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第四章 森の精霊
第61話 森の精霊を狙う者たち
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ラグナメアのオルギーの執務室――
いつものようにフトノスも一緒にいて、ソファーに座り、ワインを飲んでいる。
そして、オルギーは立ち歩きながら
「まぁ、そう怒るな。友よ」
と、笑いながら魔話機で誰かと話していた。
「冗談ではない。あんな魔獣がやって来るなんて思ってもいなかった。ちょうど結界の強化を図っていたところだったからなんとかなったものの、危うく全滅しかけるところだったんだぞ」
怒鳴り声ではないが、明らかに憤慨している男の声が魔話機のスピーカーから漏れていた。
「それは、悪かったな。アークリオスに魔獣召喚装置を渡したのは私だから、その原因を作ったのは私ということになるかもな。この埋め合わせはしてやるぞ。何が欲しい、マナインジェクターか?」
オルギーは、笑みを浮かべながらチラッとフトノスに目をやった。
その仕草に、フトノスは苦笑する。
「マナインジェクターもそうだが、手練れを数名よこしてもらいたい」
魔話機の男は、この話をしたかったのであろう。冷静な口調で話し始めた。
「実は、精霊発見装置を開発したのだが精霊を発見したとしてもそれを捕まえる者たちがいない。そこでお前たちの力を借りたい」
その言葉にオルギーの表情が真顔となった。
「それは本当か。であれば、是非もない。協力させてもらおう」
そして、その男は
「話が早くて助かる。では、早急に頼む」
と言って魔話機を切った。
オルギーは、ニヤリと笑うとフトノスの前のソファーにどっしりと座り、
「面白いことになったな」
とほくそ笑む。
そこへフトノスが
「そもそもあの男は何者なんだ?」
とオルギーに尋ねた。
オルギーはニヤリと笑って言った。
「教えてなかったか?あいつは賢者の石をつくるためのベース技術を横流ししたやつだ」
フトノスが目を細める。
虫から魔素を搾り取る技術ーードワーフが開発したとされるあの手法を異世界人に渡した張本人が、この男だったとは。
「なるほど。しかし、まさか魔獣召喚装置のエネルギー源が賢者の石で、その技術が自分たちが開発したものを礎にしているとは思ってもみないだろうな」
と、フトノスも口元を緩めて言った。
「あぁ。しかも、まだまだアークリオスは魔獣の召喚を続けるぞ。なにせ、ガルドリアの人口は莫大だ。ハッハッハッ」
「フッ。まったく、魔族にもどうしようもない馬鹿な奴がいたもんだ」
オルギーとフトノスは目の前にあったグラスを一気に飲み干すと、オルギーが大声で言った。
「そういうことだな。とにかく、その馬鹿に頼まれた通り、エルシアの森へバナムを行かせよう」
ラグナメアの高速飛行魔艇が格納されている倉庫――
オルギーが倉庫の扉から中へ入ってくると、倉庫にいた部下たちが整列をして敬礼をした。
「閣下、なぜこのようなところへ」
バナムが、恐縮しつつ問いかける。
「なに。単なる野暮用だ。ちょっとエルシアの森へ行って雑用をしてきてもらいたいがいいか?」
「ハッ。どのようなご用件で?」
バナムは顔をやや上に向け、敬礼したままオルギーに質問を続けると、
「森の精霊を確保してきてもらいたい。できるか?」
とオルギーが答える。
「ハッ。わかりました。それでは早急に部下を引き連れてエルシアの森へ向かいます」
そう言うと、バナムは敬礼をしていた腕を下げて背筋を伸ばした。
「そうそう、アルティマナが出来た今となっては、マナインジェクターは無用の長物だ。途中でばらまいてこい。わかっていると思うが、オーガ族エリアにマナインジェクターを待ち望んでいる連中がいるはずだ」
オルギーの口元に笑みが浮かぶ。
「それでは、マナインジェクターも魔艇に積んでおきましょう」
バナムは、直立不動のまま再び敬礼をした。
そして、
「閣下、一つ確認があります。アルティマナの使用は可能でしょうか」
とバナムが質問をすると、
「アルティマナか……まだあれは新しく開発したものだから、その存在は知られたくないな。ただ、万が一必要な時は言ってくれ」
とオルギーは答えた。
「承知しました。では、アルティマナは携行し、必要と考えられるときは別途ご相談させていただきます」
と言って、バナムが再び敬礼を解いた。
「では、頼んだぞ」
そういうとオルギーはバナムに背を向けて倉庫を去っていった。
その姿を目で追って、オルギーの姿が見えなくなると、バナムが声を張り上げる。
「お前たち、マナインジェクターを積み次第、エルシアの森へ出発だ。結界の護符を忘れるなよ。あれがなければ魔艇は結界にぶつかってお陀仏だからな」
部下たちが敬礼をすると、一斉に散って出発の準備に取り掛かった。
―――
出発の準備が整い、倉庫から高速飛行魔艇が滑走路に出て行った。
魔艇のブリッジにはバナムの姿があり、鋭い声が響く。
「航路はオーガ族エリアの上空を経由。そこでマナインジェクターを投下する。その後、エルシアの森へ向かうぞ」
そして、魔艇はラグナメアの基地を飛び立っていった。
その光景を、不敵な笑みを浮かべながら、オルギーはじっと見つめていた――。
―――
エルシアの森とドルムの里の中央広場。
そこには、結界の魔素濃度を上げるための二機目の魔素供給装置を動かすべく、セイラスタンをはじめ、エルフとドワーフが集まっていた。
供給装置の起動スイッチは、虫を魔素源とする高起魔力装置に直結している。
そのスイッチの横には、ジルクが複雑な思いで立っていた。
一方、ルーインの横で、バルナックは精霊発見装置を手に、供給装置から魔素が結界へ供給されるのを待っていた。
「では、点火しろ!」
ルーインが声を張りあげる。
ジルクが、一瞬の戸惑いを示すも、目を固くつむり、高起魔力装置のスイッチを押した。
すると、
グィー――ン、
という音と共に二機目の魔素供給装置が動き出した。
ほどなくして、一機目の供給装置と同じように、魔素反応灯が淡く光り始めた。
ドルマが
「成功だな」
とボソッと言うと、ルーインが
「よし。よくやった」
と言って、バルナックを見た。
バルナックは、やれやれという表情をすると、
精霊発見装置のスイッチを押した。
ルーインが、早速、装置を覗き込むと、その画面の一点が弱く点滅し始めた。
「こ、ここに精霊がいるのか?」
とルーインは興味津々に尋ねた。
「上手く動き出しているようだが、まだだ。魔素が結界に十分みたされていない。あと数時間もすると点滅が強くなり、正確な位置がこの画面に示される。それまで待っていろ」
バルナックの声はぶっきらぼうだった。
「そ、そうか……」
と言って、ルーインがバルナックから一歩退く。
その様子を、魔素供給装置の横にいたジルクが拳を握り締め、じっと見つめていた。
一方、ルーインの一歩後ろにいたセイラスタンも、バルナックが手に持つ装置をずっと凝視していた。
その瞳には、期待と不安、そしてどこか不適な光が宿っているようだった。
しかしそれは、装置の点滅が強くなるのを待っているのではなく、まるで精霊の出現そのものを狙い澄ましているかのようにーー。
いつものようにフトノスも一緒にいて、ソファーに座り、ワインを飲んでいる。
そして、オルギーは立ち歩きながら
「まぁ、そう怒るな。友よ」
と、笑いながら魔話機で誰かと話していた。
「冗談ではない。あんな魔獣がやって来るなんて思ってもいなかった。ちょうど結界の強化を図っていたところだったからなんとかなったものの、危うく全滅しかけるところだったんだぞ」
怒鳴り声ではないが、明らかに憤慨している男の声が魔話機のスピーカーから漏れていた。
「それは、悪かったな。アークリオスに魔獣召喚装置を渡したのは私だから、その原因を作ったのは私ということになるかもな。この埋め合わせはしてやるぞ。何が欲しい、マナインジェクターか?」
オルギーは、笑みを浮かべながらチラッとフトノスに目をやった。
その仕草に、フトノスは苦笑する。
「マナインジェクターもそうだが、手練れを数名よこしてもらいたい」
魔話機の男は、この話をしたかったのであろう。冷静な口調で話し始めた。
「実は、精霊発見装置を開発したのだが精霊を発見したとしてもそれを捕まえる者たちがいない。そこでお前たちの力を借りたい」
その言葉にオルギーの表情が真顔となった。
「それは本当か。であれば、是非もない。協力させてもらおう」
そして、その男は
「話が早くて助かる。では、早急に頼む」
と言って魔話機を切った。
オルギーは、ニヤリと笑うとフトノスの前のソファーにどっしりと座り、
「面白いことになったな」
とほくそ笑む。
そこへフトノスが
「そもそもあの男は何者なんだ?」
とオルギーに尋ねた。
オルギーはニヤリと笑って言った。
「教えてなかったか?あいつは賢者の石をつくるためのベース技術を横流ししたやつだ」
フトノスが目を細める。
虫から魔素を搾り取る技術ーードワーフが開発したとされるあの手法を異世界人に渡した張本人が、この男だったとは。
「なるほど。しかし、まさか魔獣召喚装置のエネルギー源が賢者の石で、その技術が自分たちが開発したものを礎にしているとは思ってもみないだろうな」
と、フトノスも口元を緩めて言った。
