猫は銃と魔法の荒野を往く ~魔人と呼ばれた男、妖精猫に転生す。異世界で振るうは、天魔の権能~

春古年

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<ガンスリンガー>

ファニングショット

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「どうも勘違いしておる様だが、貴様らの仲間七人をったのはワシだ」

「ん!?この声……コイツ、ガキじゃねえ!な、何者だ貴様!そのツラ見せやがれ!」
「ああ、良いだろう」
左手で、軍帽を脱ぎ捨てる。

「に、人間じゃねえ……ネコだと!?」
「どうした?ネコを見るのは初めてか?」

「ふ、ふざけんな!貴様、何者だ!」
「うむ、難しい質問だな。ワシも良く判らんでな。まあ、哲学的におのが存在に付いて語る事は出来るが……小一時間程掛かる、構わんか?」

「て、てめぇ馬鹿にしやがって!貴様が何者だろうが関係ねぇ!ここで死ね!」
馬鹿なヤツだ。
左右に控える仲間に任せれば良い物を、ワシの下らん挑発に乗って、人質の御者に向けていた銃口をワシに向ける。

今だ!
右手の刀印の指先に浮かぶハルファスの魔法陣を起動し、瞬時に投げナイフを形成して、目の前の大男が引き金を引くより早く、右手を振り下ろす。
刹那、ズドドン!と銃声が鳴り響く。
ヤツらのでは無い。

大男は、引き金を引くまでも無く、眉間にナイフが突き刺さり力無く倒れる。
そして、それとほぼ同時に、左右の男たちも崩れる様に地に伏す。

一瞬で錬成出来たのは、ここの所、錬成を繰り返していた訓練の賜物だ。
出来は悪いが、使い捨てと割り切れば、見ての通り十分だ。

ふと、銃声が轟いた方に目をやる。
赤毛で長身の男が、落とした自身のテンガロンハットを拾い上げ、銃を腰のホルスターに納めながら此方に歩み寄ってくる。
履いているジーンズと首に巻いた赤いバンダナ以外、テンガロンハットとベスト、それに足首まで届くダスターコートは黒で統一しておる。
見た処、結構若いな。

ヤツの放った銃声は一つに聞こえた。
だが、倒れたのは二人。
ファニングショットか。

シングルアクションの銃を、利き手で引き金を引いたまま抜き、もう片方の手で撃鉄を素早く叩く。
その動作自体は難しく無い。
だが、命中させると成ると別の話だ。
しかも、馬車の裏から横っ飛びに飛び出しざま二発、人質を挟む様に片膝立ちしている標的の頭を打ち抜くなど、到底出来るものでは無い。

赤毛の男は、ワシの投げ捨てた軍帽と十四年式を拾い上げ、珍しそうに眺めながらワシの元へ。
「へ~、これが旦那の銃かい?珍しい形してるな……何発も連射していた様だったが、シリンダーが無い……弾は何処に……いや、撃鉄も……どうなってんだ、これ?」

ん?
妙だな、この男自動拳銃を見たことが無いのか?
確かに、十四年式拳銃は独特な形状をして居るが、こやつ程の腕前の者ならソレと判ると思うのだが……。
「そいつは、自動拳銃だ。見た事無いのか?」
「ああ、無い」

「貸してみろ」
十四年式を受け取り、空の弾倉を捨て、新しい小の刻印の弾倉に差し替え実演。
「この後ろのコッキングノブを一度引っ張って、弾倉の弾を一発薬室に送る。そして、あとは……」
パン、パン、パン。

「見ての通り、引き金を引くだけで弾が出る」
「スゲ~な。グリップの中に弾が入るのか……しかも差し込むだけ。撃鉄もイチイチ起こす必要も無いのか……。この弾倉ってのに何発弾が入るんだ?」
「八発だ、撃ってみるか?」
「え!いいのか?」
十四年式を渡し、小石を五つ拾い上げ、順番に放り投げる。
パン、パン、パン、パン、パン。
当然の様にヤツが全て打ち抜く。

「見事なものだ」
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