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食べない方が良いよ
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ぼくはその日お腹の調子が悪くて、給食の後トイレに駆け込んだ。
何となく、クラスメイトに知られるのが恥ずかしくて、旧校舎のトイレに入ったんだ。
何とか間に合って、用を済ませてトイレから出ると廊下の角の方から、からかう様な声と「ごめん、もう許して」という声が聞こえて来る。
それに交じって殴る様な音も……。
その声には聞き覚えがある。
多分、隣の席の西山くんだ。
虐めてる方は、多分クラスの武田くんとその取り巻きだと思う。
どっちとも、あまり話した事もなくって、別に仲の良いクラスメイトじゃ無いけれど、このまま教室に帰るのは気が引ける様な気がした。
「あっ、先生」
とだけ、あいつ等に見えない位置から声を掛けた。
「おい、やべぇ!」
そして、ガチャンとドアが閉まる音。
多分、向こうの非常口から裏庭の方に逃げたんだと思う。
そのあと、これ以上関わる気は無かったぼくは、そのまま教室に戻った。
次の日の給食の時間、給食当番だった西山くんが、クリームシチューをよそいながら、スッと顔を近付け、
「食べない方が良いよ」
と囁いた。
その言葉が気になって給食に手を付けずにどうしようか迷っていたんだけど、クラスメイト達は美味しそうにクリームシチューを食べている。
「食べない方が良いよ」と言った西山くんも美味しそうに食べていた。
それを見て、ぼくも食べようとクリームシチューをスプーンで掬おうとしたその時。
「ウ、ウゲェーーー!」
と、武田くんが嘔吐し、もだえ苦しんでいる。
「オイ! どうした!?」
先生が慌てて駆け寄り、クラス委員長に保健の先生を呼んでくるように指示を出す。
「武田は何喰ったんだ?」
と、先生が思い出したかのように周り生徒に尋ねる。
「御飯と、あとクリームシチューを美味しそうに食べてました」
そう聞いた先生が一瞬ハッとなり、怒鳴る様に叫ぶ。
「今すぐ食うのを止めろ! 絶対にクリームシチューを食うんじゃない!!」
何の事か分からず固まって居るぼくに、西山くんが微笑みながら囁く。
「武田くん甲殻類アレルギーなんだって♪」
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現在こちらの動画は有りませんが、
是非、YouTubeにて"異界劇場"とご検索下さい。
何となく、クラスメイトに知られるのが恥ずかしくて、旧校舎のトイレに入ったんだ。
何とか間に合って、用を済ませてトイレから出ると廊下の角の方から、からかう様な声と「ごめん、もう許して」という声が聞こえて来る。
それに交じって殴る様な音も……。
その声には聞き覚えがある。
多分、隣の席の西山くんだ。
虐めてる方は、多分クラスの武田くんとその取り巻きだと思う。
どっちとも、あまり話した事もなくって、別に仲の良いクラスメイトじゃ無いけれど、このまま教室に帰るのは気が引ける様な気がした。
「あっ、先生」
とだけ、あいつ等に見えない位置から声を掛けた。
「おい、やべぇ!」
そして、ガチャンとドアが閉まる音。
多分、向こうの非常口から裏庭の方に逃げたんだと思う。
そのあと、これ以上関わる気は無かったぼくは、そのまま教室に戻った。
次の日の給食の時間、給食当番だった西山くんが、クリームシチューをよそいながら、スッと顔を近付け、
「食べない方が良いよ」
と囁いた。
その言葉が気になって給食に手を付けずにどうしようか迷っていたんだけど、クラスメイト達は美味しそうにクリームシチューを食べている。
「食べない方が良いよ」と言った西山くんも美味しそうに食べていた。
それを見て、ぼくも食べようとクリームシチューをスプーンで掬おうとしたその時。
「ウ、ウゲェーーー!」
と、武田くんが嘔吐し、もだえ苦しんでいる。
「オイ! どうした!?」
先生が慌てて駆け寄り、クラス委員長に保健の先生を呼んでくるように指示を出す。
「武田は何喰ったんだ?」
と、先生が思い出したかのように周り生徒に尋ねる。
「御飯と、あとクリームシチューを美味しそうに食べてました」
そう聞いた先生が一瞬ハッとなり、怒鳴る様に叫ぶ。
「今すぐ食うのを止めろ! 絶対にクリームシチューを食うんじゃない!!」
何の事か分からず固まって居るぼくに、西山くんが微笑みながら囁く。
「武田くん甲殻類アレルギーなんだって♪」
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