39 / 98
第三章 咆哮の誇り ※序盤、シリアス、途中、切ない系、終盤、怒涛のカタルシス
第39話 信じるから託す
しおりを挟む
「ルダル……? アタシは……何を……」
セシアのかすかな声が洞窟に響き、震える指がルダルの衣服をそっと掴む。
「よかった……本当に、よかった……」
ルダルが声を詰まらせながら、セシアの髪を優しく撫で続ける。
村人たちは涙を拭い、自然と拍手が広がり、シンも嬉しそうに笑顔で涙を拭った。
ミィナ、ルノア、エメルダは少し離れた場所でアマトのそばに戻り、4人で穏やかにその光景を見守っていた。
ルダルは、セシアを支えながら一度深く息を吐き、震える声で言葉を繋ぐ。
「お前は……私をかばって魔獣に深い傷を負わされたんだ。そして……俺もあの時、魔獣に吹き飛ばされて……気づけば、全身ボロボロで……」
言葉を区切りながら、ルダルは少しずつ語る。
「ポタ村で治療を受けて……そして、さっき、やっと……ここに帰ってきたばかりだ」
そう言って、ルダルは静かに4人の方へ顔を向ける。
アマトたちは無言のまま立ち、淡い光の中でただ見つめ返していた。
だが、その時、場の空気がふっと揺れるように、ひそやかなざわめきが広がり始めた。
「……あの男、異世界人じゃないのか?」
その言葉は小さな石を落とした水面に広がる波紋のように洞窟全体へ伝わり、次第にざわめきは大きくなる。
「なんで……こんなところに……?」
「まさか、魔獣が現れたのはあいつのせいじゃ……?」
怯えた瞳が、アマトとミィナへと向けられる。
その視線は、恐怖と猜疑に満ち、あたかも牙を剥く獣たちのように鋭く冷たかった。
ミィナが一歩後ずさり、眉を寄せて小さく震える。
アマトは静かに立ち尽くし、村人たちをじっと見据えていたが、その眼差しはどこまでも冷静で、揺るぎないものだった。
「やめろ」
洞窟に響き渡った低く鋭い声が、ざわめきを一瞬で切り裂いた。
ルダルの声だった。
ルダルはゆっくりと立ち上がり、鋭い視線で村人たちを見渡す。
その瞳には怒りではなく、覚悟と責任、戦士としての誇りが宿っていた。
「みんな、聞いてくれ――」
ルダルの声は低く、しかし洞窟の隅々まで響き渡った。
「俺はポタ村で、この4人に命を救われた。……そして、先ほども、この4人が目の前で二体目の魔獣を倒したんだ。今、俺がこうしてここに立っていられるのも、セシアが生きているのも、すべてこの4人のおかげだ」
その言葉に間を置き、ルダルはアマトの方を見やり、重みのある声で続けた。
「その中心にいるのが、あの異世界人……アマトだ」
沈黙が洞窟を満たした。
誰もが言葉を失い、ただルダルの声に耳を傾けるしかなかった。
「今は、俺を信じてくれ。頼む……アマトたちを、敵視しないでくれ」
村人たちは、ルダルの言葉に押し黙った。視線を落とし、隣の者と顔を見合わせる。異世界人への恐怖が、そう簡単に消えるわけではなかった。
だが、その沈黙を破ったのは――セシアだった。
「……アタシは……命を救ってくれた恩人に……牙をむくほど、腐っちゃいない。私は、この判断を、ルダルに託すよ」
小さな声だったが、その響きは洞窟の奥深くまで届き、誰もが息を呑む。
ルダルがその言葉に応えるように、セシアの肩をそっと抱きしめた。
セシアの言葉は、まるで水面に投げられた小石のように、洞窟の空気を揺らした。
誰かが小さく息を呑み、誰かが目を伏せ、そして――頷いた。
一人、また一人と。
村人たちは、静かに、だが確かに、ルダルの決断に身を委ねていったのだ。
それを見届けたルダルは、胸の奥からひとすじの安堵を吐き出すように、静かに息をついた。
セシアは、ルダルの胸元に顔をうずめながら、震える指をぎゅっと握りしめ、ゆっくりと周囲を見渡した。そして、薄暗い洞窟の中、肩を寄せ合う村人たちの顔を一人ずつ確かめるように見つめ、かすれた声で問いかけた。
