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私に投票してください! 生徒会長選挙バトル5
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――――――それから私達は2人で登校して来る生徒に声をかけていったのですが、なんとそこには重大な誤算があったのでした。
私が思っていたより選挙に関心の無い生徒が思いのほか多く、挨拶をしてもあまり良くない反応をされる事が多数。
それどころか、こっちが挨拶をしても無視される事すらあったのでした。
まあ私自信も立候補するまで全くと言っていいほど興味が無かったので人の事は言えないのですが、この感じだとその場のノリで適当に選んだり、何も考えずに目立ってる人を選ぶ人が多くなるかも知れません。
…………こうなったら、やり方を変えたほうがいいかもしれませんね。
――――――午前中の授業が終わったお昼休み、私は食堂に即席のラーメン屋台でラーメンを作っていました。
「皆さん、いかがですか? 本日限定、出張けんけん軒です!」
「…………こんな所で何してるの、桜?」
早速お客さんがやって来たと思ったら、どうやらそのお客さんは忍さんと望さんのようでした。
「なにって? 見て判る通り、ラーメン屋台をやってるのですが」
「だから何で屋台をやってるのよ!」
「おお~。これは美味しそうだねぇ~。じゃあ望はこのスペシャルラーメンの大盛りで頼むよ」
「まいどあり~」
「って。注文しちゃってるし!?」
私は急いでラーメンを2個作るとトレイの上に乗せて2人の前に出しました。
うちのお店で出してる物とほぼ同じの特製ですっ!!!!
「おまたせしました。ラーメン二人前おまちです」
「…………何で私のもあるわけ?」
「まあまあ、細かい事は気にしないで食べていってください」
「まあ別にいいけど。――――それで料金は?」
「おおっ!? 流石は忍さん。いい質問です!」
「普通は聞くでしょうが!」
「くふふ、聞いて驚いてください。なんと! 期間限定で無料なんです!」
「やった~。じゃあ、おかわりし放題じゃん!」
飛び跳ねて喜ぶ望さんを横にいる忍さんがたしなめました。
ちなみに代金が無料と言っても、麺と具材は私の家から無料で提供する事が前提になっているので私の家的にはかなり赤字なのですが、来月からの売上が0になるよりはマシなので、ここは赤字覚悟の出血大サービスですっ!!!!
「食べすぎは止めときなさいって。てか出張は今日だけって言ってなかった?」
「まったく。忍さんはいちいち気にしすぎですね」
「桜が適当すぎるんでしょうが!」
「と、も、か、く。これは私の家のラーメンの味を改めて皆に知ってもらう為に特別に許可をもらってやってる事なんです!」
「あ、一応許可は取ったんだ」
流石に無許可だと学校に止められてしまいます。
「なので、2人もこのラーメンを学食から守る為に改めて食べておいてください!」
「わかったよ! 望、桜ちゃんの為に5杯食べる!!!!」
「そういう事なら、こっちもりょーかい。あ、お箸忘れてるわよ」
「おっと、すみません。すぐに用意します」
私は2人のトレイに紙ナプキンを敷き、その上にお箸を置きました。
「…………なにこれ?」
「なにって紙――――――」
「その流れは1回やったからいいでしょ!」
「桜ちゃんの絵が書いてあるけど、どうしたのこれ?」
「もちろん選挙の為に作ったんです!」
紙ナプキンには私のイラストと共に「私に投票してください!」との大きい字を書いておきました。
「自信作です!」
「こういうのって、やっていいの?」
「面白いし、別にいんじゃない? 望はこれ好きだよ」
「ビラ配りみたいな物なので大丈夫かと」
「まあ桜がいいなら別にいいけど。じゃあ私達はラーメンが冷めない内に食べてくるわね」
「ばいば~い」
忍さんがトレイを持ち上げると、紙が一番はらりと落ちました。
「あれ? なんか落ちた?」
