猫は銃と魔法の荒野を往く ~魔人と呼ばれた男、妖精猫に転生す。異世界で振るうは、天魔の権能~

春古年

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<狙われた町と黒い沼>

已むを得ん、ヤツはワシが片付ける

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瓦礫の中からレナードを引きずり出し、そのまま引きずって、集会所の入り口付近に横たえる。
ジムも、気を失った子供をその横に寝かせる。

残りのオーガ共は三匹が北に、一匹が南に向かった。
取り合えず、二人はこの集会所に寝かせておいても問題なかろう。

「で、旦那今のは?」
ワシが錬成した45ロングコルトの事だ。
「もしかして、リンドヴルムを仕留めたのって……」
「いや、ヤツには今の弾丸でも、ウロコ一枚剥がせんかったろうな。それに、ワシは45ロングコルトを撃てる銃は持ってはおらんよ」

「フッ、それにしても、旦那には一杯食わされたぜ。前に魔弾を見た事が無えとか言って、オレのなけなしの一発を披露させといて、こんなスゲエ威力の魔弾を隠し持っていたんだからな」
隠し持っていたと言うより、今さっき錬成したモノなんだがな。

「まあ許せ、コイツは確かに魔弾の様なものだが、お前さんに見せて貰った魔弾とは、少々別物でな。今は詳しい事は話せんし、その時間も無い」
そう言って残りの三発の45ロングコルトをジムに手渡す。

「三発って事は、残りの一匹は旦那が?」
「うむ、今ある手持ちはそれだけでな。お前さんは、北に向かった三匹を頼む、南に向かった残りの一匹は、已むを得ん、ヤツはワシが片付ける」
「ああ、良いぜ」

「それと、スマンが、その魔弾の事はあまり人に知られたく無い」
「ハァ~、何か訳アリって事かい、旦那……良いぜ。じゃあ、オーウェンの旦那かレナード辺りにでも聞かれたら、オレが軍の倉庫からかっぱらって来たとでも言うさ」
「フッ、助かる」


ジムとは、集会所の前で分かれ、南へと向かう。
少し離れた所で、刀印を結んで、アモンの魔法陣をえがき胸に押し当てる。
いつもの戦闘準備だ。

そして、強化された身体能力を生かし、建物の屋根に飛び昇り、南に向かったオーガを探す。
「居た!」
巨大なソイツの姿は、やたらと目立つ、探す必要も無い。

建物の屋根を飛び移る様に、そのオーガの後を追う。

さて、どう仕留めるか……。
十四年式の弾倉は、今銃に差してある物、予備の物、どれも小の刻印の物だ。
新たに錬成しようにも、魔力結晶は、さっき錬成したひと欠片しか持って来んかった。
何しろ、ひと騒動は有るとは思っておったが、相手はゴロツキ、人が相手だとばかり……いささか、読み間違えた。

一番手っ取り早く、確実なのは、やはりバアルの槍なのだが、こんな街中で放てば、それこそ大惨事に成る。
少々時間が掛かるが、命を奪うだけなら、以前に黒の森でトロール・ベアとやらを仕留める時に使った、レラジェの矢と言う手も有るが……。
アレは、突き刺さった標的の肉を急速に腐らせ、腐敗させる術だ。
オーガとやらの巨体、アレだけの物が腐敗し、悪臭を放つと成れば、それはそれで、別の意味で大惨事に成る。

他にも、アレを仕留めるだけなら、使える術はあるにはあるのだが……遠距離攻撃の術はどれも、付近に及ぼす被害が問題だな……。

ズドーン!
町の北の方から、銃声が遠く聞こえる。

「どうやらジムがもう一匹、仕留めたらしい。さすがだな」
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