「……他の奴らは……どうしたの……?」
その声に、シンが小さく肩をすくめ、息を呑むようにして答える。
「……それが……他の人たちは……それぞれ別の洞窟に分かれて隠れてる。一か所に集まると危ないって……」
「そうか……」
セシアが小さく頷き、そして目を伏せた。
だが、ふとした瞬間、何かを思い出したかのように顔を上げ、再び尋ねる。
「……グレオニウスは? あいつは……どうしたの……?」
その場に、重い沈黙が降りた。
ルダルも、村人たちも、何も言わず、ただ俯き、唇をかみしめる。
セシアはその空気に気づき、震える声で問い詰めるように呟いた。
「……まさか……あいつが……負けたの……?」
肩が小さく震え、目尻に再び涙が浮かぶ。
声にならない嗚咽がこみ上げ、震える手が膝の上で小さく握られる。
ルダルは、そっとセシアの肩を抱き寄せ、低く、しかし力強い声で言った。
「セシア……あいつを誇ってやれ……。間違いなく、村一番の最強の戦士だった」
その言葉は、洞窟の中に静かに、しかし確かに響き渡った。
誰もがその言葉に目を閉じ、沈黙の中で祈りを捧げるように、グレオニウスの名を心に刻んだ。
ただ、その祈りが終わる間もなく――
洞窟の外で、突如として轟音が響いた。
大地が震え、耳をつんざくような咆哮が、夜の静けさを引き裂く。
「なっ、なんだ!?」
村人たちが顔を上げ、息を呑む。
子供の悲鳴が外から響き、シンが顔を青ざめさせながら立ち上がった。
「外だ! 他の洞窟のやつらだ!」
ルダルは弾かれるように立ち上がり、洞窟の外へと駆け出した。
その後を追うように、アマトたちも視線を交わし、小さく頷き合って走り出す。
外に飛び出したルダルの目に飛び込んできたのは、漆黒の巨体だった。
これまでの魔獣を凌駕する、異様なほどの圧迫感――
その背にのたうつ黒煙、うなりを上げる鋭い爪、牙を剥き出しにし、狂気じみた眼光が村人たちを睨みつけていた。
「……っ!」
ルダルの呼吸が止まる。
だが、その眼差しは次の瞬間、か細い悲鳴に引き寄せられた。
「助けてっ!」
瓦礫の陰から、幼い子供が震えながら這い出ようとしていたのだ。
「シン! 中に入れ!」
ルダルは振り返らずに叫び、地を蹴った。
渾身の力を込めて走り、倒れかけた瓦礫の隙間から子供を抱き上げる。
「大丈夫だ、もう大丈夫だ!」
必死に声をかけ、洞窟の入り口まで駆け戻り、子供をシンに託す。
「連れて行け! 奥へ!」
「に、兄ィ……!」
シンが涙をにじませながら、子供の手を引いて走る。
だが、背後で魔獣の唸り声が響いた。
重い足音が地を震わせ、爪が大地を裂きながら、ルダルの背中へと迫る。
「チッ……!」
ルダルは振り向きざま、腰を落とし、拳を握りしめる。
だが、その表情には焦りと、ほんの一瞬の迷いが混じっていた。
(今の俺では、この魔獣に勝てる力はない……! どうする……?)
その時――。
「ちょっと、待った!」
軽やかな声が響き、ルノアが洞窟から飛び出してきた。
片手に光を宿し、口元には不敵な笑みを浮かべている。
「ここは俺たちに任せろ!」
その後ろから、エメルダが肩を回し、牙を覗かせて笑う。
「獲物はデカい方が燃えるってもんだ!」
後方で、アマトとミィナが静かに頷き、ルダルを見つめていた。
「……すまない、託していいか?」
ルダルは一瞬、唇を噛みしめたが、すぐに肩を落としてうつむき、低く頭を垂れた。
ルノアがにやりと笑いながら答える。
「任せろ。お前の悔しさ、俺たちが晴らしてやる!」
「おう!」
エメルダが吠え、二人はスライムとゴブリンの姿へと変身する。
二人は力強く地を蹴り、魔獣へ向かって飛び込んだ。
ルノアの雷矢が空を裂き、エメルダの土塊が地をうねらせて突進する。
魔獣は咆哮を上げ、二人の攻撃を受けながらもなお立ち上がり、鋭い爪を振り下ろして反撃を繰り出す。
