとエメルダは、相変わらず口を開けたままで、心の中だけで絶叫していた。
身体がついてこない――二人にとっては、それぐらいの衝撃であったのだ。
「これは、見たことのない動物ですね」
ルダルが腕を組みつぶやくように言った。
『本当に可愛いぃぃぃ~っ!』
精神空間に浮かぶモニターらしきものに、アマトの目を介して映し出されるその小動物を見て、ティアマトがはしゃぐ。
『うむ、俺様から見てもなかなか愛らしいではないか』
ゼルヴァスにしては意外な発言だった。
『あら、ゼルヴァスちゃんも「かわいい」なんて思うのね。本当に……"魔王"なのぉ~?」
精神空間で大の字になってカオス空間への入り口に引っかかっているゼルヴァスの顔を覗き込みながら、ティアマトがからかうように言った。もっともその目は――どこか核心をついているかのような目にも見えた。
『う、うるさいっ!俺様はこの世で最も恐れられた存在だ。その俺様ですら「かわいい」と思うほどの……強敵ということだ!」
ゼルヴァスは顔を横に背け、声を張り上げた。
(いや、お前、照れてるだろ)
アマトが心の中で突っ込む。
しばらく、このようなやり取りがなされている間、ルノアとエメルダは、呪縛にも似た衝撃からなかなか抜け出せないままで、思考だけが先行していた。
(い、いや。あいつ、ちょっとアマト様に馴れ馴れすぎだろ!)
(あいつ、ゆるさねぇ。絶対に食ってやる!)
(あぁ、オレもあいつみたいな小動物だったらっ!)
(お、俺も、ハグしたいっ!いや、ハグされたいっ!)
ルノアとエメルダは、そんな醜い嫉妬心と妄想を胸の中で爆発させていた。
そして、徐々に体が思考に追い付き、突如、身体が動き、アマトのもとへ飛び込むと、二人は、その小動物をアマトから必死に引きはがそうとしていた。
「こいつ、オレだってアマト様に身体を擦り付けたことがないのに!」
「お前は、ミンチだ。絶対、ミンチだ!」
二人の思考の続きがだだ洩れのまま、小動物ともみ合う。
「ル、ルクピーーーッ!!!」
その叫びは森に木霊し、まるで助けを求めるように空へ響いた――。
すると、ルノアとエメルダの背後から巨大なオーラ立ち込めた。
そのオーラを感じ取ったルノアとエメルダが我に返って、恐る恐る振り向くと――。
そこには、腕を組み、鬼の形相をしたミィナが仁王立ちしていたのだった。
「あ、な、た、たち!!!ルクちゃんに何をしてるのかしら?」
「「ル、ルクちゃん??」」
引きつりながらも疑問を投げかける二人であったが……
「「も、申し訳ございません……」」
二人はミィナに完敗であった。
『ミ、ミィナ……お前、実は最強ってことは……』
『き、気を付けないとね……』
と、精神空間の二人が絶句した。
(いや、お前ら……俺の精神空間から出られないし、物理干渉できないから関係ないだろ。というか、ミィナはお前らの存在を知らない)
と再びアマトが心の中で突っ込んだ。
「ミィナ。ルクって名前か?」
ルダルは相変わらず冷静である。
「名前はルクピーで、愛称はルクちゃんです!」
ミィナがにっこり笑ってルダルを見た。
「それで、名前を付けてこれからどうするつもりだ?」
ミィナも「そうか」という顔をして少し戸惑った顔でアマトの方に向き返り、
「アマト様、あの……」
「連れて行きたいのか?」
「はいっ」
ミィナが力強く答えた。
「しかし、そいつが本当に一緒に来たいかどうかは分からないぞ?」
アマトが聞き返すと、ミィナがルクピーの顔を自分の方に向けて語りかけた。
「ルクちゃん……一緒に行きたい?」
するとーー
「ルクククーッ」
ルクピーが高らかに声を発し、ミィナの腕から跳ね上がって空中で一回転してみせた。
それは同意したことを示したことが誰の目からも明らかであった。
そして、
「わかった。ミィナの好きにするといい」
とアマトが言うと、ミィナの顔がぱっと明るくなり、
「ありがとうございます! ルクちゃん、よかったね!」
とルクピーを両手で高く持ち上げて喜んだ。
「ルク、ルクーッ!」
とルクピーも喜びの表現で返す。
そんなやり取りに、
「「へっ」」
ルノアとエメルダが驚いて思わずすっとんきょうな声を発した。
それを聞き取ったミィナがルノアとエメルダのほうへ振り向いて言った。
「あら、何か文句があるのかしら……ルノア?エメルダさん?」
うつむき加減の顔を徐々に上げていくそのしぐさは、何物にも勝るオーラ(威圧)を増強しているかのようであった。
圧倒されたルノアとエメルダは一歩あとずさりをして
「「い、いえ。ありません……」」
と言わざるを得なかったのだった。
(か、勝てない。今の俺たちには……とてもミィナには勝てない……)
(ち、ちくしょう……もっと修行だ。修行が必要だっ!)
