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<ガンスリンガー>
次はワシの番と云う分けか
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「頼んだだと……まさか!」
前方の巨大な影がムクリと動き出す。
どうやら、ヤツは死んではおらん様だ。
頭の三分の一を吹き飛ばされ、それでも尚……やはりあのクマ、バケモンだな。
グォォーー!
「已むを得んか」
クマを仕留めるのは簡単だが、銃は小の刻印の弾丸以外は見せん方が無難だな。
魔弾だと勘違いされるのも面倒だ。
かといって、派手にバアルの槍を見せるわけにも行かん。
と成ると……。
馬から飛び降り、左手でアモンの、右手で電撃の魔法陣を描く。
フッ、それにしてもジムの奴、三味線を弾きおったな。
あの魔弾の威力、クマの右目で無く眉間を打ち抜いておれば、恐らく仕留めておれたろう。
だが、わざわざ、手加減を加えおったのだ。
「成るほど、次はワシの番と云う分けか」
描き上げたアモンの魔法陣を胸に押し当て、身体能力を強化。
そして、軍刀の鯉口を切り、十センチほど抜いた刀身に、右手の刀印の指先に浮かぶ魔法陣を付与する。
要は前回、六本脚のクマを仕留めた時と同じだ。
グォォォーーー!
雄叫びを上げて、ヤツが迫ってくる。
どうやら、石礫は飛ばして来んらしい。
脳をやられて、魔法を放てなくなったか、それとも単に頭に血が上ったか。
何れにしろ、手間が省けて有難い。
既に、ワシの眼前に迫ったクマが立ち上がり、鋭い鍵爪の有る四本の腕を振り上げる。
「旦那!!」
ジムとバリーがワシに叫ぶ。
振り下ろされる四本の腕を掻い潜る様に、足を踏み切り、飛び上がる。
軍刀を一閃!
ドサッと重い音を立てて、ヤツの体が地に崩れる。
そして、時間差を置いて、宙に切り飛ばした首も地に落ち転がる。
「だ、旦那、ご無事ですかい!」
バリーが、巨大なクマの体を避けつつ駆け寄ってくる。
「ああ、心配は要らん。無傷だ」
「ハァ~、驚いたぜまったく……。俺はてっきり、銃でトドメを刺すのだとばかり。まさか、あんな化け物をサーベルの一太刀で切り殺すなんてな……。そんな芸当、この大陸広しと言えど旦那ぐらいなもんだぜ」
フッ、少々苦戦して見せた方が良かったか。
「なに、ジムがヤツの頭を三分の一吹き飛ばしてくれたお陰で、石礫を撃って来んかったからな」
「石礫?」
「なんだ、お前さんは知らんのか。ヤツは石礫を散弾の様に飛ばす魔法を放ってくる」
「いや、そうじゃ無くって……。旦那がさっき一度斃したって言ったのは、まさかその魔法を?」
「ああ、そうだが」
「はぁ~、旦那、ソイツは色付きって奴だ。腹ん中に色の付いた魔力結晶が有ったろう。魔物も人と同じで色付きの魔力結晶を持つモノと、そうで無いモノが居る。前者は特別な個体で、早々お目に掛かれない存在、且つ恐ろしく危険な存在さ」
「では、コイツは色付きの魔力結晶を持っておらんと?」
「まあ、腹を裂いてみないと確証はないが、十中八九はな。それにしても、まさか色付きのトロール・ベアを狩っていたとは……旦那は敵に回さない事にするよ」
「お前さんでも狩れたさ。大した相手じゃ無い」
「フッ、まあ、俺のコルトに魔弾が六発入っていれば、或いはって処だろうが、出来ればそんなのとやり合いたくは無いね」
前方の巨大な影がムクリと動き出す。
どうやら、ヤツは死んではおらん様だ。
頭の三分の一を吹き飛ばされ、それでも尚……やはりあのクマ、バケモンだな。
グォォーー!
「已むを得んか」
クマを仕留めるのは簡単だが、銃は小の刻印の弾丸以外は見せん方が無難だな。
魔弾だと勘違いされるのも面倒だ。
かといって、派手にバアルの槍を見せるわけにも行かん。
と成ると……。
馬から飛び降り、左手でアモンの、右手で電撃の魔法陣を描く。
フッ、それにしてもジムの奴、三味線を弾きおったな。
あの魔弾の威力、クマの右目で無く眉間を打ち抜いておれば、恐らく仕留めておれたろう。
だが、わざわざ、手加減を加えおったのだ。
「成るほど、次はワシの番と云う分けか」
描き上げたアモンの魔法陣を胸に押し当て、身体能力を強化。
そして、軍刀の鯉口を切り、十センチほど抜いた刀身に、右手の刀印の指先に浮かぶ魔法陣を付与する。
要は前回、六本脚のクマを仕留めた時と同じだ。
グォォォーーー!
雄叫びを上げて、ヤツが迫ってくる。
どうやら、石礫は飛ばして来んらしい。
脳をやられて、魔法を放てなくなったか、それとも単に頭に血が上ったか。
何れにしろ、手間が省けて有難い。
既に、ワシの眼前に迫ったクマが立ち上がり、鋭い鍵爪の有る四本の腕を振り上げる。
「旦那!!」
ジムとバリーがワシに叫ぶ。
振り下ろされる四本の腕を掻い潜る様に、足を踏み切り、飛び上がる。
軍刀を一閃!
ドサッと重い音を立てて、ヤツの体が地に崩れる。
そして、時間差を置いて、宙に切り飛ばした首も地に落ち転がる。
「だ、旦那、ご無事ですかい!」
バリーが、巨大なクマの体を避けつつ駆け寄ってくる。
「ああ、心配は要らん。無傷だ」
「ハァ~、驚いたぜまったく……。俺はてっきり、銃でトドメを刺すのだとばかり。まさか、あんな化け物をサーベルの一太刀で切り殺すなんてな……。そんな芸当、この大陸広しと言えど旦那ぐらいなもんだぜ」
フッ、少々苦戦して見せた方が良かったか。
「なに、ジムがヤツの頭を三分の一吹き飛ばしてくれたお陰で、石礫を撃って来んかったからな」
「石礫?」
「なんだ、お前さんは知らんのか。ヤツは石礫を散弾の様に飛ばす魔法を放ってくる」
「いや、そうじゃ無くって……。旦那がさっき一度斃したって言ったのは、まさかその魔法を?」
「ああ、そうだが」
「はぁ~、旦那、ソイツは色付きって奴だ。腹ん中に色の付いた魔力結晶が有ったろう。魔物も人と同じで色付きの魔力結晶を持つモノと、そうで無いモノが居る。前者は特別な個体で、早々お目に掛かれない存在、且つ恐ろしく危険な存在さ」
「では、コイツは色付きの魔力結晶を持っておらんと?」
「まあ、腹を裂いてみないと確証はないが、十中八九はな。それにしても、まさか色付きのトロール・ベアを狩っていたとは……旦那は敵に回さない事にするよ」
「お前さんでも狩れたさ。大した相手じゃ無い」
「フッ、まあ、俺のコルトに魔弾が六発入っていれば、或いはって処だろうが、出来ればそんなのとやり合いたくは無いね」
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