だが、ルノアとエメルダは焦りを見せず、冷静に魔獣の動きを見極めながら、互いの技を重ね合わせていった。
「やっぱり、左脇が甘いな……!」
ルノアが鋭い目を細め、魔獣の動きの隙を見逃さず、エメルダに合図を送る。
「おう、時間を稼いでやる!」
エメルダが魔獣の視線を引きつける。
ルノアが両手を掲げ、雷の力を集中させる。
「ダブル”雷矢!”」
振り下ろした両手から二筋の雷矢が渦を巻きながら絡み合い、ひとつの閃光となって魔獣の左脇を撃ち抜いた
「ぐおおおおおおおっ!」
魔獣の咆哮が夜空に響き、巨体が大きく揺れる――
だが、その脚はまだ地を踏みしめ、倒れない。
ルノアが肩で息をしながら、口の端を吊り上げた。
「へへっ、こいつ、なかなかしぶといな……」
エメルダが鼻を鳴らし、牙を覗かせて笑う。
「そうだなぁ。今の俺たちには勝てねぇかもな」
ルノアがルダルの方を振り向き、笑顔を浮かべる。
「ごめん、ルダル。俺たちじゃ倒せそうにないや、へへ」
ルダルは無言のまま二人の姿を見つめていた。
そして、ルノアが肩を竦め、ため息混じりに呟いた。
「仕方ねぇ……」
そしてアマトを振り返り、声を張り上げた。
「アマト様、後は、よろしくお願いしまーす!」
セシアのかすかな声が洞窟に響き、震える指がルダルの衣服をそっと掴む。
「よかった……本当に、よかった……」
ルダルが声を詰まらせながら、セシアの髪を優しく撫で続ける。
村人たちは涙を拭い、自然と拍手が広がり、シンも嬉しそうに笑顔で涙を拭った。
ミィナ、ルノア、エメルダは少し離れた場所でアマトのそばに戻り、4人で穏やかにその光景を見守っていた。
ルダルは、セシアを支えながら一度深く息を吐き、震える声で言葉を繋ぐ。
「お前は……私をかばって魔獣に深い傷を負わされたんだ。そして……俺もあの時、魔獣に吹き飛ばされて……気づけば、全身ボロボロで……」
言葉を区切りながら、ルダルは少しずつ語る。
「ポタ村で治療を受けて……そして、さっき、やっと……ここに帰ってきたばかりだ」
そう言って、ルダルは静かに4人の方へ顔を向ける。
アマトたちは無言のまま立ち、淡い光の中でただ見つめ返していた。
だが、その時、場の空気がふっと揺れるように、ひそやかなざわめきが広がり始めた。
「……あの男、異世界人じゃないのか?」
その言葉は小さな石を落とした水面に広がる波紋のように洞窟全体へ伝わり、次第にざわめきは大きくなる。
「なんで……こんなところに……?」
「まさか、魔獣が現れたのはあいつのせいじゃ……?」
怯えた瞳が、アマトとミィナへと向けられる。
その視線は、恐怖と猜疑に満ち、あたかも牙を剥く獣たちのように鋭く冷たかった。
ミィナが一歩後ずさり、眉を寄せて小さく震える。
アマトは静かに立ち尽くし、村人たちをじっと見据えていたが、その眼差しはどこまでも冷静で、揺るぎないものだった。
「やめろ」
洞窟に響き渡った低く鋭い声が、ざわめきを一瞬で切り裂いた。
ルダルの声だった。
ルダルはゆっくりと立ち上がり、鋭い視線で村人たちを見渡す。
その瞳には怒りではなく、覚悟と責任、戦士としての誇りが宿っていた。
「みんな、聞いてくれ――」
ルダルの声は低く、しかし洞窟の隅々まで響き渡った。
「俺はポタ村で、この4人に命を救われた。……そして、先ほども、この4人が目の前で二体目の魔獣を倒したんだ。今、俺がこうしてここに立っていられるのも、セシアが生きているのも、すべてこの4人のおかげだ」
その言葉に間を置き、ルダルはアマトの方を見やり、重みのある声で続けた。
「その中心にいるのが、あの異世界人……アマトだ」
沈黙が洞窟を満たした。
誰もが言葉を失い、ただルダルの声に耳を傾けるしかなかった。
「今は、俺を信じてくれ。頼む……アマトたちを、敵視しないでくれ」
村人たちは、ルダルの言葉に押し黙った。視線を落とし、隣の者と顔を見合わせる。異世界人への恐怖が、そう簡単に消えるわけではなかった。
