90 / 182
<ヌアザの攻防>
スマンが、そいつは教えられん
しおりを挟む
「それで、そのゴブリン共の次の襲撃に備えて、何ぞ策でも考えて居るのか?」
一応、聞いておく必要が有る。
だが、そのワシの問いに、オーウェンは腕を組み、難しい顔をする。
「うむ、正直、今の町の状態では如何とも出来ん。できれば、町を囲う柵ぐらいは作りたい所なんだが、その資材も無い。そんな木材が有るなら、家の修復に回したい。それにそもそも人手も同様でな。アンタが費用を持ちデュモンさんが手配してくれると云う、討伐隊が来るのを待つしか無いのが現状だ。残念ながらな」
まあ、この町の状況を見る限り、致し方あるまい。
成らばいっそう、そのゴブリンとやらの巣を、ワシが殲滅するのが手っ取り早いのだが……。
「それで、そのゴブリンの巣ってのは、何処なんだい、オーウェンの旦那?」
ワシの意を酌んでかジムがそう尋ねる。
が、オーウェンは腕を組み暫し難しい顔で考える。
「スマンが、そいつは教えられん」
「それは、どう云うこった、オーウェンの旦那?」
「どうせゴブリンの巣を、偵察とか言って、見に行くんだろ?」
「当然さ。こちらから仕掛けるにしろ、攻め込まれるにしろ、敵戦力の把握は戦術の基本だぜ」
「はぁ~、それがマズいんだ。ヤツ等を刺激することに成る。前回、フロンティアギルドに討伐を依頼した時に、彼らが不用意に偵察に向かったせいで、ヤツ等を刺激して大規模な襲撃に有ってる。今、こんな状況で、ゴブリンに襲撃されてみろ、それこそ大惨事だ」
成るほど、人間が相手の基本的な戦術も、人外のモノ相手と成ると別の話と言う事か。
「して、ワシらが偵察するかどうかはともかく、一度偵察して居ると云うならその戦力は、ある程度把握して居ると云う事だな?」
「うむ……討伐隊の話では当初、およそ二千匹だと言っておった。ゴブリンのコロニーと言うのは大体、千~二千ほどに成る。ま、その最大値と云う事だな」
ん、当初?
「討伐隊でぎりぎり対処できると判断し、彼らは討伐に向かったんだが……実際は違ったんだ。コロニーは一つじゃ無かった。生き延びて帰って来た者の話では、もう一つ巣が有ったそうだ」
「おいおい、まさか、エンプレスが居たってのか!?」
ジムが驚愕の声を上げる。
「恐らくな。それが二月前の事だ。討伐隊との戦闘で、一時は少しは数を減らしたとは思うんだが、今はどれくらいに増えているか分からん。実際、この前の襲撃は三千匹くらいは居たかも知れん。正確には分からんが、教会の塔の上から見た感じではな。とすると、襲撃に来たゴブリンは半数と見積もっても、ヤツ等の巣にもう三千。もしかすると、もう一つコロニーが増えていると俺は睨んでいる」
一応、聞いておく必要が有る。
だが、そのワシの問いに、オーウェンは腕を組み、難しい顔をする。
「うむ、正直、今の町の状態では如何とも出来ん。できれば、町を囲う柵ぐらいは作りたい所なんだが、その資材も無い。そんな木材が有るなら、家の修復に回したい。それにそもそも人手も同様でな。アンタが費用を持ちデュモンさんが手配してくれると云う、討伐隊が来るのを待つしか無いのが現状だ。残念ながらな」
まあ、この町の状況を見る限り、致し方あるまい。
成らばいっそう、そのゴブリンとやらの巣を、ワシが殲滅するのが手っ取り早いのだが……。
「それで、そのゴブリンの巣ってのは、何処なんだい、オーウェンの旦那?」
ワシの意を酌んでかジムがそう尋ねる。
が、オーウェンは腕を組み暫し難しい顔で考える。
「スマンが、そいつは教えられん」
「それは、どう云うこった、オーウェンの旦那?」
「どうせゴブリンの巣を、偵察とか言って、見に行くんだろ?」
「当然さ。こちらから仕掛けるにしろ、攻め込まれるにしろ、敵戦力の把握は戦術の基本だぜ」
「はぁ~、それがマズいんだ。ヤツ等を刺激することに成る。前回、フロンティアギルドに討伐を依頼した時に、彼らが不用意に偵察に向かったせいで、ヤツ等を刺激して大規模な襲撃に有ってる。今、こんな状況で、ゴブリンに襲撃されてみろ、それこそ大惨事だ」
成るほど、人間が相手の基本的な戦術も、人外のモノ相手と成ると別の話と言う事か。
「して、ワシらが偵察するかどうかはともかく、一度偵察して居ると云うならその戦力は、ある程度把握して居ると云う事だな?」
「うむ……討伐隊の話では当初、およそ二千匹だと言っておった。ゴブリンのコロニーと言うのは大体、千~二千ほどに成る。ま、その最大値と云う事だな」
ん、当初?
「討伐隊でぎりぎり対処できると判断し、彼らは討伐に向かったんだが……実際は違ったんだ。コロニーは一つじゃ無かった。生き延びて帰って来た者の話では、もう一つ巣が有ったそうだ」
「おいおい、まさか、エンプレスが居たってのか!?」
ジムが驚愕の声を上げる。
「恐らくな。それが二月前の事だ。討伐隊との戦闘で、一時は少しは数を減らしたとは思うんだが、今はどれくらいに増えているか分からん。実際、この前の襲撃は三千匹くらいは居たかも知れん。正確には分からんが、教会の塔の上から見た感じではな。とすると、襲撃に来たゴブリンは半数と見積もっても、ヤツ等の巣にもう三千。もしかすると、もう一つコロニーが増えていると俺は睨んでいる」
0
あなたにおすすめの小説
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
魔法使いの国で無能だった少年は、魔物使いとして世界を救う旅に出る
ムーン
ファンタジー
完結しました!
魔法使いの国に生まれた少年には、魔法を扱う才能がなかった。
無能と蔑まれ、両親にも愛されず、優秀な兄を頼りに何年も引きこもっていた。
そんなある日、国が魔物の襲撃を受け、少年の魔物を操る能力も目覚める。
能力に呼応し現れた狼は少年だけを助けた。狼は少年を息子のように愛し、少年も狼を母のように慕った。
滅びた故郷を去り、一人と一匹は様々な国を渡り歩く。
悪魔の家畜として扱われる人間、退廃的な生活を送る天使、人との共存を望む悪魔、地の底に封印された堕天使──残酷な呪いを知り、凄惨な日常を知り、少年は自らの能力を平和のために使うと決意する。
悪魔との契約や邪神との接触により少年は人間から離れていく。対価のように精神がすり減り、壊れかけた少年に狼は寄り添い続けた。次第に一人と一匹の絆は親子のようなものから夫婦のようなものに変化する。
狂いかけた少年の精神は狼によって繋ぎ止められる。
やがて少年は数多の天使を取り込んで上位存在へと変転し、出生も狼との出会いもこれまでの旅路も……全てを仕組んだ邪神と対決する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる