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<生誕と弱肉強食の森>
見えざる獲物
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ダン、ダン、ダン、ダン、ダン。
五匹の群れで襲ってきた魔物に、弾丸を叩き込んで始末した。
弾倉は中の刻印をした物を使っている。
戦闘は、トリガーを五回引く時間で済んだのは良いが……。
「これは、さすがに食う気には成れんな。食えなくは無いだろうが」
ワシの目の前には、ワシよりも大きな蜘蛛の死体が五つ。
「已むを得ん。魔力結晶だけでも回収して行くか」
軍刀を抜き放ち、一体一体腹を裂いて、魔力結晶を取り出す。
正直、あまり気持ちのいいモノでは無い。
四体目の蜘蛛の腹に軍刀を突き立てようとしたその時、背後から殺気。
何故か、ワシのヒゲがチリチリする。
嫌な予感に咄嗟に、左に飛んで地に伏せる。
バチッ!と言う音と閃光。
そっと頭を上げると、ワシが腹を裂こうとしていた蜘蛛が黒焦げに成っている。
「一体、何が有った?」
首筋に嫌な汗が浮かぶ。
強い殺気も消えん。
何者かが、依然ワシを狙っておる。
再び、ヒゲがチリチリと成る。
不味い、さっきと同じだ。
何か仕掛けてくる!
本物の猫の様に四本の足で繁みの中へ飛び込む。
再びバチッ!と言う音と閃光。
今度は何が起きたのか確認ができた。
稲妻だ。
バアルの槍ほどの威力は無いが、何者かが稲妻を放って来おった。
恐らく向こうの茂みの中。
正確な位置は分からん。
一旦、軍刀を鞘に納め、再び銃を抜く。
「しかし、場所が分からんではなぁ……。炙り出してみるか」
茂みから姿を現し、何モノかの潜む茂みの辺りを睨みつけ挑発する。
ヒゲがチリチリしだす。
フッ、便利なヒゲだ……来る!
咄嗟に茂みに飛び込む。
それと、ほぼ同時にバチッと閃光。
「あそこだ!」
ダン、ダン、ダン。
気配の有った茂みに三発撃ち込む。
が、手応えは無い。
木の陰に隠れ、十四年式の空に成った弾倉を抜き、小の刻印の弾倉を差し込む。
狩に持ってきた弾倉は、大中小それぞれ一つづつ。
茂みに潜める程のサイズの敵に、大の弾倉は必要あるまい。
しかし、なかなかの強敵だな。
「さて、どうするか……」
左手に刀印を結び、悪魔ザミエルの魔法陣を描き、その権能を十四年式に付与する。
「ザミエルの魔弾!」
これは確率を操る権能。
銃に付与すれば、七発中六発命中させることが出来る。
色々と役に立つ権能だが、必ず七発中一発は外すと言うのが欠点でな。
ワシは射撃には少々自身が有る。
だから普段は、銃などに付与することは無いが、今対峙している敵には有効だろう。
だがそれも、結局のところ、標的の居場所が分からんでは心もとない。
「もう一つ工夫が必要だな」
更に魔法陣を描く。
ウァサゴの魔法陣だ。
使うは、隠されたモノを探し出す探索の権能。
描いた魔法陣から、無数の蛍が召喚され、辺り一面を幻想的に飛び回る。
「蛍どもよ、我が敵を探し出せ」
蛍たちが森の中を広がる様に拡散し、そして、ほど無く一か所に寄り集まっていく。
「暗い森の中、蛍が良く見える」
あの下だ。
木の陰から銃で狙い、そして……。
パン、パン。
キュッ!
と、小さな鳴き声。
手応えは有った。
蛍たちも変化なく留まっている。
あそこに倒れているのだろう。
念の為、銃を構えながら近付くが、ヒゲがチリチリする感覚が無い。
殺ったか。
ん?