だが、その沈黙を破ったのは――セシアだった。
「……アタシは……命を救ってくれた恩人に……牙をむくほど、腐っちゃいない。私は、この判断を、ルダルに託すよ」
小さな声だったが、その響きは洞窟の奥深くまで届き、誰もが息を呑む。
ルダルがその言葉に応えるように、セシアの肩をそっと抱きしめた。
セシアの言葉は、まるで水面に投げられた小石のように、洞窟の空気を揺らした。
誰かが小さく息を呑み、誰かが目を伏せ、そして――頷いた。
一人、また一人と。
村人たちは、静かに、だが確かに、ルダルの決断に身を委ねていったのだ。
それを見届けたルダルは、胸の奥からひとすじの安堵を吐き出すように、静かに息をついた。
セシアは、ルダルの胸元に顔をうずめながら、震える指をぎゅっと握りしめ、ゆっくりと周囲を見渡した。そして、薄暗い洞窟の中、肩を寄せ合う村人たちの顔を一人ずつ確かめるように見つめ、かすれた声で問いかけた。
「……他の奴らは……どうしたの……?」
その声に、シンが小さく肩をすくめ、息を呑むようにして答える。
「……それが……他の人たちは……それぞれ別の洞窟に分かれて隠れてる。一か所に集まると危ないって……」
「そうか……」
セシアが小さく頷き、そして目を伏せた。
だが、ふとした瞬間、何かを思い出したかのように顔を上げ、再び尋ねる。
「……グレオニウスは? あいつは……どうしたの……?」
その場に、重い沈黙が降りた。
ルダルも、村人たちも、何も言わず、ただ俯き、唇をかみしめる。
セシアはその空気に気づき、震える声で問い詰めるように呟いた。
「……まさか……あいつが……負けたの……?」
肩が小さく震え、目尻に再び涙が浮かぶ。
声にならない嗚咽がこみ上げ、震える手が膝の上で小さく握られる。
ルダルは、そっとセシアの肩を抱き寄せ、低く、しかし力強い声で言った。
「セシア……あいつを誇ってやれ……。間違いなく、村一番の最強の戦士だった」
その言葉は、洞窟の中に静かに、しかし確かに響き渡った。
誰もがその言葉に目を閉じ、沈黙の中で祈りを捧げるように、グレオニウスの名を心に刻んだ。
ただ、その祈りが終わる間もなく――
洞窟の外で、突如として轟音が響いた。
大地が震え、耳をつんざくような咆哮が、夜の静けさを引き裂く。
「なっ、なんだ!?」
村人たちが顔を上げ、息を呑む。
子供の悲鳴が外から響き、シンが顔を青ざめさせながら立ち上がった。
「外だ! 他の洞窟のやつらだ!」
ルダルは弾かれるように立ち上がり、洞窟の外へと駆け出した。
その後を追うように、アマトたちも視線を交わし、小さく頷き合って走り出す。
外に飛び出したルダルの目に飛び込んできたのは、漆黒の巨体だった。
これまでの魔獣を凌駕する、異様なほどの圧迫感――
その背にのたうつ黒煙、うなりを上げる鋭い爪、牙を剥き出しにし、狂気じみた眼光が村人たちを睨みつけていた。
「……っ!」
ルダルの呼吸が止まる。
だが、その眼差しは次の瞬間、か細い悲鳴に引き寄せられた。
「助けてっ!」
瓦礫の陰から、幼い子供が震えながら這い出ようとしていたのだ。
「シン! 中に入れ!」
ルダルは振り返らずに叫び、地を蹴った。
渾身の力を込めて走り、倒れかけた瓦礫の隙間から子供を抱き上げる。
「大丈夫だ、もう大丈夫だ!」
必死に声をかけ、洞窟の入り口まで駆け戻り、子供をシンに託す。
「連れて行け! 奥へ!」
「に、兄ィ……!」
シンが涙をにじませながら、子供の手を引いて走る。
だが、背後で魔獣の唸り声が響いた。
重い足音が地を震わせ、爪が大地を裂きながら、ルダルの背中へと迫る。
「チッ……!」
ルダルは振り向きざま、腰を落とし、拳を握りしめる。
だが、その表情には焦りと、ほんの一瞬の迷いが混じっていた。
(今の俺では、この魔獣に勝てる力はない……! どうする……?)