「ああ。それは無料券ですね」
「なんの?」
「私に投票したら使えるようになる、無料でラーメンセットが貰える券です」
「こっちはアウトでしょ!!!!」
私が思っていたより選挙に関心の無い生徒が思いのほか多く、挨拶をしてもあまり良くない反応をされる事が多数。
それどころか、こっちが挨拶をしても無視される事すらあったのでした。
まあ私自信も立候補するまで全くと言っていいほど興味が無かったので人の事は言えないのですが、この感じだとその場のノリで適当に選んだり、何も考えずに目立ってる人を選ぶ人が多くなるかも知れません。
…………こうなったら、やり方を変えたほうがいいかもしれませんね。
――――――午前中の授業が終わったお昼休み、私は食堂に即席のラーメン屋台でラーメンを作っていました。
「皆さん、いかがですか? 本日限定、出張けんけん軒です!」
「…………こんな所で何してるの、桜?」
早速お客さんがやって来たと思ったら、どうやらそのお客さんは忍さんと望さんのようでした。
「なにって? 見て判る通り、ラーメン屋台をやってるのですが」
「だから何で屋台をやってるのよ!」
「おお~。これは美味しそうだねぇ~。じゃあ望はこのスペシャルラーメンの大盛りで頼むよ」
「まいどあり~」
「って。注文しちゃってるし!?」
私は急いでラーメンを2個作るとトレイの上に乗せて2人の前に出しました。
うちのお店で出してる物とほぼ同じの特製ですっ!!!!
「おまたせしました。ラーメン二人前おまちです」
「…………何で私のもあるわけ?」
「まあまあ、細かい事は気にしないで食べていってください」
「まあ別にいいけど。――――それで料金は?」
「おおっ!? 流石は忍さん。いい質問です!」
「普通は聞くでしょうが!」
「くふふ、聞いて驚いてください。なんと! 期間限定で無料なんです!」
「やった~。じゃあ、おかわりし放題じゃん!」
飛び跳ねて喜ぶ望さんを横にいる忍さんがたしなめました。
ちなみに代金が無料と言っても、麺と具材は私の家から無料で提供する事が前提になっているので私の家的にはかなり赤字なのですが、来月からの売上が0になるよりはマシなので、ここは赤字覚悟の出血大サービスですっ!!!!
「食べすぎは止めときなさいって。てか出張は今日だけって言ってなかった?」
「まったく。忍さんはいちいち気にしすぎですね」
「桜が適当すぎるんでしょうが!」
「と、も、か、く。これは私の家のラーメンの味を改めて皆に知ってもらう為に特別に許可をもらってやってる事なんです!」
「あ、一応許可は取ったんだ」
流石に無許可だと学校に止められてしまいます。
「なので、2人もこのラーメンを学食から守る為に改めて食べておいてください!」
「わかったよ! 望、桜ちゃんの為に5杯食べる!!!!」
「そういう事なら、こっちもりょーかい。あ、お箸忘れてるわよ」
「おっと、すみません。すぐに用意します」
私は2人のトレイに紙ナプキンを敷き、その上にお箸を置きました。
「…………なにこれ?」
「なにって紙――――――」
「その流れは1回やったからいいでしょ!」
「桜ちゃんの絵が書いてあるけど、どうしたのこれ?」
「もちろん選挙の為に作ったんです!」
紙ナプキンには私のイラストと共に「私に投票してください!」との大きい字を書いておきました。
「自信作です!」
「こういうのって、やっていいの?」
「面白いし、別にいんじゃない? 望はこれ好きだよ」
「ビラ配りみたいな物なので大丈夫かと」
「まあ桜がいいなら別にいいけど。じゃあ私達はラーメンが冷めない内に食べてくるわね」
「ばいば~い」
忍さんがトレイを持ち上げると、紙が一番はらりと落ちました。
「あれ? なんか落ちた?」
「ああ。それは無料券ですね」
「なんの?」
「私に投票したら使えるようになる、無料でラーメンセットが貰える券です」
「こっちはアウトでしょ!!!!」
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