こやつが稲妻を放っておったのか……。
ネズミではないか。
ニ十センチに満たないネズミの腹部に銃創が一つ。
もう一発は外したらしい。
まあ、仕方なかろう、そう言う権能だからな。
ネズミの額には、その小さな体に見合わない程の大きさの、青い魔力結晶が張り付いておる。
やはり、色付きの魔力結晶は、こやつの放った稲妻の魔法と関係が有るのだろう。
「まあ、何はともあれ倒したのは良いが、しかし……小さすぎる。これだけでは、腹の足しには成らんな……」
五匹の群れで襲ってきた魔物に、弾丸を叩き込んで始末した。
弾倉は中の刻印をした物を使っている。
戦闘は、トリガーを五回引く時間で済んだのは良いが……。
「これは、さすがに食う気には成れんな。食えなくは無いだろうが」
ワシの目の前には、ワシよりも大きな蜘蛛の死体が五つ。
「已むを得ん。魔力結晶だけでも回収して行くか」
軍刀を抜き放ち、一体一体腹を裂いて、魔力結晶を取り出す。
正直、あまり気持ちのいいモノでは無い。
四体目の蜘蛛の腹に軍刀を突き立てようとしたその時、背後から殺気。
何故か、ワシのヒゲがチリチリする。
嫌な予感に咄嗟に、左に飛んで地に伏せる。
バチッ!と言う音と閃光。
そっと頭を上げると、ワシが腹を裂こうとしていた蜘蛛が黒焦げに成っている。
「一体、何が有った?」
首筋に嫌な汗が浮かぶ。
強い殺気も消えん。
何者かが、依然ワシを狙っておる。
再び、ヒゲがチリチリと成る。
不味い、さっきと同じだ。
何か仕掛けてくる!
本物の猫の様に四本の足で繁みの中へ飛び込む。
再びバチッ!と言う音と閃光。
今度は何が起きたのか確認ができた。
稲妻だ。
バアルの槍ほどの威力は無いが、何者かが稲妻を放って来おった。
恐らく向こうの茂みの中。
正確な位置は分からん。
一旦、軍刀を鞘に納め、再び銃を抜く。
「しかし、場所が分からんではなぁ……。炙り出してみるか」
茂みから姿を現し、何モノかの潜む茂みの辺りを睨みつけ挑発する。
ヒゲがチリチリしだす。
フッ、便利なヒゲだ……来る!
咄嗟に茂みに飛び込む。
それと、ほぼ同時にバチッと閃光。
「あそこだ!」
ダン、ダン、ダン。
気配の有った茂みに三発撃ち込む。
が、手応えは無い。
木の陰に隠れ、十四年式の空に成った弾倉を抜き、小の刻印の弾倉を差し込む。
狩に持ってきた弾倉は、大中小それぞれ一つづつ。
茂みに潜める程のサイズの敵に、大の弾倉は必要あるまい。
しかし、なかなかの強敵だな。
「さて、どうするか……」
左手に刀印を結び、悪魔ザミエルの魔法陣を描き、その権能を十四年式に付与する。
「ザミエルの魔弾!」
これは確率を操る権能。
銃に付与すれば、七発中六発命中させることが出来る。
色々と役に立つ権能だが、必ず七発中一発は外すと言うのが欠点でな。
ワシは射撃には少々自身が有る。
だから普段は、銃などに付与することは無いが、今対峙している敵には有効だろう。
だがそれも、結局のところ、標的の居場所が分からんでは心もとない。
「もう一つ工夫が必要だな」
更に魔法陣を描く。
ウァサゴの魔法陣だ。
使うは、隠されたモノを探し出す探索の権能。
描いた魔法陣から、無数の蛍が召喚され、辺り一面を幻想的に飛び回る。
「蛍どもよ、我が敵を探し出せ」
蛍たちが森の中を広がる様に拡散し、そして、ほど無く一か所に寄り集まっていく。
「暗い森の中、蛍が良く見える」
あの下だ。
木の陰から銃で狙い、そして……。
パン、パン。
キュッ!
と、小さな鳴き声。
手応えは有った。
蛍たちも変化なく留まっている。
あそこに倒れているのだろう。
念の為、銃を構えながら近付くが、ヒゲがチリチリする感覚が無い。
殺ったか。
ん?
こやつが稲妻を放っておったのか……。
ネズミではないか。
ニ十センチに満たないネズミの腹部に銃創が一つ。
もう一発は外したらしい。
まあ、仕方なかろう、そう言う権能だからな。
ネズミの額には、その小さな体に見合わない程の大きさの、青い魔力結晶が張り付いておる。
やはり、色付きの魔力結晶は、こやつの放った稲妻の魔法と関係が有るのだろう。
「まあ、何はともあれ倒したのは良いが、しかし……小さすぎる。これだけでは、腹の足しには成らんな……」
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