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<急襲、救出>

これで、一件落着だな

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教会の前では、既に皆が待っていた。
その中央には、ティナと手を繋ぎ、目に涙を浮かべ微笑むジェシーが立っておる。

「バーニー、着いたぜ。そろそろ起きて、ママに元気な顔を見せてやんな♪」
そう、ジムが指先でバーニーの頬を突くと、「うーーん」と伸びをひとつ。
「うん?ジムおじちゃん……ママって……」
そう、まだ眠そうに目を擦る。

ジムは馬を降り、そのバーニーを地面に立たせる。
「バーニー♪」
「えっ、ママ♪」
バーニーは駆け寄り、飛び込む様にジェシーの胸に。

「ジム、これで、一件落着だな」
ゴブリン供を蹴散らし、ヘルマス一家いっかも始末した。
そして、さらわれたバーニーもジェシーの元に。
「ああ、旦那」

「ドウマ、ジム、二人には何と礼を言えば良いか分からんな」
オーウェンが疲れも見て取れるが、清々しい笑顔を浮かべながら声をかけて来る。

女帝エンプレスが率いるゴブリン供の襲撃、そして、手段を選ばんヘルマスのヤツ等。これだけの事があって、誰一人、死んだ者はおらん。それに、マーサの事も……ドウマ、さっきは禄に礼も言えなかったが、ホントに感謝する。この礼は必ず……」

「フッ、礼など無用だ。ワシもこの地の油田を買ったからには、無関係では無いからな、お互い様だ」
「ハハ、そうだぜ。水臭い事は無しにしようぜ、オーウェンの旦那」

「そうか……なら、そう言う事にしておこう。だが、ドウマ、マーサが動ける様に成ったら、手料理をご馳走したいと言っているんだが、どうだ?」
「うむ、そう言う事なら是非、馳走になろう」

「それで、ドウマ、ジム。ヘルマスの奴らは?」
「ヤツ等なら、ほぼ全員始末した」
「ほぼ?」
「始末したヤツ等の魔力結晶を集めるのが面倒だったんでな。下っ端を二人ほど、見逃す事を条件にやらせている。集めた物は、門の前に積み上げる様に言ってあるのだが、マズかったか?」
「いや、構わんさ。そんな下っ端見逃したところで、大して町の不利益にも成らんだろうからな。まあ、そう言う事なら、明日にでも自警団うちの若いのに取りに行かそう」

そして、オーウェンがやや神妙な顔付きに成り続ける。
「それとジム、一つ残念な知らせがある」
「残念な知らせって……何の事だい、オーウェンの旦那……?」
「うむ、それは……」
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