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マイクロチップ
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最近町内では、犬や猫などのペットが盗まれた挙句、遺体で見つかると言う事件が多発している。
それも、発見された遺体はどれも無残なもので、必ず生皮を剥がされた状態で見つかっているらしい。
中には、発見時にはまだ生きていて、弱々しく鳴いていたものも居たとか。
つまり、虐待された犬猫は、まだ生きた状態で皮を剥がされたということだ。
まあ、そういう事も有って、俺は普段は放し飼いにしている飼い猫にマイクロチップを装着させ、外にも出さない様にしている。
ニャーーーー!
そんなある日、庭で猫の激しく威嚇する鳴き声が聞こえてきた。
部屋に居た筈の猫が居ない。
どうやら、換気の為に少し開けていた窓の隙間から抜け出した様だ。
俺は急いで玄関を飛び出し、猫を連れ戻そうと庭先へと向かう。
ニャーーーー!
飼い猫は、敷地の外に出るでもなく、生垣の一点を睨みつける様に威嚇している。
何か有るのだろうか?
俺はソーっと飼い猫の背後からそれを覗き込んだ。
「な、なんだコレ……?」
それは、異様でグロテスクな肉の塊だった。
生皮を剥がされたように、毛皮は無く、全身の筋肉が露出している。
「例の事件の被害に遭った犬か猫の死体か?」
それで、そのサイコパス野郎が、うちの庭にその死体を投げ込んだのだろうか?
だがそれにしても異様な死体だ。
動物の手足の様に見える箇所もあるが、それらは本来あるべき場所には無く、腫瘍の様なコブでまみれていて、猫なのか犬なのか、それとも他の野生動物なのかも判断できない。
ヒドイ奇形か、何か病気だったのだろうか……。
まあ、ともかく、警察に通報した方が良さそうだ。
ん?
一瞬、その肉塊が脈打ったように見えた。
「気のせい…だよな?」
これで、生きてるとはとても思えないんだが……。
「クサッ!」
確かめようと近付いたその時、異様な腐臭にのけ反った。
明らかに腐ってる……。
さっき脈打って見えたのは、やはり気のせいだろう。
念の為、庭先に置いていた箒を手に取り、
その柄で突いてみることにした。
そして、箒の柄がその肉塊に触れたその瞬間……。
ササッ!
肉塊は、見えないほどの速さで生垣の向こうに消える。
「うわっ!」
俺は思わず、声を上げ驚いた。
既に、あの肉塊の姿は何処にもなく、念の為敷地の外に回ってアレを探したが、見つからなかった。
「なんだったんだアレは……」
あの奇妙な出来事もあって、より飼い猫が外に迷いださない様、気を使う様にしていたんだが、
あれから数日経ち、また家の中に猫が居ない事に気が付いた。
嫌な予感がした俺は、すぐさま家を飛び出した。
と、程無く、近所にある田んぼのあぜ道で、呑気に毛づくろいしている飼い猫が見つけた。
「まったく、心配掛けんじゃねえよ♪」
抱き上げそう声を掛けると、
にゃー♪
と気の抜けた返事が返って来る。
俺は、猫を抱き上げたまま家に帰ろうと踵を返したその時、嫌なものが目に入って硬直した。
赤く血にまみれ横たわったソレには、毛皮が無かった。
多分、猫か何かの死体だ……。
俺はすぐさま、110番に通報し警察を待った。
翌日、また猫が迷い出ない様に戸締りを徹底し、監視とスキンシップを兼ねて、コタツで膝の上に乗せ、ミカンを剥いて居ると、スマホの着信音が鳴る。
「はい、もしもし……」
電話に出ると、相手は警察からだった。
「実は、昨日通報頂いた猫の遺体の近くにマイクロチップが見つかりまして、解析して見たところ、どうもお宅で飼われてた猫だったようで……」
「えっ、いや……何を仰っているんです!?」
あまりに意味不明な内容に、俺は動揺した。
「うちの猫は、いま俺の膝の上で……」
と、その時、あの鼻を衝く様な嫌な腐臭が……。
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現在こちらの動画は有りませんが、
是非、YouTubeにて"異界劇場"とご検索下さい。
それも、発見された遺体はどれも無残なもので、必ず生皮を剥がされた状態で見つかっているらしい。
中には、発見時にはまだ生きていて、弱々しく鳴いていたものも居たとか。
つまり、虐待された犬猫は、まだ生きた状態で皮を剥がされたということだ。
まあ、そういう事も有って、俺は普段は放し飼いにしている飼い猫にマイクロチップを装着させ、外にも出さない様にしている。
ニャーーーー!
そんなある日、庭で猫の激しく威嚇する鳴き声が聞こえてきた。
部屋に居た筈の猫が居ない。
どうやら、換気の為に少し開けていた窓の隙間から抜け出した様だ。
俺は急いで玄関を飛び出し、猫を連れ戻そうと庭先へと向かう。
ニャーーーー!
飼い猫は、敷地の外に出るでもなく、生垣の一点を睨みつける様に威嚇している。
何か有るのだろうか?
俺はソーっと飼い猫の背後からそれを覗き込んだ。
「な、なんだコレ……?」
それは、異様でグロテスクな肉の塊だった。
生皮を剥がされたように、毛皮は無く、全身の筋肉が露出している。
「例の事件の被害に遭った犬か猫の死体か?」
それで、そのサイコパス野郎が、うちの庭にその死体を投げ込んだのだろうか?
だがそれにしても異様な死体だ。
動物の手足の様に見える箇所もあるが、それらは本来あるべき場所には無く、腫瘍の様なコブでまみれていて、猫なのか犬なのか、それとも他の野生動物なのかも判断できない。
ヒドイ奇形か、何か病気だったのだろうか……。
まあ、ともかく、警察に通報した方が良さそうだ。
ん?
一瞬、その肉塊が脈打ったように見えた。
「気のせい…だよな?」
これで、生きてるとはとても思えないんだが……。
「クサッ!」
確かめようと近付いたその時、異様な腐臭にのけ反った。
明らかに腐ってる……。
さっき脈打って見えたのは、やはり気のせいだろう。
念の為、庭先に置いていた箒を手に取り、
その柄で突いてみることにした。
そして、箒の柄がその肉塊に触れたその瞬間……。
ササッ!
肉塊は、見えないほどの速さで生垣の向こうに消える。
「うわっ!」
俺は思わず、声を上げ驚いた。
既に、あの肉塊の姿は何処にもなく、念の為敷地の外に回ってアレを探したが、見つからなかった。
「なんだったんだアレは……」
あの奇妙な出来事もあって、より飼い猫が外に迷いださない様、気を使う様にしていたんだが、
あれから数日経ち、また家の中に猫が居ない事に気が付いた。
嫌な予感がした俺は、すぐさま家を飛び出した。
と、程無く、近所にある田んぼのあぜ道で、呑気に毛づくろいしている飼い猫が見つけた。
「まったく、心配掛けんじゃねえよ♪」
抱き上げそう声を掛けると、
にゃー♪
と気の抜けた返事が返って来る。
俺は、猫を抱き上げたまま家に帰ろうと踵を返したその時、嫌なものが目に入って硬直した。
赤く血にまみれ横たわったソレには、毛皮が無かった。
多分、猫か何かの死体だ……。
俺はすぐさま、110番に通報し警察を待った。
翌日、また猫が迷い出ない様に戸締りを徹底し、監視とスキンシップを兼ねて、コタツで膝の上に乗せ、ミカンを剥いて居ると、スマホの着信音が鳴る。
「はい、もしもし……」
電話に出ると、相手は警察からだった。
「実は、昨日通報頂いた猫の遺体の近くにマイクロチップが見つかりまして、解析して見たところ、どうもお宅で飼われてた猫だったようで……」
「えっ、いや……何を仰っているんです!?」
あまりに意味不明な内容に、俺は動揺した。
「うちの猫は、いま俺の膝の上で……」
と、その時、あの鼻を衝く様な嫌な腐臭が……。
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現在こちらの動画は有りませんが、
是非、YouTubeにて"異界劇場"とご検索下さい。
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