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2章:謀と未練
2-4:腹を暴く
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「んっ!」
口の中に青臭い苦みが走る。
どくどくと脈打ち、注がれるそれを、アズールは喉の動きを見せつけるようにして呑み干した。
「はは……いっぱい出たなぁ」
アズールは楽しい気持ちのまま微笑んで見せた。
いつかの看守たちのものより、ずっと甘美だと感じる。
「アズール、殿ぉ……」
「うわ……若いなぁ」
セレスの股間はすでに復活し、臨戦態勢に戻っていた。
興奮状態を抑えきれておらず、息が荒い。逆光を背負ったその姿は、森の猛獣のようだ。そう思った瞬間、アズールは執務机の上に無理やり寝かせられる。
「煽った貴方が悪い……!」
「あっ……! やめっ、ひぃ……っ」
服を剥ぎ取られると、身体の内にじくりと残る熱が、再び燃え上がる。
どこもかしこも悩ましい。優しく撫でられ、舐められるたび、甘やかな刺激が全身に走る。
机の上からはみ出た足が勝手に跳ねて、引き出しや椅子を思いきり蹴ってしまったが止められない。
そのまま柔く勃ち上がりはじめた物を捉えられ、硬い掌で擦られてしまい、簡単に達してしまった。
「なぁ……っ、どうして、いれてくれないんだ……」
胸でぴんと存在感を放つ乳首を優しく捏ねられ、言葉が上手く紡げない。
身をよじろうにも、大きな体に覆いかぶされ殆ど動けない。
「まだ貴方の無実を聞いていない。伴侶にできない……」
逃げようとした事を咎めるように、今度は乳首を少しつねられた。
刺激で腰が浮き、生理的に涙がこぼれて来るが、アズールは何とか言いたい事を絞り出す。
「疼いて堪らないんだよ!
私はお前の物だ人扱いするなっ……物らしく、雑にやれよ……!」
無実だ伴侶だなんだ、うだうだ言ってないで、やりたいまま欲をぶつけろ。
戦場の発散係よりも事務的に、消耗品として使え。
物足りなさで滅茶苦茶な事を言っているような気がするが、アズールに訂正する余裕はない。
「仕方ありませんね……譲歩しましょう」
セレスは転移魔法で、潤滑油が入った硝子の小瓶を取り寄せた。
「バルト様を挑発した事をお認め下されば、指を使って差し上げます」
今まで全く触れられなかった後孔を、ほんの少しだけ撫でられれば、アズールは情けなくも甘い吐息が零してしまう。
熱が暴れて、身体が言う事を効かない。孔の近くを彷徨う節くれ立った指が、欲しくてたまらない。
それでも最後の意地でセレスを睨みつけ、抵抗の意志を示した。
「貴方という人は……」
何と、いじらしいのでしょう。
アズールがいつかセレスに対して思った言葉を、耳に囁かれた。脊椎を伝って頭から腰まで、心地よい低音が刺激となって走る。
更に執拗さを増した愛撫が、アズールを外から蕩かしていく。
そうして、内側の熱を炎に変え、耐え難い快楽の嵐に晒していく。
喉が焼き切れそうな程嬌声を上げ、吐かれる精が透明になったところで、ようやく一度解放される。
「はぁ、は、ぅ……や、だ……ゆるし、て」
机の上で、アズールはぴくりとも動けなくなってしまった。体液に塗れ、呼吸をするたびに痺れて苦しい。
苦しいのに、物足りない。どうにかなりそうだ。
「お認めになられますか?」
「……兄を、怒らせようとした」
アズールは、枯れた声でそう呟く。
「どうして?」
「ひどく、つか、れてた……私なんかに構ってないで、休むべきだと……」
「……一先ずは、よろしい」
とろりと、アズールの下腹部から股の間にかけ、潤滑油が垂らされる。
急な冷たさに「あっ」と声を上げたところで、待ち望んでいた指の先が、後孔にひたりと触れた。
「まだ、理由があるはずでしょう。
わざわざ殴らせ、バルト殿が二度とフィンレイ家の敷居を跨げないようにした理由が」
アズールはまだ正式な伴侶ではないが、フィンレイ公爵の所有物としてこの家にいる。
公爵よりも下の貴族が、公爵の物を傷つけるなどあってはならない不敬なのだ。
ゴシップに疎いバルトの事だから、今日も記者や他の貴族が抱えた諜報を警戒する事なくやって来た事だろう。
アズールの情報だけは女王の緘口令もあり有耶無耶になるだろうが、バルトの不敬については、貴族中に知れ渡る。
セレス個人が事情を汲み、許したとしても、古くからの貴族のルールに則るのなら許してはならない。
騎士上がりの新米公爵相手は何もわかっていないから、多少の不敬が許されると、周囲に表明してしまう事になる。更に舐められ、最悪の場合「お前は公爵の器ではない」と、面子を重んじる貴族たちから一斉に反発を受け、爵位を剥奪される場合も成り得る。
――これが、あの短い時間でアズールが仕掛けた策略だ。
バルトが尋ねて来た理由は有耶無耶に終わり、アズールは兄と決別してみせた。
「何故バルト殿を遠ざけたのです?」
指が、後孔をぐぐぐと押し込んでいく。
軽く沈んでは引き上げられ、熱をじくじくと弄ばれたアズールの瞳から、生理的な涙が零れる。
「そんなの、りゆ、なんてないっ……」
だが、アズールは発言を拒否した。
「にいさんには、何も――ッ⁉」
更に拒否を続けようとしたアズールを黙らせるように、騎士の指は熱くうねる腹の内に滑り込んだ。
ぐり、ぬちゅ――。
滑り気を帯びた水音と共に、内と奥が押し広げられていく。
アズールは待ち侘びた快楽に息が出来なくなっているが、セレスの指は遠慮なく2本、3本と増やされる。
「あ、がッ……!」
「貴方は、どうして自分を犠牲にしたがる!」
歯がゆい。イライラして堪らない。どこまでも自分の心をひた隠して、誰かのために傷を負おうとするのか。
セレスはアズールの中で見つけた小さなしこりの感触を追い、強く弄り倒した。
「いッッ――」
刺激で暴れる身体を抑えつけられ、アズールは更に追い立てられる。
嬌声に交じって、胸の内から心がせり上がって来る。
――私には、失う物がなにもない。
言葉として零れる前に、アズールの目の前は真っ白になった。
口の中に青臭い苦みが走る。
どくどくと脈打ち、注がれるそれを、アズールは喉の動きを見せつけるようにして呑み干した。
「はは……いっぱい出たなぁ」
アズールは楽しい気持ちのまま微笑んで見せた。
いつかの看守たちのものより、ずっと甘美だと感じる。
「アズール、殿ぉ……」
「うわ……若いなぁ」
セレスの股間はすでに復活し、臨戦態勢に戻っていた。
興奮状態を抑えきれておらず、息が荒い。逆光を背負ったその姿は、森の猛獣のようだ。そう思った瞬間、アズールは執務机の上に無理やり寝かせられる。
「煽った貴方が悪い……!」
「あっ……! やめっ、ひぃ……っ」
服を剥ぎ取られると、身体の内にじくりと残る熱が、再び燃え上がる。
どこもかしこも悩ましい。優しく撫でられ、舐められるたび、甘やかな刺激が全身に走る。
机の上からはみ出た足が勝手に跳ねて、引き出しや椅子を思いきり蹴ってしまったが止められない。
そのまま柔く勃ち上がりはじめた物を捉えられ、硬い掌で擦られてしまい、簡単に達してしまった。
「なぁ……っ、どうして、いれてくれないんだ……」
胸でぴんと存在感を放つ乳首を優しく捏ねられ、言葉が上手く紡げない。
身をよじろうにも、大きな体に覆いかぶされ殆ど動けない。
「まだ貴方の無実を聞いていない。伴侶にできない……」
逃げようとした事を咎めるように、今度は乳首を少しつねられた。
刺激で腰が浮き、生理的に涙がこぼれて来るが、アズールは何とか言いたい事を絞り出す。
「疼いて堪らないんだよ!
私はお前の物だ人扱いするなっ……物らしく、雑にやれよ……!」
無実だ伴侶だなんだ、うだうだ言ってないで、やりたいまま欲をぶつけろ。
戦場の発散係よりも事務的に、消耗品として使え。
物足りなさで滅茶苦茶な事を言っているような気がするが、アズールに訂正する余裕はない。
「仕方ありませんね……譲歩しましょう」
セレスは転移魔法で、潤滑油が入った硝子の小瓶を取り寄せた。
「バルト様を挑発した事をお認め下されば、指を使って差し上げます」
今まで全く触れられなかった後孔を、ほんの少しだけ撫でられれば、アズールは情けなくも甘い吐息が零してしまう。
熱が暴れて、身体が言う事を効かない。孔の近くを彷徨う節くれ立った指が、欲しくてたまらない。
それでも最後の意地でセレスを睨みつけ、抵抗の意志を示した。
「貴方という人は……」
何と、いじらしいのでしょう。
アズールがいつかセレスに対して思った言葉を、耳に囁かれた。脊椎を伝って頭から腰まで、心地よい低音が刺激となって走る。
更に執拗さを増した愛撫が、アズールを外から蕩かしていく。
そうして、内側の熱を炎に変え、耐え難い快楽の嵐に晒していく。
喉が焼き切れそうな程嬌声を上げ、吐かれる精が透明になったところで、ようやく一度解放される。
「はぁ、は、ぅ……や、だ……ゆるし、て」
机の上で、アズールはぴくりとも動けなくなってしまった。体液に塗れ、呼吸をするたびに痺れて苦しい。
苦しいのに、物足りない。どうにかなりそうだ。
「お認めになられますか?」
「……兄を、怒らせようとした」
アズールは、枯れた声でそう呟く。
「どうして?」
「ひどく、つか、れてた……私なんかに構ってないで、休むべきだと……」
「……一先ずは、よろしい」
とろりと、アズールの下腹部から股の間にかけ、潤滑油が垂らされる。
急な冷たさに「あっ」と声を上げたところで、待ち望んでいた指の先が、後孔にひたりと触れた。
「まだ、理由があるはずでしょう。
わざわざ殴らせ、バルト殿が二度とフィンレイ家の敷居を跨げないようにした理由が」
アズールはまだ正式な伴侶ではないが、フィンレイ公爵の所有物としてこの家にいる。
公爵よりも下の貴族が、公爵の物を傷つけるなどあってはならない不敬なのだ。
ゴシップに疎いバルトの事だから、今日も記者や他の貴族が抱えた諜報を警戒する事なくやって来た事だろう。
アズールの情報だけは女王の緘口令もあり有耶無耶になるだろうが、バルトの不敬については、貴族中に知れ渡る。
セレス個人が事情を汲み、許したとしても、古くからの貴族のルールに則るのなら許してはならない。
騎士上がりの新米公爵相手は何もわかっていないから、多少の不敬が許されると、周囲に表明してしまう事になる。更に舐められ、最悪の場合「お前は公爵の器ではない」と、面子を重んじる貴族たちから一斉に反発を受け、爵位を剥奪される場合も成り得る。
――これが、あの短い時間でアズールが仕掛けた策略だ。
バルトが尋ねて来た理由は有耶無耶に終わり、アズールは兄と決別してみせた。
「何故バルト殿を遠ざけたのです?」
指が、後孔をぐぐぐと押し込んでいく。
軽く沈んでは引き上げられ、熱をじくじくと弄ばれたアズールの瞳から、生理的な涙が零れる。
「そんなの、りゆ、なんてないっ……」
だが、アズールは発言を拒否した。
「にいさんには、何も――ッ⁉」
更に拒否を続けようとしたアズールを黙らせるように、騎士の指は熱くうねる腹の内に滑り込んだ。
ぐり、ぬちゅ――。
滑り気を帯びた水音と共に、内と奥が押し広げられていく。
アズールは待ち侘びた快楽に息が出来なくなっているが、セレスの指は遠慮なく2本、3本と増やされる。
「あ、がッ……!」
「貴方は、どうして自分を犠牲にしたがる!」
歯がゆい。イライラして堪らない。どこまでも自分の心をひた隠して、誰かのために傷を負おうとするのか。
セレスはアズールの中で見つけた小さなしこりの感触を追い、強く弄り倒した。
「いッッ――」
刺激で暴れる身体を抑えつけられ、アズールは更に追い立てられる。
嬌声に交じって、胸の内から心がせり上がって来る。
――私には、失う物がなにもない。
言葉として零れる前に、アズールの目の前は真っ白になった。
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