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<急襲、救出>

【ドウマ、陽動】 惨殺

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マズイ!
錬成した鉛玉に使った魔力結晶のサイズを誤った!
銃では無くスリングショットの弾ゆえ、やや威力を上げようと、いささか大きめの欠片かけらを使ったのだが……大きすぎた様だ。

隣の男は、突然の事にキョトンとしておるが、騒ぎ出す前に始末せんとマズイ。
すかさず、もう一発鉛玉をつがえ、ろくに狙わず放つ。
どうせ、魔弾が発動して居る。

放った鉛玉は、左の男の顔の中心を捉え、同じく脳髄のうずい脳漿のうしょうをぶちまけ、崩れる様に倒れる。

「ああ……旦那……」
「はぁ~……言うな……。鉛玉を錬成した時、魔力結晶のサイズを間違えた。ともかく、急ぐぞ。手筈は分ってるな?」
「ああ、旦那が騒ぎを起こしてる内に、屋敷に侵入って事だろ」
「うむ、では参るぞ」

ジムと門扉の前に倒れておる二人の男のむくろを板塀の裏に隠し、敷地の中をうろつく見回りの目に目立たない様にする。
そして、地面を蹴って、門扉の上を飛び越え、閂を外してジムも中に入れる。

さて、此処ここからは、別行動に成る。
ジムに手で合図を送り二手に分かれる。
ジムは塀に沿って西へ、ワシは東へと。


一旦、板塀の傍に置かれた樽の裏に身を隠す。
騒ぎを起こすにしろ、奇襲をかけるにしろ、敵の戦力は少しでも削っておくに限る。
スズメが見た光景では、敷地の中を見回る者が何人か居った。
成らば、そ奴等から、一人ずつ血祭に上げて行くとしよう。

ん?足音。
誰ぞ、こっちに近付いて来る。
そっと、樽の裏から覗く。

ショットガンを持った男が一人、こっちに来る。
当然だが、ワシに気付いたふうは無い。
単なる見回りだろう。

ヤツは銃を持って居るが、特に緊張感は見て取れん。
男にとっては、退屈な仕事を只こなしているだけ、と言ったところだろう。
そのまま、無防備にワシの潜む樽の横を通り過ぎる。

その背後に忍び寄り、飛びついて左腕で男の首を絞め、右手で口を押える。
声など出させはせん。
そして、アモンの権能が宿った膂力りょりょくで、その首をゴキリとへし折ると、そのまま樽の裏に男のむくろを隠す。

更に、屋敷を回り込む様に進む。
気配を感じて、崩れ落ちた小屋の残骸に身を隠す。
こ奴もまた、無防備に近付いて来る。

ん、丁度良い。
崩れた小屋の建材に刺さった五寸釘を一本抜き取る。
随分と錆びてはおるが、問題なかろう。

その男の背後に回り込み、飛び掛かって首の後ろの頸椎目掛け、さっきの釘を突き刺し捻じ込む。
男は即死し、座り込む様に倒れたその時、前方の屋敷の角からライフルを持った男が現れる。

咄嗟に、今殺した男の背後に身を隠す。
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