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<狙われた町と黒い沼>
町の行く末、話し合い
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あざ笑う小柄な男を頭取の男が制止する。
恐らく、あのデュモンという男、債権者で有ると同時に、調停者と言う立場なのだろう。
「町長さん、あなたや町民の皆さんの気持ちは分からんでも無い。だが残念ながら、言い方はともかくとして、ヘルマスさんの言い分は正しい。この様な状況では、例え、町の収支を増やす術が有ったとしても、さらにゴブリン共の襲撃が繰り返されるのは目に見えている。かと言って、先にゴブリンのコロニーを駆除しようにも、そのコロニーは稀に見る巨大な物と聞いている。先日、あなた方が送った討伐隊程度では、火に油を注ぐ様なもの。返り討ちにされた挙句、コロニーを刺激して、返って襲撃を促す様な事にも成る」
「ですから、今度はもっと大規模な討伐隊を……」
「その費用は、どうされるのですかな?すでに、この町そのものが担保に成っている状況です。これ以上何を担保に融資を受けるお積りですかな?それに、仮に融資したとして、本当にゴブリン共を確実に駆除出来ると言う確証は、お有りですかな?」
「そ、それは……」
デュモンという男の的を射た指摘に町長が口ごもる。
「クックック、ではこうしましょう。私もあなた方に同情しているのですよ。ですから、そうですな、借金の肩代わりの他に、十万ドルほど、町の皆さんに恵んで差し上げましょう。如何ですかな?」
「町長さん。彼らと、この町との遺恨は耳にしています。思う所もお有りでしょう。ですが、このまま無為に返済する当ての無い借金を重ねて、町民の皆さんを苦しめるものでも無いでしょう。十万ドルと言えど、各世帯で割れば、幾ばくかの物に成るでしょうが、それでも、新たな生活を始めるにあたっての助けには成る筈。ヘルマスさんの申し出、悪い話では無いと、私などは思いますが」
「待ってくれ、デュモンさん」
オーウェンが口を開く。
「昨夜分かった事だが、北の廃坑の地下に、油田と云う物が眠っているらしい。その油田から取れる原油という物を精製すれば、石油という物に成ると聞いた。しかもそれは魔力結晶に代わる新たな資源に成るとも。其方のヘルマス……さんも、その事に気付いて、この町を買おうとされているのでは?ならば、町でその油田とやらを運営すれば……」
「ハッハッハ」
小柄な男が手を叩いて、あざ笑う。
「如何にも、仰る通りですよ。ですが、アナタ方は正気ですかな。ハハハ、昨日今日知ったばかりの油田の開発を、御自分達でなさると?」
「ハァ~……、町長さん、オーウェンさん。ヘルマスさんの仰る通りです。失礼ながら、正気の沙汰とは思えませんな。昨日油田の事を知ったばかりの彼方方に、その開発をするからと、融資する者などおりません。まして、恐らく彼方方は石油の何たるかも、さほど分かっても居ないでしょう。その様な、にわかビジネス上手く行くとも思えませんな。かえって借金を膨れ上がらせるだけでしょう。とてもオススメ出来る事では有りませんな。それに、石油に付いても、私も銀行家の端くれ、その将来性に付いては、期待はしておりますが、魔力結晶にとって代わるほどの物かどうか……。融資となれば、いささか慎重に成らざるを得んでしょうな」
町長もオーウェンも、こうまで正論で論破されては、返す言葉も無い様だ。
それを見ている町の皆も、うな垂れておる。
年老いた者の中には、啜り泣いておる者も居る。
長年暮らした街を捨てねば成らん胸中、察するに余りある。
まあ、おおよその検討は付いておったが、ここまでだな。
そろそろ、ワシのお土産の出番か。
恐らく、あのデュモンという男、債権者で有ると同時に、調停者と言う立場なのだろう。
「町長さん、あなたや町民の皆さんの気持ちは分からんでも無い。だが残念ながら、言い方はともかくとして、ヘルマスさんの言い分は正しい。この様な状況では、例え、町の収支を増やす術が有ったとしても、さらにゴブリン共の襲撃が繰り返されるのは目に見えている。かと言って、先にゴブリンのコロニーを駆除しようにも、そのコロニーは稀に見る巨大な物と聞いている。先日、あなた方が送った討伐隊程度では、火に油を注ぐ様なもの。返り討ちにされた挙句、コロニーを刺激して、返って襲撃を促す様な事にも成る」
「ですから、今度はもっと大規模な討伐隊を……」
「その費用は、どうされるのですかな?すでに、この町そのものが担保に成っている状況です。これ以上何を担保に融資を受けるお積りですかな?それに、仮に融資したとして、本当にゴブリン共を確実に駆除出来ると言う確証は、お有りですかな?」
「そ、それは……」
デュモンという男の的を射た指摘に町長が口ごもる。
「クックック、ではこうしましょう。私もあなた方に同情しているのですよ。ですから、そうですな、借金の肩代わりの他に、十万ドルほど、町の皆さんに恵んで差し上げましょう。如何ですかな?」
「町長さん。彼らと、この町との遺恨は耳にしています。思う所もお有りでしょう。ですが、このまま無為に返済する当ての無い借金を重ねて、町民の皆さんを苦しめるものでも無いでしょう。十万ドルと言えど、各世帯で割れば、幾ばくかの物に成るでしょうが、それでも、新たな生活を始めるにあたっての助けには成る筈。ヘルマスさんの申し出、悪い話では無いと、私などは思いますが」
「待ってくれ、デュモンさん」
オーウェンが口を開く。
「昨夜分かった事だが、北の廃坑の地下に、油田と云う物が眠っているらしい。その油田から取れる原油という物を精製すれば、石油という物に成ると聞いた。しかもそれは魔力結晶に代わる新たな資源に成るとも。其方のヘルマス……さんも、その事に気付いて、この町を買おうとされているのでは?ならば、町でその油田とやらを運営すれば……」
「ハッハッハ」
小柄な男が手を叩いて、あざ笑う。
「如何にも、仰る通りですよ。ですが、アナタ方は正気ですかな。ハハハ、昨日今日知ったばかりの油田の開発を、御自分達でなさると?」
「ハァ~……、町長さん、オーウェンさん。ヘルマスさんの仰る通りです。失礼ながら、正気の沙汰とは思えませんな。昨日油田の事を知ったばかりの彼方方に、その開発をするからと、融資する者などおりません。まして、恐らく彼方方は石油の何たるかも、さほど分かっても居ないでしょう。その様な、にわかビジネス上手く行くとも思えませんな。かえって借金を膨れ上がらせるだけでしょう。とてもオススメ出来る事では有りませんな。それに、石油に付いても、私も銀行家の端くれ、その将来性に付いては、期待はしておりますが、魔力結晶にとって代わるほどの物かどうか……。融資となれば、いささか慎重に成らざるを得んでしょうな」
町長もオーウェンも、こうまで正論で論破されては、返す言葉も無い様だ。
それを見ている町の皆も、うな垂れておる。
年老いた者の中には、啜り泣いておる者も居る。
長年暮らした街を捨てねば成らん胸中、察するに余りある。
まあ、おおよその検討は付いておったが、ここまでだな。
そろそろ、ワシのお土産の出番か。
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