「あぁ。しかも、まだまだアークリオスは魔獣の召喚を続けるぞ。なにせ、ガルドリアの人口は莫大だ。ハッハッハッ」
「フッ。まったく、魔族にもどうしようもない馬鹿な奴がいたもんだ」
オルギーとフトノスは目の前にあったグラスを一気に飲み干すと、オルギーが大声で言った。
「そういうことだな。とにかく、その馬鹿に頼まれた通り、エルシアの森へバナムを行かせよう」
ラグナメアの高速飛行魔艇が格納されている倉庫――
オルギーが倉庫の扉から中へ入ってくると、倉庫にいた部下たちが整列をして敬礼をした。
「閣下、なぜこのようなところへ」
バナムが、恐縮しつつ問いかける。
「なに。単なる野暮用だ。ちょっとエルシアの森へ行って雑用をしてきてもらいたいがいいか?」
「ハッ。どのようなご用件で?」
バナムは顔をやや上に向け、敬礼したままオルギーに質問を続けると、
「森の精霊を確保してきてもらいたい。できるか?」
とオルギーが答える。
「ハッ。わかりました。それでは早急に部下を引き連れてエルシアの森へ向かいます」
そう言うと、バナムは敬礼をしていた腕を下げて背筋を伸ばした。
「そうそう、アルティマナが出来た今となっては、マナインジェクターは無用の長物だ。途中でばらまいてこい。わかっていると思うが、オーガ族エリアにマナインジェクターを待ち望んでいる連中がいるはずだ」
オルギーの口元に笑みが浮かぶ。
「それでは、マナインジェクターも魔艇に積んでおきましょう」
バナムは、直立不動のまま再び敬礼をした。
そして、
「閣下、一つ確認があります。アルティマナの使用は可能でしょうか」
とバナムが質問をすると、
「アルティマナか……まだあれは新しく開発したものだから、その存在は知られたくないな。ただ、万が一必要な時は言ってくれ」
とオルギーは答えた。
「承知しました。では、アルティマナは携行し、必要と考えられるときは別途ご相談させていただきます」
と言って、バナムが再び敬礼を解いた。
「では、頼んだぞ」
そういうとオルギーはバナムに背を向けて倉庫を去っていった。
その姿を目で追って、オルギーの姿が見えなくなると、バナムが声を張り上げる。
「お前たち、マナインジェクターを積み次第、エルシアの森へ出発だ。結界の護符を忘れるなよ。あれがなければ魔艇は結界にぶつかってお陀仏だからな」
部下たちが敬礼をすると、一斉に散って出発の準備に取り掛かった。
―――
出発の準備が整い、倉庫から高速飛行魔艇が滑走路に出て行った。
魔艇のブリッジにはバナムの姿があり、鋭い声が響く。
「航路はオーガ族エリアの上空を経由。そこでマナインジェクターを投下する。その後、エルシアの森へ向かうぞ」
そして、魔艇はラグナメアの基地を飛び立っていった。
その光景を、不敵な笑みを浮かべながら、オルギーはじっと見つめていた――。
―――
エルシアの森とドルムの里の中央広場。
そこには、結界の魔素濃度を上げるための二機目の魔素供給装置を動かすべく、セイラスタンをはじめ、エルフとドワーフが集まっていた。
供給装置の起動スイッチは、虫を魔素源とする高起魔力装置に直結している。
そのスイッチの横には、ジルクが複雑な思いで立っていた。
一方、ルーインの横で、バルナックは精霊発見装置を手に、供給装置から魔素が結界へ供給されるのを待っていた。
「では、点火しろ!」
ルーインが声を張りあげる。
ジルクが、一瞬の戸惑いを示すも、目を固くつむり、高起魔力装置のスイッチを押した。
すると、
グィー――ン、
という音と共に二機目の魔素供給装置が動き出した。
ほどなくして、一機目の供給装置と同じように、魔素反応灯が淡く光り始めた。
ドルマが
「成功だな」
とボソッと言うと、ルーインが
「よし。よくやった」
と言って、バルナックを見た。
バルナックは、やれやれという表情をすると、
精霊発見装置のスイッチを押した。
ルーインが、早速、装置を覗き込むと、その画面の一点が弱く点滅し始めた。
「こ、ここに精霊がいるのか?」
とルーインは興味津々に尋ねた。
「上手く動き出しているようだが、まだだ。魔素が結界に十分みたされていない。あと数時間もすると点滅が強くなり、正確な位置がこの画面に示される。それまで待っていろ」
バルナックの声はぶっきらぼうだった。
「そ、そうか……」
と言って、ルーインがバルナックから一歩退く。
その様子を、魔素供給装置の横にいたジルクが拳を握り締め、じっと見つめていた。
一方、ルーインの一歩後ろにいたセイラスタンも、バルナックが手に持つ装置をずっと凝視していた。
その瞳には、期待と不安、そしてどこか不適な光が宿っているようだった。
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