ルノアとエメルダは心の中で絶望感と決意が交錯するのであった。
もっとも、何を修行すればいいのかは、まるで分かっていなかったのだが――。
こうして、アマト一行に新たな仲間(?)ルクピーが加わったのだった。
ルノアとエメルダがそう言ったときには、すでにその小動物は、アマトに飛び掛かっていた。
しかし――どうも様子がおかしかった。
その小動物は、アマトに体をこすりつけ
「ルク、ルク、ルク」
という声を繰り返し、まるで甘えているようであった。
「「なっ……」」
口をアングリ開けたまま、ルノアとエメルダが石像のように固まる。
そんな二人をよそにミィナは、アマトに近寄り、にっこり笑う。
「かわいいですよね?アマト様」
と言うと、その小動物の背中を優しく撫でた。
「あぁ、そうだな」
アマトもその小動物を片手で抱え、頭を撫でる。
((なっ、なに―っ!?))
ルノアとエメルダは、相変わらず口を開けたままで、心の中だけで絶叫していた。
身体がついてこない――二人にとっては、それぐらいの衝撃であったのだ。
「これは、見たことのない動物ですね」
ルダルが腕を組みつぶやくように言った。
『本当に可愛いぃぃぃ~っ!』
精神空間に浮かぶモニターらしきものに、アマトの目を介して映し出されるその小動物を見て、ティアマトがはしゃぐ。
『うむ、俺様から見てもなかなか愛らしいではないか』
ゼルヴァスにしては意外な発言だった。
『あら、ゼルヴァスちゃんも「かわいい」なんて思うのね。本当に……"魔王"なのぉ~?」
精神空間で大の字になってカオス空間への入り口に引っかかっているゼルヴァスの顔を覗き込みながら、ティアマトがからかうように言った。もっともその目は――どこか核心をついているかのような目にも見えた。
『う、うるさいっ!俺様はこの世で最も恐れられた存在だ。その俺様ですら「かわいい」と思うほどの……強敵ということだ!」
ゼルヴァスは顔を横に背け、声を張り上げた。
(いや、お前、照れてるだろ)
アマトが心の中で突っ込む。
しばらく、このようなやり取りがなされている間、ルノアとエメルダは、呪縛にも似た衝撃からなかなか抜け出せないままで、思考だけが先行していた。
(い、いや。あいつ、ちょっとアマト様に馴れ馴れすぎだろ!)
(あいつ、ゆるさねぇ。絶対に食ってやる!)
(あぁ、オレもあいつみたいな小動物だったらっ!)
(お、俺も、ハグしたいっ!いや、ハグされたいっ!)
