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交換じゃ
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上司にたまっている有給を消化する様に言われた俺は、それならばと、磯釣りの出来るキャンプ場に行く事にした。
一晩テントであかし、翌朝は早朝から竿を振る。
釣果の程は、まあ大漁とは行かなかったが、いい型のメジナが三匹ほど釣れた。
少し、日も高くなってきたが、もう少し粘ろう。
「旨そうなメジナじゃの」
その言葉に振り返ると、今時珍しく着物姿の男の子が、クーラーボックスの蓋を開け覗き込んでいる。
「なあ、これと一つ交換じゃ」
そう、手に持った小さなバケツを差し出してくる。
「うわっ!」
そのバケツの中には切断された手が入っていた。
勿論本物じゃ無いだろうが、突然の事で俺は声を上げのけ反った。
「ちょ、お前なあ……」
怒ろうと少年を睨みつけ気付いたが、少年の目の焦点が合っていない。
ヘラヘラと笑うその口元には、ヤスリで砥いだような異常に尖った歯が並んでいる。
ちょっと、ヤバい子供かも知れん。
下手に係わるのは止めておこう。
「欲しけりゃタダでやるから、メジナ一匹持っていけ……」
「ホントけ、そりゃ有難い。ウヒヒ♪」
そう気味の悪い笑い声をあげながら、一番型の良いメジナを持って、磯を飛び跳ねる様に去って行った。
結局、その後は一匹も釣れずキャンプ場に戻ると、向こうから管理人の爺さんが歩いて来る。
「どうでした、釣果の方は?」
「一応、型の良いのが三匹ほど釣れたんですが……」
と、さっきの出来事を話すと管理人の爺さんの顔色が変わる。
「儂も昔、その子供に合った事が有るんじゃ」
「えっ? 昔って……」
「そん時、アイツに海に突き飛ばされてな。そんで、運悪くサメが出てきてこの通りじゃ」
と、手首から先の無い左腕を見せる。
「あん時儂は、『手なんぞいらん! さっさと向こうに行け!』と、そう言うてしもたんじゃ……」
-------------------------------------------------------
現在こちらの動画は有りませんが、
是非、YouTubeにて"異界劇場"とご検索下さい。
一晩テントであかし、翌朝は早朝から竿を振る。
釣果の程は、まあ大漁とは行かなかったが、いい型のメジナが三匹ほど釣れた。
少し、日も高くなってきたが、もう少し粘ろう。
「旨そうなメジナじゃの」
その言葉に振り返ると、今時珍しく着物姿の男の子が、クーラーボックスの蓋を開け覗き込んでいる。
「なあ、これと一つ交換じゃ」
そう、手に持った小さなバケツを差し出してくる。
「うわっ!」
そのバケツの中には切断された手が入っていた。
勿論本物じゃ無いだろうが、突然の事で俺は声を上げのけ反った。
「ちょ、お前なあ……」
怒ろうと少年を睨みつけ気付いたが、少年の目の焦点が合っていない。
ヘラヘラと笑うその口元には、ヤスリで砥いだような異常に尖った歯が並んでいる。
ちょっと、ヤバい子供かも知れん。
下手に係わるのは止めておこう。
「欲しけりゃタダでやるから、メジナ一匹持っていけ……」
「ホントけ、そりゃ有難い。ウヒヒ♪」
そう気味の悪い笑い声をあげながら、一番型の良いメジナを持って、磯を飛び跳ねる様に去って行った。
結局、その後は一匹も釣れずキャンプ場に戻ると、向こうから管理人の爺さんが歩いて来る。
「どうでした、釣果の方は?」
「一応、型の良いのが三匹ほど釣れたんですが……」
と、さっきの出来事を話すと管理人の爺さんの顔色が変わる。
「儂も昔、その子供に合った事が有るんじゃ」
「えっ? 昔って……」
「そん時、アイツに海に突き飛ばされてな。そんで、運悪くサメが出てきてこの通りじゃ」
と、手首から先の無い左腕を見せる。
「あん時儂は、『手なんぞいらん! さっさと向こうに行け!』と、そう言うてしもたんじゃ……」
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是非、YouTubeにて"異界劇場"とご検索下さい。
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