その時――。
「ちょっと、待った!」
軽やかな声が響き、ルノアが洞窟から飛び出してきた。
片手に光を宿し、口元には不敵な笑みを浮かべている。
「ここは俺たちに任せろ!」
その後ろから、エメルダが肩を回し、牙を覗かせて笑う。
「獲物はデカい方が燃えるってもんだ!」
後方で、アマトとミィナが静かに頷き、ルダルを見つめていた。
「……すまない、託していいか?」
ルダルは一瞬、唇を噛みしめたが、すぐに肩を落としてうつむき、低く頭を垂れた。
ルノアがにやりと笑いながら答える。
「任せろ。お前の悔しさ、俺たちが晴らしてやる!」
「おう!」
エメルダが吠え、二人はスライムとゴブリンの姿へと変身する。
二人は力強く地を蹴り、魔獣へ向かって飛び込んだ。
ルノアの雷矢が空を裂き、エメルダの土塊が地をうねらせて突進する。
魔獣は咆哮を上げ、二人の攻撃を受けながらもなお立ち上がり、鋭い爪を振り下ろして反撃を繰り出す。
だが、ルノアとエメルダは焦りを見せず、冷静に魔獣の動きを見極めながら、互いの技を重ね合わせていった。
「やっぱり、左脇が甘いな……!」
ルノアが鋭い目を細め、魔獣の動きの隙を見逃さず、エメルダに合図を送る。
「おう、時間を稼いでやる!」
エメルダが魔獣の視線を引きつける。
ルノアが両手を掲げ、雷の力を集中させる。
「ダブル”雷矢!”」
振り下ろした両手から二筋の雷矢が渦を巻きながら絡み合い、ひとつの閃光となって魔獣の左脇を撃ち抜いた
「ぐおおおおおおおっ!」
魔獣の咆哮が夜空に響き、巨体が大きく揺れる――
だが、その脚はまだ地を踏みしめ、倒れない。
ルノアが肩で息をしながら、口の端を吊り上げた。
「へへっ、こいつ、なかなかしぶといな……」
エメルダが鼻を鳴らし、牙を覗かせて笑う。
「そうだなぁ。今の俺たちには勝てねぇかもな」
ルノアがルダルの方を振り向き、笑顔を浮かべる。
「ごめん、ルダル。俺たちじゃ倒せそうにないや、へへ」
ルダルは無言のまま二人の姿を見つめていた。
そして、ルノアが肩を竦め、ため息混じりに呟いた。
「仕方ねぇ……」
そしてアマトを振り返り、声を張り上げた。
「アマト様、後は、よろしくお願いしまーす!」
10
あなたにおすすめの小説
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
しがない電気屋のおっさん、異世界で家電召喚ライフしてたら民から神格化され魔王から狙われる
長月 鳥
ファンタジー
町の電気屋として細々と暮らしていた俺、轟電次郎(とどろき でんじろう)。
ある日、感電事故であっけなく人生終了──のはずが、目を覚ましたら異世界だった。
そこは魔法がすべての世界。
スマホも、ドライヤーも、炊飯器も、どこにもない。
でもなぜか俺だけは、“電力を生み出し家電を召喚できる”という特異体質を持っていて──
「ちょっと暮らしやすくなればそれでいい」
そんなつもりで始めた異世界ライフだったのに……
家電の便利さがバレて、王族に囲まれ、魔導士に拉致され、気が付けば──
「この男こそ、我らの神(インフラ)である!」
えぇ……なんでそうなるの!?
電気と生活の知恵で異世界を変える、
元・電気屋おっさんのドタバタ英雄(?)譚!
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
お助け妖精コパンと目指す 異世界サバイバルじゃなくて、スローライフ!
tamura-k
ファンタジー
お祈りメールの嵐にくじけそうになっている谷河内 新(やごうち あらた)は大学四年生。未だに内定を取れずに打ちひしがれていた。
ライトノベルの異世界物が好きでスローライフに憧れているが、新の生存確認にやってきたしっかり者の妹には、現実逃避をしていないでGWくらいは帰って来いと言われてしまう。
「スローライフに憧れているなら、まずはソロキャンプくらいは出来ないとね。それにお兄ちゃん、料理も出来ないし、大体畑仕事だってやった事がないでしょう? それに虫も嫌いじゃん」
いや、スローライフってそんなサバイバル的な感じじゃなくて……とそんな事を思っていたけれど、ハタと気付けばそこは見知らぬ森の中で、目の前にはお助け妖精と名乗るミニチュアの幼児がいた。
魔法があるという世界にほんのり浮かれてみたけれど、現実はほんとにサバイバル?
いえいえ、スローライフを希望したいんですけど。
そして、お助け妖精『コパン』とアラタの、スローライフを目指した旅が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる