156 / 182
<急襲、救出>
【ドウマ、陽動】 もう止めにしませんか
しおりを挟む
バーン、バーン!
ホバートのスコフィールドが火を噴き、残りの手下も絶命する。
再び、柱の陰に身を隠す。
ヤツもまた同じ。
「さて、ヤツと一騎打ちと云う事か……」
一旦、十四年式の空に成った弾倉を捨て、差し替える。
不意に、ホバートが話しかけて来る。
「ミスター・ドウマ、驚きましたよ。まさかこんなにも早くこのアジトに辿り着くとは、アナタの姿を見る迄想像もしていませんでしたよ。いったいどうやったんです?」
そう雑談するかの様に平然と話しながら、ヤツは柱の陰から飛び出し、いつもの歪んだ笑顔でスコフィールドをぶっ放す。
バーン、バーン!
転がる様に躱しながら、ワシも応戦する。
パン、パン!
そして、再び柱の陰に。
「なに、お前さんが置いて行った、仲間が喋ったくれたのさ」
パン、パン!
「あの男を、仲間だと考えた事も有りませんでしたが……それにしてもソイツはおかしいですね。拷問して聞き出したにしろ、あの男には此処のアジトに来るとは教えてなかった」
バーン!
「一体どんな手品をお使いに?まさか、大魔法を使っただなんて冗談、言わないで下さいよ。まあアナタなら、魔道具なしに魔法の一つや二つ使ったとしても、驚きませんがね」
バーン!
「フッ、なかなか鋭いな。ちょっとした魔法を使ったのさ」
大魔法かどうかは知らんが、デカいスズメでは有ったよ。
パン、パン!
「ハァ~……ミスター・ドウマ、もう止めにしませんか。正直、このままアナタと戦っても、私には何の得も無い。実は屋敷を出る前、あのチビと商談したんです。外の敵を斃せば二千ドル。その代わり、手下を一人失う度に二百ドルの香典をあのチビに支払うとね。つまり、此処でアナタを斃しても四千ドルの借金なんですよ。それよりどうです、手を組みませんか?ヘルマス一家を皆殺しにするって話なら乗りますよ。何しろ、その方が私にはメリットがある。如何ですか、ミスター・ドウマ」
ヤツの銃撃は無い。
「ハハハ、あの小男に借金とは、また災難な事だな。で、そうコロコロと裏切るお前さんをどう信用しろと?」
「そう云う言われ方は、心外ですなミスター・ドウマ。子供を攫ったのは、アナタ達を裏切ったと云う分けじゃ無い。元々、奴等に金で雇われていただけの事。もし、裏切りと云う事なら、ここで奴等を裏切る今が初めての事ですよ。その証拠に、ほら」
そう言って、スコフィールドが四挺収まったガンベルトを投げて寄こし、両手を肩の高さに上げ、柱の陰から出て来る。
当然の様に、いつもの歪んだ笑顔は崩さない。
「お前さん、未だもう一挺、大砲を持っとるだろう」
何とも、食えない男だ。
油断は出来ん。
「ハハ、これは失敬♪」
隠し持っておったデリンジャーも投げて寄こす。
目に魔力を集中させ、そのデリンジャーを見ると、確かに魔力を帯びておる、魔銃だ。
さて、如何したモノか……こ奴を許す気は毛頭無い。
それに今更、丸腰の悪人を切り捨てる事に動じる程、ワシは甘くも無い。
だが……ワシのヒゲが、微かにチリチリとする。
未だあ奴、何ぞ企んでおるな。
ホバートのスコフィールドが火を噴き、残りの手下も絶命する。
再び、柱の陰に身を隠す。
ヤツもまた同じ。
「さて、ヤツと一騎打ちと云う事か……」
一旦、十四年式の空に成った弾倉を捨て、差し替える。
不意に、ホバートが話しかけて来る。
「ミスター・ドウマ、驚きましたよ。まさかこんなにも早くこのアジトに辿り着くとは、アナタの姿を見る迄想像もしていませんでしたよ。いったいどうやったんです?」
そう雑談するかの様に平然と話しながら、ヤツは柱の陰から飛び出し、いつもの歪んだ笑顔でスコフィールドをぶっ放す。
バーン、バーン!
転がる様に躱しながら、ワシも応戦する。
パン、パン!
そして、再び柱の陰に。
「なに、お前さんが置いて行った、仲間が喋ったくれたのさ」
パン、パン!
「あの男を、仲間だと考えた事も有りませんでしたが……それにしてもソイツはおかしいですね。拷問して聞き出したにしろ、あの男には此処のアジトに来るとは教えてなかった」
バーン!
「一体どんな手品をお使いに?まさか、大魔法を使っただなんて冗談、言わないで下さいよ。まあアナタなら、魔道具なしに魔法の一つや二つ使ったとしても、驚きませんがね」
バーン!
「フッ、なかなか鋭いな。ちょっとした魔法を使ったのさ」
大魔法かどうかは知らんが、デカいスズメでは有ったよ。
パン、パン!
「ハァ~……ミスター・ドウマ、もう止めにしませんか。正直、このままアナタと戦っても、私には何の得も無い。実は屋敷を出る前、あのチビと商談したんです。外の敵を斃せば二千ドル。その代わり、手下を一人失う度に二百ドルの香典をあのチビに支払うとね。つまり、此処でアナタを斃しても四千ドルの借金なんですよ。それよりどうです、手を組みませんか?ヘルマス一家を皆殺しにするって話なら乗りますよ。何しろ、その方が私にはメリットがある。如何ですか、ミスター・ドウマ」
ヤツの銃撃は無い。
「ハハハ、あの小男に借金とは、また災難な事だな。で、そうコロコロと裏切るお前さんをどう信用しろと?」
「そう云う言われ方は、心外ですなミスター・ドウマ。子供を攫ったのは、アナタ達を裏切ったと云う分けじゃ無い。元々、奴等に金で雇われていただけの事。もし、裏切りと云う事なら、ここで奴等を裏切る今が初めての事ですよ。その証拠に、ほら」
そう言って、スコフィールドが四挺収まったガンベルトを投げて寄こし、両手を肩の高さに上げ、柱の陰から出て来る。
当然の様に、いつもの歪んだ笑顔は崩さない。
「お前さん、未だもう一挺、大砲を持っとるだろう」
何とも、食えない男だ。
油断は出来ん。
「ハハ、これは失敬♪」
隠し持っておったデリンジャーも投げて寄こす。
目に魔力を集中させ、そのデリンジャーを見ると、確かに魔力を帯びておる、魔銃だ。
さて、如何したモノか……こ奴を許す気は毛頭無い。
それに今更、丸腰の悪人を切り捨てる事に動じる程、ワシは甘くも無い。
だが……ワシのヒゲが、微かにチリチリとする。
未だあ奴、何ぞ企んでおるな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
29
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる