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リベンジマッチ2
しおりを挟む「あ、あのっ。和希さん!」
和希さんは私の事に気が付いて足を止めて振り向きました。
「まったく、お前とはなにかと縁があるみたいだな」
「おんなじ学校だったなんてビックリです」
「――それで? 私に何か用でもあるのか?」
「その…………似てる人を見かけたので、もしかしてって思って声をかけたのですが」
「…………用が無いなら私は帰るぞ? それに連絡先は渡してあるから用がある時はそっちに連絡してくれ」
そう言って和希さんは門から出てバス停の方に向かって行きました。
――――せっかくゲームが上手い知り合いが出来たのだから、もっと仲良くなりたいのに中々うまくはいかないみたいです。
なにかきっかけでもあればいいのですが…………。
あっ!? そう言えば一緒にブレマジで遊ぶ約束をしてたんでした。
「あのっ。今日一緒にブレマジやりませんか?」
和希さんは再び足を止めてこっちを向きました。
「別に構わないが、18時くらいからでもいいか?」
「は、はいっ。では18時から一緒のチームで遊びましょう!」
和希さんとチームを組むのは飛行機事故以来で凄く楽しみです。
上手く行けば一緒に大会に出てくれるようになるかもしれませんし。
…………と、思ったのですが。
「チーム? すまないが私はソロ専用なんだ。だから対戦プレイにしてくれないか?」
「ええっ!? この前は一緒にチーム組んだじゃないですか!?」
「あの時は非常事態だったからな。それに、いちいち仲間を気にしてゲームをするのは面倒だ」
「あの……そこを何とかなりませんか?」
「だいたい何でそんなにチームでやりたいんだ?」
「実は今、大会に一緒に出てくれるチームメイトを探してて、もしかしたら和希さんとは連携もバッチリかなーとか思って――――」
「あいにく私は大会もソロしか興味ないんだ。チームメイトなら他をあたるんだな」
――――ガガーン。
速攻で私のチーム構成が崩れ去ってしまいました。
和希さんが仲間になってくれたら、切り込み隊長として凄く心強いのに!
こうなったらもうあれしかないっ!!
「あ、あのっ。だったら今から私と勝負してください!!」
「18時から勝負するだろ?」
「いえ今から和希さんと勝負するのはクラウンデュエルです。私が勝ったらチームで遊んで下さい!」
「…………」
和希さんは少し考えてから。
「なら1回だけやってやる。お前が負けたらチーム戦は諦めるんだな」
「は、はいっ! では、対戦は学校のeスポ室を使わせてもらいましょう」
私達は対戦をする為の施設へと向かって行きました。
…………けれど。
「ええっ!? 全部使用中!?」
「ごめんね~。タッチの差で埋まっちゃったんだ」
施設の管理人さんに聞くと、どうやら全ての部屋が使われているらしく、かなり待たないと順番は回って来ないとの事でした。
「ど、どうしましょう?」
「ここが駄目なら河川敷あたりでやればいいんじゃないか?」
「……河川敷で?」
「簡易フィールドならそれなりの広ささえあれば問題ないだろ?」
「そうなんですか?」
「…………? お前がクラウンデュエルやろって言ってきたんだが…………もしかして、やった事ないのか?」
「いえ。数回やった事はあるんですが……」
「まあいい。設定は私がやってやるから、お前はナビを呼んでこい」
「わかりました」
私はシャンティに通信を入れて来てもらうと、和希さんと一緒に学校の近くにある河川敷へと移動しました。
和希さんも自分のナビを既に呼んでいて、今はお互いに10メートルくらい離れた位置で対面しています。
「ルールはこっちが決めて構わないか?」
「はい。私はどんなルールでもいいです」
「だったら、まずはナビを装着しろ」
「わ、わかりました。――――では、シャンティ行きますよ!」
「ほいほいっと」
変身した私はいつも通りの決めポーズ!
「桜花爛漫(おうからんまん) 風宮 桜 参上ですっ!!!!」
そして、和希さんも続いてポーズを取りました。
「色即是空(しきそくぜくう) 仙道 和希 見参!」
ああっ!?
ついに…………ついに念願の2人での決めポーズをする事が出来ました。
忍さんに何回お願いしても「い、嫌に決まってるでしょ!」と断られた2人での決めポーズが!!!!
…………っと、それより今は対戦の事を考えないといけませんね。
これからもずっと一緒にポーズを取って貰うために!!!!
お互いにポーズが終わった所で和希さんが何やら設定をすると、バイザー越しに仮想フィールドが出現しました。
これで対戦の準備は完了です。
そして和希さんが対戦ルールを告げました。
「クラスリミット・フリー、ツー・ライフ、ノーマルフィールド・シングルバトル!」
「わかりました。クラスリミット・フ…………フリー!? スリーじゃなくて!?」
「――――どうかしたのか?」
「えっと……フリーって制限なしって事ですよね?」
「なにか問題でもあるのか? こっちがルールを決めていいって言ったのはお前だろ?」
「い、いえ。大丈夫です。…………では、クラスリミット・フ、フリー。ツー・ライフ、ノーマルフィールド・シングルバトル!」
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