ルノアとエメルダは、そんな醜い嫉妬心と妄想を胸の中で爆発させていた。
そして、徐々に体が思考に追い付き、突如、身体が動き、アマトのもとへ飛び込むと、二人は、その小動物をアマトから必死に引きはがそうとしていた。
「こいつ、オレだってアマト様に身体を擦り付けたことがないのに!」
「お前は、ミンチだ。絶対、ミンチだ!」
二人の思考の続きがだだ洩れのまま、小動物ともみ合う。
「ル、ルクピーーーッ!!!」
その叫びは森に木霊し、まるで助けを求めるように空へ響いた――。
すると、ルノアとエメルダの背後から巨大なオーラ立ち込めた。
そのオーラを感じ取ったルノアとエメルダが我に返って、恐る恐る振り向くと――。
そこには、腕を組み、鬼の形相をしたミィナが仁王立ちしていたのだった。
「あ、な、た、たち!!!ルクちゃんに何をしてるのかしら?」
「「ル、ルクちゃん??」」
引きつりながらも疑問を投げかける二人であったが……
「「も、申し訳ございません……」」
二人はミィナに完敗であった。
『ミ、ミィナ……お前、実は最強ってことは……』
『き、気を付けないとね……』
と、精神空間の二人が絶句した。
(いや、お前ら……俺の精神空間から出られないし、物理干渉できないから関係ないだろ。というか、ミィナはお前らの存在を知らない)
と再びアマトが心の中で突っ込んだ。
「ミィナ。ルクって名前か?」
ルダルは相変わらず冷静である。
「名前はルクピーで、愛称はルクちゃんです!」
ミィナがにっこり笑ってルダルを見た。
「それで、名前を付けてこれからどうするつもりだ?」
ミィナも「そうか」という顔をして少し戸惑った顔でアマトの方に向き返り、
「アマト様、あの……」
「連れて行きたいのか?」
「はいっ」
ミィナが力強く答えた。
「しかし、そいつが本当に一緒に来たいかどうかは分からないぞ?」
アマトが聞き返すと、ミィナがルクピーの顔を自分の方に向けて語りかけた。
「ルクちゃん……一緒に行きたい?」
するとーー
「ルクククーッ」
ルクピーが高らかに声を発し、ミィナの腕から跳ね上がって空中で一回転してみせた。
それは同意したことを示したことが誰の目からも明らかであった。
そして、
「わかった。ミィナの好きにするといい」
とアマトが言うと、ミィナの顔がぱっと明るくなり、
「ありがとうございます! ルクちゃん、よかったね!」
とルクピーを両手で高く持ち上げて喜んだ。
「ルク、ルクーッ!」
とルクピーも喜びの表現で返す。
そんなやり取りに、
「「へっ」」
ルノアとエメルダが驚いて思わずすっとんきょうな声を発した。
それを聞き取ったミィナがルノアとエメルダのほうへ振り向いて言った。
「あら、何か文句があるのかしら……ルノア?エメルダさん?」
うつむき加減の顔を徐々に上げていくそのしぐさは、何物にも勝るオーラ(威圧)を増強しているかのようであった。
圧倒されたルノアとエメルダは一歩あとずさりをして
「「い、いえ。ありません……」」
と言わざるを得なかったのだった。
(か、勝てない。今の俺たちには……とてもミィナには勝てない……)
(ち、ちくしょう……もっと修行だ。修行が必要だっ!)
ルノアとエメルダは心の中で絶望感と決意が交錯するのであった。
もっとも、何を修行すればいいのかは、まるで分かっていなかったのだが――。
こうして、アマト一行に新たな仲間(?)ルクピーが加わったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
しがない電気屋のおっさん、異世界で家電召喚ライフしてたら民から神格化され魔王から狙われる
長月 鳥
ファンタジー
町の電気屋として細々と暮らしていた俺、轟電次郎(とどろき でんじろう)。
ある日、感電事故であっけなく人生終了──のはずが、目を覚ましたら異世界だった。
そこは魔法がすべての世界。
スマホも、ドライヤーも、炊飯器も、どこにもない。
でもなぜか俺だけは、“電力を生み出し家電を召喚できる”という特異体質を持っていて──
「ちょっと暮らしやすくなればそれでいい」
そんなつもりで始めた異世界ライフだったのに……
家電の便利さがバレて、王族に囲まれ、魔導士に拉致され、気が付けば──
「この男こそ、我らの神(インフラ)である!」
えぇ……なんでそうなるの!?
電気と生活の知恵で異世界を変える、
元・電気屋おっさんのドタバタ英雄(?)譚!
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
お助け妖精コパンと目指す 異世界サバイバルじゃなくて、スローライフ!
tamura-k
ファンタジー
お祈りメールの嵐にくじけそうになっている谷河内 新(やごうち あらた)は大学四年生。未だに内定を取れずに打ちひしがれていた。
ライトノベルの異世界物が好きでスローライフに憧れているが、新の生存確認にやってきたしっかり者の妹には、現実逃避をしていないでGWくらいは帰って来いと言われてしまう。
「スローライフに憧れているなら、まずはソロキャンプくらいは出来ないとね。それにお兄ちゃん、料理も出来ないし、大体畑仕事だってやった事がないでしょう? それに虫も嫌いじゃん」
いや、スローライフってそんなサバイバル的な感じじゃなくて……とそんな事を思っていたけれど、ハタと気付けばそこは見知らぬ森の中で、目の前にはお助け妖精と名乗るミニチュアの幼児がいた。
魔法があるという世界にほんのり浮かれてみたけれど、現実はほんとにサバイバル?
いえいえ、スローライフを希望したいんですけど。
そして、お助け妖精『コパン』とアラタの、スローライフを目指した旅が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる